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2003年05月21日(水) ■ |
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医者でも、好きな薬をいくらでも処方できる訳じゃない。 |
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毎日新聞の記事より。
【兵庫県宝塚市立病院の皮膚科の男性医師(40)が、カルテを不正に書き換えるなどして向精神薬「リタリン」約5900錠を入手し、大量に服用していたとして、同市は20日付で医師を懲戒免職処分にした。近畿厚生局麻薬取締部などは、医師が薬を第三者に渡した向精神薬取締法違反の疑いもあるとみて捜査している。】
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リタリンというのは、もともとうつ病の薬なのですが、乱用による依存が90年代後半から非常に増えており「病院でもらえる覚せい剤」とまで言われているのです。もちろん、うつ病の患者さんにとっては、非常に有用な薬であることは間違いないのですが…
それにしても、こういう記事を読んで思うのは、「いったいどうやって、5900錠もの薬を処方できるんだろう?」ということなんですよね。 世間のイメージとしては、医者はどんな薬でも処方し放題、なのかもしれませんが、普通の病院では、医師が書いた処方箋は薬剤師・医療事務の人を通さないと薬は患者さんの手には渡りませんから。 個人病院などでは、少しはチェックは緩いのかもしれないけれど(ただし、異常な処方内容については、保険に通りませんから病院としては大損になってしまいます)、市立病院、しかも皮膚科の医師ということであれば、5900錠というのは、医者だとしても「どうやって手に入れたのだろう?」という感じです。 とくに公立病院では、薬の管理は一勤務医がどうこうできるようなものではないですし。実際、僕たちも大学勤務などのときは、よほど具合が悪くないと自分の薬を処方してもらうのも(自分で自分の薬は処方できませんから)大変だったため、市販薬を買ったりしていたものです。 医者だからといって、いくらでも好きな薬が処方できるわけでもないはずなのですが、いったいどうやってそんなにたくさん、しかも自分の専門外の薬を入手できたのか、同業者でありながら、不思議でなりません。 本人も鬱で、中毒になってしまったのかもしれないけれど、いくらなんでも6000錠は多すぎるし、どうやって今までやってきたんでしょうか?
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