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2003年06月26日(木)
はなわ「佐賀県」に秘められた、葛藤と戦略。


「九州ウォーカー・2003.No14」の記事「『佐賀県』を歌う芸人はなわにインタビュー!」より。

【上京した時、周りの芸人は千葉県など中途半端な田舎の出身ばかり。佐賀県っていう地味な所から来たのは俺だけだった。で、俺のキャラは田舎者だってひらめいたんだよ」】

〜〜〜〜〜〜〜

 「S・A・G・A、さが〜」で一躍時の人になった、はなわ。
 歌詞の内容からは、故郷佐賀県をバカにしているといえなくもないのですが、この曲のプロモーションビデオに出演した佐賀県の古川知事からは、感謝状を送ることも検討されているとか。
 確かに、まずは名前をアピールする、という意味では、これ以上の宣伝はなかったかもしれませんから。
 僕は、彼の「佐賀県」という歌は面白いと思うんですが、彼の芸そのものは、ちょっと言いすぎで感じ悪いな、というところもあるんですけど。
 
 僕も含めて、田舎者というのは、都会人に対してコンプレックスを抱きがちなもの。だいたい、標準語で普通に喋っているのを聴いただけでも、「カッコつけやがって!」とか内心思ったりするもので。
 でも、その「田舎者」も、考えようによっては、「個性」なんですよね。
 確かに、佐賀県の出身者は、東京都の出身者よりもはるかに珍しい存在なのですから。
 開き直って、「田舎者」というキャラで勝負した、「はなわ」という人は、先見の明があったなあ、という気がします。やっぱり、芸の世界では「キャラが立っている」というのは、すごく大事なことでしょうし。
 コンプレックスを感じている部分も、実は「個性」となりうるんだ、というのは、意外とみんな気がつかないところで、見事な逆転の発想なのです。
 他人に誇れたり、笑い話にできるような「故郷」があるというのは、転校族だった僕にとっては、うらやましいところもあるんです。
 堂々とバカにできるのも、「故郷」だからだものね。
 故郷への愛着を語れる人に対して、僕はいつも、羨ましいような、妬ましいような、複雑な気分になるのです。
 
 ちなみに、彼の故郷の人々は、「吉田屋なんかない!」とか「ヘルメットなんか被ってない!」とか言いつつも、満更でもないみたい。
 田舎って、話題になるだけでもけっこう喜んでいたり。

 でも、「ライバルは鳥取県!」というのは、どうかと思います。
 むこうには、砂丘があるしなあ。