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2003年03月31日(月)
店員アタックの無いデパートは好きですか?


共同通信の記事より。

【高知市の百貨店「高知大丸」が1日、店員に声をかけられずにゆっくりと商品を選びたい人が「今日は見てるだけ」マークを着けてショッピングを楽しめるサービスを始めた。
 「店員に声をかけられるので、気軽に売り場に入れない」との声が多いことから、同百貨店の村田耕一社長が発案。村田社長は「買う目的以外にも楽しく時間を過ごせるのが百貨店。着ける着けないは自由です」と話している。
 マークは、首などから下げるカードホルダータイプと服に着ける使い捨てシールタイプの2種類。目立ち過ぎとの声もあることから、4月中に新たに赤い羽根のような羽根タイプも導入する方針。
 店の入り口など3カ所に用意し、希望する人が自由に使えるようにする。】

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 思わず、この店長の英断に拍手を送りたくなりました。僕は、ほとんどデパートでブランド物の服を買ったりする機会はないのですが、たまにはデパートに行くことだってあります。でも、売り場で商品を見てると店員さんがすぐ寄ってきて「何かお探しですか?」とか「お似合いですよ」とか言われるのは、正直めんどくさいです。
 そういうヨソイキの買い物をする時点でかなりめんどうなのに、店員さんの相手をしないといけないのは拷問に等しくて。
 最近とくに、デパート業界は不振が続いているようですし、売り場にお客より店員さんの数のほうが多いようなことも、けっこうありますし。もっとも、都会のデパートでは全然違うのかもしれませんが。
 一時期のユニクロの隆盛の一因には、僕みたいに「服を選ぶのに、いちいち店員さんと濃密なコミュニケーションをとるのが面倒くさい人種」の存在もあると思うのです。あそこは、「何をお探しですか?」なんていちいち声をかけられませんし。

 しかし、この「見てるだけ」マークって、つけて買い物するのは、けっこう恥ずかしい気がします。「買う気がない!」って自分で宣言するのもねえ。むしろ、ホテルのドアノブに掛けるような”Don't Disturb!"みたいな表現のほうが、いいのかもしれません。「見てるだけ」のつもりでも、衝動買いしちゃうことも当然あるでしょうし。
 まあ、売り場で働いている人にとっては、お客さんが品物を選ぶのを「見てるだけ」というのは、自分が働いていないような気がして、居たたまれないのかもしれませんよね。店員がいなくても商品が売れる、ということになれば、リストラの対象になること確実ですし。それに、万引き防止という観点もあるでしょう。
 
 それは理解できるとしても「用事があれば、こっちから呼ぶから好きに選ばせて!」というのが僕の心境なのですが。

 ただし、僕もパソコンを買うときにはけっこう細かい質問をしたりしますから、洋服好き、アクセサリー好きの人にとっては、その売り場の店員さんとのセールストークもそんなに苦痛じゃないのかな?

 しかし、この試み、考えようによっては「見てるだけ」をつけてない人は、店員さんの「何をお探しですか?」の集中砲火を浴びるおそれがありますね。「だって声をかけてもいいんでしょ?」って。それは想像しただけで泣きそうです…
 どうせなら、店全体で「見てるだけ運動」をやってみればいいのに。
 今の時代「不要なコミュニケーションはしない」ほうが、むしろサービスなのではないかと思いませんか?
  
 僕が理想とする売り場って、静かで、そこそこ人の気配があって、誰にも声をかけられずに、好きなものがいっぱいある空間。

 そう、要するに「本屋さん」なのですが。