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2002年11月19日(火)
Excuse me!


「英語屋さんの虎ノ巻」(浦出善文著・集英社新書)より抜粋。

【また、些細なことだが、米国人などは往来で人とぶつかると、
”Excuse me.”(どうも失礼)という言葉が反射的に出てくる。一方、雑踏で人とぶつかることが多い東京の電車や路上では、「すみません」という言葉がほとんど聞かれない。最近、「若者が無礼だ」などと嘆く人もいるが、この点に関しては、中高年のサラリーマンらしい人も大差ない。かくいう私自身も、東京に住んでいると、この「すみません」がなかなか出てこない。】

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 僕も、つい先日はじめてアメリカに行く機会がありました。
 そこで驚いたのが、まさにこのことだったのです。
 アメリカ人(というか、欧米人一般、なんでしょうか)は、例えば、僕が乗っているエレベーターに乗り込んでくるときや隣の席に座るとき、さらに、人ごみのなかをすりぬけるときなど、常にこの”Excuse me”を口にするのです。
 最初、ひとりでエレベーターに乗っているときに、この”Excuse me”をやられたときには、知り合いかなと一瞬思ってしまいました。
 ”You are welcome”と返した方がいいのかな、と思いつつ、結局、恥ずかしくて返せなかったんですけどね。
 わずか3日間のアメリカ旅行だったのですが、いちばん使った英語というのは、たぶんこの”Excuse me”だったような気がします。
 考えようによっては、どんな「ちょっと失礼」という場合にも使える言葉で、便利といえば便利。
 ただ、日本人の場合、人が先に乗っているエレベーターに乗り込む場合、言葉はなくても「申し訳なさそうな態度」が伝わってくるのに対し、アメリカ人の場合は”Excuse me”と言いながら、けっこう堂々と入ってきます。
 まあ、個性による部分もあるんでしょうけれど、僕たちが思っているほどの「すみません」という意味は、この言葉にはなさそうなんですよね。

 確かに、ちょっとした挨拶っていうのは、コミュニケーションの潤滑油になるところはあります。僕も今朝、家を出てくるときに、小学生らしい見知らぬ女の子に「おはようございます」と挨拶されて、けっこう気持ちよかったですし。
 
 僕は日本人で日本での生活に慣れているので、やっぱり雑踏のなかを
”Excuse me”を連呼しながら堂々とすり抜けていくアメリカ人を見ていたら、ちょっと違和感がありました。
 エレベーターの中でも、たぶん「話しかけないでくれビーム」が出ていたと思います。
 ただ、3日間アメリカにいると、けっこうこの”Excuse me”が出てくるようになるんです、自然に。
 逆に便利なんですよね、これひとつで何でも済んでしまうっていうのは。すまなさそうな態度をとるより楽だし。
 意外と、アメリカ人も「この一言で済むなら、安いもんだ」とか思っているだけなのかもしれませんね。