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2002年12月20日(金) ■ |
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「恋人に刺されたプロレスラー」の心と体の傷跡。 |
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スポーツナビの記事より。 【20日、新日本プロレスの棚橋弘至が復帰会見に臨んだ。棚橋は、11月28日の午前10時頃、かねてから交際していた女性に別れ話のもつれから料理用ナイフで背中を2カ所刺され、入院。1・4東京ドーム大会への参戦は不可能と見られていたが、その後、驚異的な回復で12日に退院していた。
棚橋「1・4の東京ドーム大会出場を希望している」 棚橋は「まだまだ、死ねません。ファンの皆様、関係者に大変ご迷惑をおかけしました。刺し傷が2カ所あり、そのうちの一つは肺にまで達しました。一時は呼吸するのも困難でしたが、無事に回復しました。皆様に見ていただこうと思います」と言うと、おもむろに背広とシャツを脱ぎ、背中の傷を報道陣に見せた。そして「この傷跡は残りますが、自分が一生背負っていかなければいけない傷。それが今回の事件で僕が思ったことです。今回の事件で、ようやく猪木さんに名前を覚えていただき、自分に対しても猪木さんからコメントをいただきました。 ファンの方からは、多くのお手紙やメールをいただきました。ありがとうございました。僕からの会見は以上です」と言い終えると、続いて記者からの質問に答えた。】
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この記事を見て、やっぱりプロレスラーの体は強靭なのだなあ、と驚いてしまいました。なんといっても、肺にまで達して、手術をしなければらないほどの傷から2週間で退院し、ましてや1月ちょっとでプロレスの試合をしようっていうんですから。 僕は外科の手術には、そんなに詳しくはないのですが、やはり手術をするというの体力も一挙に落ちますし、糸が抜けるのにも一週間くらいはかかります。 普通の人だったら、いくら若くてもバテバテの状態だと思うのですが。
にもかかわらず、自分の傷を報道陣の前にさらけ出し、「一生背負っていかなければいけない傷」というコメントを出してみせる棚橋選手。 これには、ふたつの印象があると思うのです。 ひとつは、そんな自分のプライベートでの不祥事をネタにして「猪木さんに名前を覚えてもらった」とコメントするなんて不謹慎だ、というもの。
そしてもうひとつは、ここまでやって、自分の強さをアピールしなければならないプロレスラーというのは、なんと過酷な商売なんだろう、ということです。
棚橋選手にとっては、自分の(元)恋人に刺されたわけですから、それは悲しいことなのだろうと思います。自分も傷ついたし、相手の女性も犯罪者になってしまったわけですから。 それでも、自らそれをネタにして上にのし上がっていこうという姿勢には、ちょっとあきれてしまうのと同時に、エンターテイナーの哀しさも感じられるのです。 格闘家だから、プロレスラーだから、強い人間を演じ続けないといけない。 いろんなものを踏み台にして、強くみせないといけない。 強い男も、ラクじゃない。
それにしても、男と女というのは、難しいですね。 このインタビューは、元彼女に冷淡ともとれるし、むしろ精一杯気づかっているような気もするし…
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