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2002年12月21日(土)
「お前の秘密を握っている!」


読売新聞の記事より。

【暴露されては困る情報を入手したと称して銀行や郵便局の口座への現金振り込みを要求する脅迫文が、東京や群馬など関東1都5県の医師や歯科医師2000人以上に郵送されていることが21日、読売新聞社の調査でわかった。

 実際に現金を支払った例は確認されていないが、埼玉、群馬、栃木各県警は恐喝未遂の疑いで捜査を始めた。警視庁も週明けの被害届提出を待って捜査に乗り出す。

 各都県の警察や医師会、歯科医師会によると、被害者が最も多いのは東京で、歯科医師が1000人以上、医師も数百人に上る。医師、歯科医師を合わせた被害者は群馬約470人、栃木約200人、千葉約160人、埼玉約120人。神奈川は数人で、茨城、山梨では確認されていない。

 ワープロ書きの脅迫文は数種類あり、要求額は97万円から30万円。「社会的に許されない事柄を多々行っていますね。公表により、社会的信用・地位は失墜する事でしょう」と調査費用込みの金額の支払いを求めたり、「仕事、家庭生活に多大な影響がある情報を入手している。貴殿の近くに情報源(監視、盗聴盗撮等)があるため注意されたし」と情報の購入を要求したりしている。

 医師会関係者は「金を振り込んだ医師がいたとしても、医師会などに報告はしないだろう。『自分にはやましいことがあります』と宣言するようなものなのだから」と話しており、実際の被害者はさらに多数に上りそうだ。】

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 ほんと、医者は金持ちで、みんな人には言えない秘密のひとつやふたつは持ってますからねえ…って、こんなのに引っかかるバカは、まずいないと思いますが。
 ちなみに、最後の一文で「実際の被害者はさらに多数に上りそうだ」という一文がありますが、これを書いた記者も相当偏見に満ちた人なのではないかと。

 まあ、今回のように2000件まとめてということが、あとから判明したら「バカみたい」と思うんでしょうけれど、実際は自分の家にこんな脅迫文が来たらいい気はしないでしょうけど。

 同僚の親戚に子供が生まれて、名前をつけるときにひどく迷ったそうなのです。
 そこで、知り合いに勧められて、「縁起のいい名前をつけてくれる」という新興宗教がかった団体に行ってみたそうです。
 相談員のような人に、候補の名前をいくつか挙げてみると
「そんな名前だったら、その子(女の子)は、未亡人になる!」とか「不幸になる!」とか、挙句の果てには、その相談に行った夫婦に対しても「身内に離婚した人がいるでしょう?」とか言い始めたとのこと。
 ちなみに、その夫婦のまわりには、離婚した親戚はいませんでしたし、そんな不躾な相手の言動にかなり腹を立てて帰ってきたとのことでした。

 だいたい、今の日本の社会では男性と女性の平均寿命と結婚年齢から考えると、「未亡人にならない女性」のほうが少数派。さらに、身内の離婚なんて、別に珍しいイベントでもないことです。ごく日常的なこと。

 占いなんかでもそうなのですが、「当たっている…」と思うことって、まず、ものすごく一般的で、そんなに珍しいことではないはずです、よく考えてみると。
 ある一定の確率で起こりうることを仰々しく「占う」ことによって、当たる人が出るのは、当然のことなんですよね。

 この脅迫状、アイディアとしては悪くないのかもしれませんが、本当にお金を取ろうとするならば、せめて「お前の不倫の写真を撮った」とか、「脱税のヒミツを握っている」とか、もう少し具体的な内容のほうが、信憑性があるだろうし、効果があるんじゃないかなあ。抽象的な内容で対象者を広げすぎたのも失敗の一因かと。
 
 こういう「悪しき情報操作」で狙われているのって、医者だけじゃないんですよ。
 信じてしまう前に、「数打ちゃ当たる」ようなものじゃないか、よく考えてみることが大事なのです。
 まあ、2000人もいれば、何人か後ろめたい人だっていたでしょうし、それは、医者のコミュニティに限ったことではないでしょうけれど。