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2003年02月21日(金) ■ |
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講談社赤字転落と「出版業界 vs WEBサイト」 |
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朝日新聞の記事より。
【出版社最大手の講談社の02年11月期決算が20日まとまり、年間ベースで1600万円の当期損失となった。同社関係者によると、赤字になったのは戦後初めてという。 売上高は1712億円で前期比3.2%減。全体の3分の2を占める雑誌部門の落ち込みが4.6%減と大きかった。また、同部門に含まれるコミックの不振が響いたとみられている。】
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ついに講談社まで…というか、戦後ずっと黒字だったというのも、それはそれですごいことだとは思うのですが。 講談社といえば、日本最大の出版社であり、有名どころでは「週刊少年マガジン」や「週刊現代」「FRIDAY」、あと、ブルーバックスなんてのも講談社が出しています。
最近、書籍の売り上げの落ち込みは、かなり深刻な状況のようです。 ここでは、雑誌部門の中の「コミックの不振」が響いたと分析されていますが、おそらく、BOOK OFFなどの大規模中古書店の進出の影響が大きいのでしょう。本は、CDやゲームなどよりは、単価も一般的に安いですし、誰かが自分の前に触っているのを嫌う人が、まだまだ多いとは思うのですが。 僕も、雑誌とか買うときは、いつもわざわざ積んである下のほうから取って、「なんかセコイ」と、この年になっても言われ続けていますし。 「マガジン」などには、漫画家たちの連名による「中古書店反対!」のコメントが載っているのですが、購買者の実感としては、「面白いマンガが出なくなるのは困るけど、現実に自分の財布を眺めると、やっぱり安いほうを買ってしまう」ということなのだと思います。 イメージとしては「漫画家は締め切りに追われて睡眠時間は短いけど大金持ち」と想像している人も多いでしょうから。 しかし、マンガ家とか小説家の実態というのは、そんなに甘いものではないみたいです。言わば、松井選手を見て、「野球選手はみんな大金持ち」と思い込むようなものなんですよね。 出版社は、僕らが大学生だった、今から10年くらい前までは、憧れの業種のひとつだったのですが、これからは、どんどん厳しくなる一方かもしれません。 たとえば、電車の中でも本を読んでいるより携帯でメールしている人のほうが多いくらいだし、ちょっとした時間つぶしや情報収集には、雑誌を読むよりネットを利用するという人は、確実にこれからも増えていくでしょう。 まあ、結局は広告収入ということであれば、媒体が紙からWEB上に移行するだけなのかもしれませんが。 いずれにしても、モノとしての「書籍」は、今、危機にさらされています。 僕も学生時代は「本は高い!」というイメージを持っていたのですが、今から考えると、一冊で何時間も没頭できる良質の本や、いい映画、5000円しても何日も遊べるゲームなんていうのは、一晩呑みに行って遣う金額を考えれば、はるかにコストパフォーマンスの高い娯楽だと思いませんか?
でも、出版業界は、もうオシマイだ!とか、新聞の役割は終わった!とか言ってみても、1日に何千万部も発行されていて、おそらくそれとほぼ同数の人が見ているメディアの影響力というのは、やっぱり凄いものではあるんですよね… あのテキスト界の最大手「侍魂」だって、まだ(というのは語弊がありまくりですが)通算で1億1千5百万アクセスくらいなんですから。
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