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2003年05月23日(金) ■ |
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能登市長、スカイダイビングをやる勇気があるのなら… |
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毎日新聞の記事より。
【石川県輪島市で24、25日に開かれる能登空港開港記念行事で、同市の梶文秋市長(54)が高度約1000メートルからのスカイダイビングに挑む。7月の開港で東京往復便が就航。地域活性化への期待も大きく、地元自治体は搭乗率70%以下なら航空会社に補てんを約束する力の入れよう。】
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地方空港の形骸化が叫ばれている昨今、また、新しい空港が誕生します。 石川県輪島市の能登空港は、2003年7月7日の七夕に開港予定。 しかしながら、能登ー羽田便一日2往復からのスタートで、採算性については、疑問視されているのが現状です。
僕は九州出身なのですが、平成10年7月、九州に佐賀空港という新しい空港がが開港したのです。開港前から「よほど近くに住んでいる人しか乗らないのではないか?」と地元の人ですら言っていたのですが、蓋を開けてみれば案の定、搭乗率は大苦戦を続けているのです。実際、佐賀市から福岡空港までは、特急を利用すれば1時間強くらいで着いてしまいますし、福岡空港のほうが便数が多くて便利だという意見が多い。佐賀空港には、無料の大駐車場などのメリットもあるのですが、いろいろな便との接続や空港までのアクセスなどを考えると、開港前の見通しは甘すぎたと言っていいでしょう。 だいたい、そこまでして空港を造る必要性があったのか、疑問で仕方ありません。むしろ、熱気球大会の規模が小さくなったことが残念に思えるくらい。 大部分の人は、地元の空港よりも、便利で大きな空港を使いたがるのは自明の理なのでは。
「自分の県に空港がないのは恥ずかしい」なんてのは、実は不条理な発想なのではないでしょうか? 空港は、確かに便利かもしれませんが、日常生活においては騒音も大きいし、危険だってあります。それに、電車の駅ならともかく、そんなに日常的に空港を使う人間が沢山いるとは思えません。とくに田舎では、ね。 さて、能登空港ですが、開港によって、東京に行くのにかかる時間が、今までより2時間〜2時間半短縮されるそうです。 でも、考えてみてください。それこそデータの見せ方で、一日中好きな時間に乗れるのなら、確かにそれだけ時間が短縮されるでしょうが、一日2便だけの空港では、そのダイヤに都合を合わせないといけないのですから、便数が多い空港に比べたら、時間短縮のメリットは、実際はそんなに長時間ではないでしょう。飛行機は、荷物検査とか搭乗時刻とかもありますし。
市長もスカイダイビングするくらいの勇気があるのなら、こういう空港のありかたについて、もっと勇気を持って判断すればいいのに。
田舎にとっては、むしろ、空港なんてやっかいなものは、大きな県に任せておいて、そこまでのアクセスを整備してそちらを利用するほうが、はるかに合理的だと思うのですが。造るのがタダならいくらあってもいいかもしれませんが、そこで生じる赤字を負担するのは、ほとんど空港を利用することのない人々なんですから。 現在では「ムダな空港を造らない県」のほうが、「赤字空港を抱えている県」よりも遥かに自慢できることなんじゃないかなあ。
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