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2003年04月28日(月)
40年間も、毎日同じ生活をするなんて…

朝日新聞の4月28日付「天声人語」より。

【インターネットで知り合って心中を図り、重体になった日本の大学生が「あと40年間、毎日同じ生活をするのは苦しい」と語ったことについて、山梨大教授(生物学)の池田清彦さんは、「あと40年も平凡に生きられたとして、それ以上どんな人生を望むというのかね」】

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 確かに、この教授の言葉はもっともな事で、この世界中には「40年間同じ、平和な生活」を望むべくもない人々が、たくさんいるわけですから。
 でも、この教授の言葉は、おそらく「オトナの感慨」でもあるわけですよね。
 僕も10代の頃は、「平凡な人生なんて厭だ!」とずっと思っていましたし、確かに、世間の大人たちって、どうしてあんなに平凡な人生を送っていけるのだろう、と感じていたような気がします。もう30を越えた今では、あまり上手く思い出すこともできないのだけれど。
 でも、実際に人間として30年も生きていると、誰でもその人なりの山や谷があるのかなあ、という気もするのです。
 実は、本当に「平凡な人生」を送っている人間なんて、ごくごく一握りなわけで。
 現実には、この2人の対話は、大学生を「若いなあ」と一刀両断してしまえば済むことなのかもしれないけれど、逆に、若い頃の人生観なんてそんなものだったような気もするのです。
 確かに、自殺するのがいいことだとは思わないけれど。

 30年生きてきて、僕は、人生観というやつは、大部分の人間にとって、食べ物の好みと同じように年齢によって変わっていくのだと思うようになりました。
 最初は甘いものや単純な味が好きでも、大部分の人間は、年齢を重ねるにつれ、苦味や酸味にも味わいを感じるようになるもの、なのではないでしょうか。

 「平凡な人生が厭なんて贅沢」というよりも「40年も同じ毎日の繰り返しなんて、絶対ないから心配するな」という方が、僕にとってはリアルなんだけどなあ。
 たぶん、この教授の言葉は、自殺志願者には届かないのでは…

 こういうのは、移行期にある30歳前半男性の思い込み?