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2003年03月04日(火)
ママさんスチュワーデスは、もう日本の空を飛べない!


毎日新聞の記事より。

【育児をする客室乗務員の深夜勤務を免除してきた日本航空(JAL)が、4月から免除する人数を約100人から最大75人に絞ることを決めた。これに対し、同社客室乗務員組合(飯田幸子委員長、930人)は3日、記者会見し、「ママさんスチュワーデスが日本の空を飛べなくなる」と人数の上限撤廃を求めた。

 同社はこれまで未就学の児童を持ち、育児の出来る同居家族のいない乗務員は、希望者全員に深夜や泊りがけの乗務を免除してきた。3月末までは約100人が制度を利用し、日帰りで乗務している。しかし、同社は2月、4月から抽選で適用者を75人に絞ると、社員に通知した。抽選に外れれば、最長で11日間の南米往復勤務もしなければならない。

 同労組は「保育園入園を希望しても、順番待ちですぐには入れない。抽選に漏れれば、仕事を辞めねばならない」「時代に逆行している」と批判。「乗務パターンの組み方次第で日帰り勤務は可能」と主張する。

 同社広報部は「4月に日本エアシステムと経営統合し、日帰りの乗務パターンが大幅に減るためやむを得ない」と説明している。】

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 日本航空も、酷い会社ですね…
 とも言い切れないのが、この問題の困ったところで。
 930人のスチュワーデスさんのうち、現在、この制度を利用している人が、約100人おられるわけですよね。
 それで、残りの乗務員が830人、と。
 僕は、この記事で、はじめて「最長11日間の南米勤務」なんていうのがあると知りました。10日以上も家を空けなければならない勤務なんて、確かに子育てをやるには厳しいでしょうね。

 医者も泊りがけの仕事(要するに「当直」ですね)がある職業なのですが、自分のこととして考えると、例えば、同僚の女医さんが「私は子供の世話があるから、患者少なめでよろしく」とか「当直なしにして」と言われたら、表面上は「仕方ないね」と言いながらも、勘弁してくれよ…と内心感じます。
 仕方がないこと、ではあるんだけれど、現場でその穴埋めをする人間としては辛いのも事実。

 スチュワーデスさんには「いつか自分の身にも起こるかもしれない問題だから」という意識があるのだとは思いますが…

 しかし、こういう制度のしわ寄せが来るのは、実はJALという会社自体ではなくて、働いている他のスタッフなんです。

 そういえば、僕が知っている、ある地方の公病院の院長は、研修に来ることになった結婚したばかりの女医さんに「お願いだから、ウチで働いている間は子供をつくらないでくれ」と言ったそうです。「もともとギリギリの人数で、ひとり居なくなったら病院自体がまわらないから」と。
 
 もともと日本社会には、出産・子育てを行う働く女性に対する社会的な優遇措置が少ないという面があるのですが、不景気による経営難が続く中、今回のJALの措置は、実質的には、リストラを狙ったものなのでしょう。

 スチュワーデスに乗客が求めるものは、ほんとうは見た目の美しさではなく、長い時間飛行機の中に閉じ込められる乗客への気配りであり、そのためには出産・育児経験はプラスになると思うのですが。

 それにしても、日本航空は、むしろ意識の高い方の会社ではないか、という気もしますね。病院で働く大部分の女性たちは、未就学の子供を親や保育所に頼んで働いているので…