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2003年04月01日(火)
もしかしたら、飛行機よりも危険かもしれない乗り物


「週刊SPA!・2003年4月1日号」(扶桑社)の記事「今週の顔/ワイド版・『イラクの自由』作戦」より。

【それでは、具体的にテロの標的となるのはどこなのか?
 (戦略アナリストの青山繁晴氏)「米軍基地と原子力発電所が危険といわれていますが、六本木など米軍関係者や外国人が集まる繁華街のほうが危険だと思う。また、日本人は『飛行機移動は危ない』という先入観を変える必要がある。というのは、新幹線のほうがよっぽど危ないから。時速250kmで大量輸送する新幹線に爆弾が積まれたら大惨事になるのに、乗客のチェックも手荷物検査もまったく行われていないのですから。】

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 今回の戦争の影響(あと、中国・香港を中心としたSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行)もあって、今年のゴールデンウィークや夏休みは、海外よりも国内旅行を選ぶ人が増えるでしょうね。
 僕も最近飛行機に乗る機会が何度かあったのですが、あのボディーチェックや荷物チェックは、わかってはいるつもりでも、けっして気持ちがいいものではありません。
 やっぱり、苦痛ですよね。
 まあ、航空業界も好きでやっているわけではないと思うのですが。

 新幹線は身ひとつで乗れるし、面倒な搭乗手続きも無くて便利には違いありません。
 でも、確かに時速250kmの車内で爆発が起きたら、飛行機事故と同様に多くの犠牲者が出るでしょう。にもかかわらず、新幹線では手荷物検査や搭乗手続きなんて行われていませんから、むしろリスクは飛行機より高いかもしれません。
 僕たちが気軽に乗れる、というのは、裏を返せば、テロリストだって乗りやすいわけですから。
 まあ、新幹線は自由に操縦してどこかにぶつけるとか、そういうテロには使いようがないでしょうけれど、無差別殺人としてのテロの標的には、十分なりうると思います。

 僕たちが「飛行機はあぶない」と思いがちなのは、きっと、空の上で何か起こったら、まず助からない、というのと、自分の乗った飛行機が落ちるというイメージがあまりに辛いものだからだと思います。
 地上を走る乗り物なら、なんとなく助かりそうな気がするし。

 実際には日本の交通事故の死者は、毎年1万人足らずで推移しているのですが、その大部分は車の事故です。飛行機事故やハイジャックなどは、飛行機の運行便数を考えると、そんなに頻回に起こっているわけじゃない。もともと、起こってはいけないこと、なのですが。

 僕の知り合いのアメリカ人は「結局、運が悪けりゃ、何に乗っても死んじまうよ」と言って、飛行機に乗り続けているのですが、それも、一理あるのかもしれません。
 家でじっとしていることができれば、乗り物に乗りまくっているよりは多少はマシだろうけど。

 でも、乗客としては、新幹線で手荷物検査をされるめんどくささと安全性を秤にかけたら、どちらがいいのかなあ。
 今の段階では、まだ必要ないような気がするし、何か起こってからでは遅いような気もするし…