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2002年12月04日(水)
「ファンレターを開けるのが怖かった」


スポーツニッポンの記事「スペシャル人間」より。

(「右肩腱板断裂」にて1年4ヶ月マウンドから遠ざかっているロッテオリオンズのエース、黒木知宏投手(28)の復活を追っている記事の一節)

【チームは開幕から11連敗。先の見えないトレーニングを積み重ねるエースに何もできることはない。
黒木「ファンレターを開けるのが怖かった。『お前は何をやっているんだ』『早く復帰しろ』と書いてあるんじゃないかと。」
 封を切る手が少し震えた。
黒木「今まで頑張ってきたんだから、ゆっくり休んでください。無理せずにじっくり治してからマウンドに帰って来てください。いつまでも待っています…。そういう内容ばかりでした」。
 100通以上に及んだファンからのメッセージが復活への不安と焦燥感を取り去ってくれた。
 黒木「何ていい商売をしているんだろう。本当に天職とはこのことだと思った」】

〜〜〜〜〜〜〜

 「ジョニー」の愛称で親しまれている、ロッテのエース黒木投手。結局、今期は全く一軍で登板することはできませんでした。
 黒木投手の責任感と投げられない辛さが、すごく伝わってくる内容です。

 ところで、「ファンレターを開けるのが怖かった」というところ、そうなんだなあ…と切実に伝わってきます。
 僕たちの印象としては、「ファンレターがもらえるなんて、いい商売だなあ」と思ったりもするのですが、実は「他人からの反応」というのは、必ずしも自分にとっていいことばかりとは限らないんですよね。

 サイト運営をやっていると、最初は「なんでもいいから、メールください」とか「掲示板に書き込みして」と言いたい気持ちになりますし、実際、観てくださっている方からメールなどいただくと、嬉しくて仕方ないものです。
 でも、その一方で、サイトが大きくなってくると、まったくの誹謗中傷のようなメールや、イタズラメールなんかもやってきます。
 うちは、そんなに大きなサイトではないんですが、それでも読者の方からのメールというのは、もらってものすごく嬉しいのと同時に「ああ、なんだか厳しいことが書いてあるんじゃないかなあ…」と開く前に身構えてしまうことも事実。
 ファンレターを書くという行為に比べて、「メールを送る」という行為は、切手も葉書も買わなくていいし、様式も手紙ほど堅苦しくない場合が多いのです。
 それはメールのメリットではあるけれども、ある意味デメリットでもあるわけで。
 そういった心無いメールのために、閉鎖されたサイトは星の数ほどあるはずです。
 たかがメール、されどメール。どんなに軽い気持ちで送っても、相手を傷つけることはあるんですよ。
 もちろん、堅苦しくないのがメールのいいところだとは思いますので、あんまり難しく考えすぎるのもどうかなあ、とは思うのですが。
 いや、ほんとうに黒木選手のところに誹謗中傷メールが来ていなかったかは、なんともいえないところなんですが(何通かは、来てたかもしれません、実際は)、手紙やメールには、それだけ人を動かす力がある、ということを肝に銘じておくべきではないでしょうか。