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2003年02月26日(水)
幻の街、ハウステンボス。


毎日新聞の記事より。

【九州のテーマパークの雄、ハウステンボス(長崎県佐世保市)が経営破たんした。テーマパークが数多く立地する九州で、バブル経済崩壊後、テーマパークの破たんが相次ぐ中、規模、入場者数とも群を抜き、「1億総余暇時代」のトップランナーだったハウステンボスの再建の行方は最大の関心事だったが、ついに力尽きた。

 九州ではバブル期に多くのテーマパークが開業した。しかし、バブル崩壊後は軒並み入場者数が伸び悩み、多額の初期投資の負担に耐えられなくなるテーマパークが続出した。98年には福岡県大牟田市などが出資する第三セクターのネイブルランド、00年9月には熊本県荒尾市の同アジアパークが会社解散に追い込まれた。さらに01年2月には、宮崎市の大型リゾート施設・シーガイアを経営する三セクのフェニックスリゾートなどシーガイアグループ3社が計3261億円の巨額の負債を抱えて会社更生法適用を申請した。

 苦戦の背景には、消費低迷に加え、東京ディズニーシー(千葉県)、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)の開業など他の大型テーマパークとの競争激化がある。九州のあるテーマパーク関係者は「大都市圏と違い、近郊の人口が少ない地方では、繰り返し訪れる『リピーター』にも限度がある。海外旅行の低価格化もあり、経営はますます厳しくなっている」ともらす。共通入場券の導入など入場者数アップのための連携を模索しているが、実効性の高い対策は打ち出せていないのが現状だ。】

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 オランダの街並みを再現した、日本屈指のテーマパーク、ハウステンボスがついに経営破綻してしまいました。というか、危ない、という評判は、地元では随分前から囁かれていたんですけど。
 そういえば、今年の春に「ウインズ佐世保」という、日本中央競馬会の場外馬券売り場が、ハウステンボスの敷地内にオープンしました。僕は、そのニュースを目にしたときに、これは、もう本格的にダメかな…と思ったのです。
 人が集まるところ、という点では共通でも、テーマパークと馬券売り場では客層も違うでしょうし、ハウステンボスの雰囲気を壊す可能性のある施設との同居を選択したということは、かなり追い詰められているのではないかなあ、と。
 ディズニーランドの敷地内に場外馬券売り場が併設される、なんてことは、まずありえませんし。
 そういった、イメージを捨ててでも、目先の利益を取りにいかなくてはならない状況だった、ということなんでしょうね。
 しかし、2000億円を超えるとされる負債額は、あまりに大きい。ハウステンボスは、「テーマパーク」というよりも、ひとつの新しい街を造るという概念で建設されました。
 ほんとに、長崎県佐世保市ハウステンボス町という地名になっているんですよ。
 滞在型のリゾート施設として、別荘の分譲なども行っていたようですが、結局、バブル崩壊のあおりを受けて、その規模に見合った収入は得ることはできず。

 うちからはけっこう近場なので、僕にとってはディズニーランドやUSJより、遥かに身近なテーマパーク、ハウステンボス。
 派手なコースターなどのアトラクションはありませんが、ほんとうにオランダの街並みが再現されていて、真夏や真冬を除けば、パーク内を歩き回るだけでも、けっこう気持ちがいいです。
 それに、アトラクションの前で2時間も並ばなくてもいいし、閉園前には、ディズニーランドに負けないような、すごい花火も上がります。
 大人がのんびりとくつろげるテーマパークとして、僕はけっこう好きなんですよ、ハウステンボス。想い出もたくさんありますし、無くなってほしくないなあ。
 
 入場者数三百数十万人は、複合型商業施設などを除く、純粋なテーマパークとしては、東京ディズニーランド・ディズニーシーの2千2百万人、USJの1千百万人に次ぐものだそうです。

 これだけの人が来ていても、破綻。
 結局、身の丈に合わない怪物を造ってしまい、どんなに頑張ってもどうしようもなくなってしまった、ということなんでしょうか…

 僕はオトナには、強くオススメしたいのです、ハウステンボス。
 行く度に「こんな九州の西の端にこれだけのモノを造ってしまったら、どうやっても赤字なんだろうなあ」と思いますけど。
 今のうちに、バブルが造った幻想都市、一度は見ておいたほうがいいかも。