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2003年06月08日(日) ■ |
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ドクター・キリコの意外なキャスティング。 |
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「別冊宝島794・ブラック・ジャック完全読本」より。
(TVドラマ化された「ブラック・ジャック」の紹介記事より)
【TVドラマ版ドクター・キリコ TBS放映ドラマ版『B.J』のキリコ役は、なんと癒しボイスで有名な森本レオ。正体不明の不気味さでいえば、いろんなキリコの中でもナンバー1。】
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手塚治虫の代表作のひとつ「ブラック・ジャック」。ドクター・キリコは、無免許で法外な手術料を取る代わりに神業のメスさばきで奇跡を起こす主人公ブラック・ジャックの好敵手である、安楽死を生業とする医者です。 このTVドラマ版は、主人公のブラック・ジャックが本木雅弘で、2000年から2001年にかけて、シリーズ3作が放映されたそうです。 けっこう最近のことなんですけど、あんまり記憶がないなあ。 このドクター・キリコ、周知のごとく、かなり不気味なキャラクターなのですが、最近いろいろな事件が発覚する前の「癒しキャラ」であった時代の森本レオというキャスティングは、けっこう意外でした。 そのドラマ、一度観てみたいものですが、どうしても笑ってしまいそう。 確かに、ある意味「不気味」ではありますけどね。 この本には、実際にアメリカで安楽死医師として活動しているジャック・キヴォーキアン氏のことも書いてあります。 彼は、眠ったまま安らかに死ねる機械「マーシトロン」というのを開発して、‘90年に志願者の一人目を安楽死させて以来、この機械や薬物注射で約130人を安楽死させてきたそうです。ちなみに彼は、4回の裁判を無罪でくぐり抜けたものの、’99年の5回目の裁判で有罪となり、刑務所に収監されながら、現在も安楽死の正当性を訴え続けているそうです。
マンガでのドクター・キリコは、戦場で命を救う方法もなく、死を待つばかりなのに死にきれない傷病兵たちと接することで、安楽死を決意したという設定になっていますが、作中には「おれだって医者のはしくれだ。命が助かるにこしたことはないさ…」と述懐するシーンがあります。
それにしても、キヴォーキアン氏は、どうして「安楽死」を法や多くの世論と闘ってまで実行しようとしたのでしょうか? 「医者のはしくれ」である僕としては、そのことについて考えてしまいます。 むしろ、普通に医者をやっていたほうが、はるかに順調でラクな人生だと思うのですが。 人間を生かすはずの医者である彼の苦悩した果ての結論が「安楽死」であるというのには、医師という仕事の業を感じざるをえません。
しかし、今の森本レオに安楽死させられるのは、ちょっとイヤだなあ…
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