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2002年11月09日(土) ■ |
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カルロス・ゴーンのサッカー教室。 |
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JALの機内誌「winds」11月号の記事より。
日産自動車の現社長兼CEO(最高経営責任者)カルロス・ゴーン氏へのインタビュー「冷静と情熱の男」より抜粋。
【以前、あるテレビ番組中で、ラフな姿のゴーン氏が息子さんとサッカーをしている姿が放送された。その時、「ボールをうまく蹴ることができない」とすねている息子さんに、「テクニックより大切なことは、パートナーをしっかり見ることだよ」と諭していたゴーン氏。それは、単なる父親の優しいなぐさめではなかった。厳しい激励ともまた違う。そんなワンシーンからも、企業経営と家庭経営の基本は同じだ、という氏ならではの理念が見える。】
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企業経営と家庭経営の理念云々のところは、正直なところ、僕はあんまり感じ取れなかったのですが。
この場合の「パートナー」といういのが、サッカーボールのことなのか、一緒にプレイしている仲間のことなのか、ここでは前者のこととして話をすすめていきますね。 何かをしようとするとき、たとえば、誰かを好きになって、それを相手に伝えたいときって、大概、いろんな手練手管を考えるものですよね。でも、なかなか難しい。最後には、「どうして自分はこんなに想っているのに、わかってくれないんだ!」と逆ギレしてみたり。 人間、何かを一生懸命やろうとしてかえって周りが見えなくなってしまうことって、けっこうありますよね。 野球をやったことがある人ならわかっていただけると思うのですが、キャッチボールのときに巧く相手のところにストライクを投げるには、カッコいいピッチングフォームよりも、むしろ相手の胸元をしっかり見て投げることの方が大事なのです。 ボーリングなんかもそうで、まっすぐ投げられないのは「投げ方が悪い」ことよりもピンをしっかり見ていないため、ということが多い。 それでも、実際にやっている人たちは、自分の「型」が悪いということにこだわって、「型」を修正する練習ばかりして結局うまくいかないことが多い。 いくら「型」としてのテクニックを磨いたとしても、対象物をしっかり把握していないと意味がない、ということをゴーンさんは言いたかったのだと思います。 それに、チームプレイの場合などは、どんなに中村俊介選手が素晴らしいテクニックを持っていたとしても、彼の凄いパスを小学生チームの中で繰り出しても、相手はついていけなくて、そのテクニックは無意味なものとなってしまうでしょうし。 「豪腕」と称されるゴーン社長。世間的には「豪腕」というのは、人の意見に耳を貸さない、独善的な人というイメージが持たれがちです。 でも、あくまでも相手を知った上だからこそ、劇的な改革は可能なのだなあ、ということをあらためて思い知らされました。 いくら自分ひとりで盛り上がってみたところで、世の中うまくやっていけるってものじゃない。 「自分の考えが伝わらない」と嘆く前に、伝えたい相手のことをきちんと知り、その相手に合わせた伝え方を工夫することって、コミュニケーションのポイントなのかもしれませんね。 誰にでも完璧に理解してもらえるオールマイティなやり方や伝え方なんて、たぶん存在しないでしょうから。
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