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2003年02月16日(日)
「子供のための離婚」なんて、嘘。


日刊スポーツの記事・亀山早苗さんのインタビュー「子のために別れる時代」より抜粋。

(亀山さんはフリーライターで「男が離婚を語るとき」などの著書があります)

【インタビュアー:それでも、子供がいる家なら「子はかすがい」になりますよね?

 亀山:甘い! 古いですね。今、子供の前で夫婦がいがみ合うのは非常によろしくないという考え方が徹底している。「子供のために無理しても一緒」というより「子供のためにも別れましょう」という時代です。特に妻に余裕ある実家があれば、すぐに「さよなら」(笑い)。父母と娘・孫の組み合わせは実に居心地が良かったりするんです。】

〜〜〜〜〜〜〜

 僕はまだ独身なのですが、この記事を読んで考えこんでしまいました。
 確かに、親のケンカというのは、子供心にものすごく嫌なもので、僕も子供時代に「そんなに嫌なら、別れてしまえばいいのに」と何度も思ったことがあります。
 でも、30過ぎの今になって、他の人に話を聞くと「全く波風の立たない、平和で仲良しの家庭」なんて、マンガやドラマの中だけなんじゃないかなあ、とも思うのです。
 どこの家にでも、それなりの問題があるし、むしろ一見平和そうな家庭のほうが、問題の芽は深かったりして。
 子供としては「あなたのために離婚できない」なんて親に言われるのは非常に辛いことだけれど、だからといって、親が離婚してしまった子供の心の傷も、非常に深いのではないでしょうか?
 亀山さんの「父母と娘・孫の組み合わせは実に居心地が良い」というのは、確かに母親にとってはそうかもしれません。
 でも、考えてみてください。子供にとって、両親が揃っていないというのが、どんなに心の傷になることか。親もいずれは年をとって、寝たきりになるかもしれない。そのときに、娘として、自分の夫を切りすてたように、自分の親も見捨ててしまうのでしょうか?現実には、そういうわけにはいかないと思うのですが。

 家庭内暴力などのやむを得ない理由をもっている場合は別として、亀山さんは、あまりに「離婚なんて簡単」とか「子供のための離婚」なんて言葉を気安く言いすぎているような気がしてなりません。

 自分が大人になって解ったのですが、うちの親もいろいろトラブルを抱えながらも、なんとか夫婦としてやってきていたのだし、他人同士の2人が家庭を築くなんてのは、そういうカオスみたいなものを避けて通れないものではないのかなあ。

 「離婚するのがカッコイイ」なんて幻想に、惑わされてはいけません。
 話題性のためにインパクトのあることを言っているだけなのかもしれないし。
 多少のガマンをしながら生きていくのが人間として普通だし、カッコイイと僕は思いますよ。
 
 子供のころは、「そんなに嫌なら別れればいいのに」と思っていた僕は、自分の親が離婚という選択肢をとらなかったことに、今はすごく感謝しているのです。
 そして、二人は、それなりに「いい夫婦」だったのかなあ、って。

 だいたい「あなたのため」と言う人って、結局は自分のことしか考えてなかったりすることが多いと思いませんか?