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2002年10月02日(水) ■ |
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2002年10月2日。 |
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毎日新聞の記事より
【朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致事件で、安倍晋三官房副長官は2日昼、首相官邸で記者会見し、政府調査団による調査結果を公表した。調査団は新潟県出身の曽我ひとみさん(43)とみられる女性を含む「生存者」5人と面会し、いずれも被害者本人と断定した。5人は日本の親族との面会希望を持っていたものの、早期帰国については「総じて慎重だった」という。また安倍氏は死亡したとされる8人の「死因」として、横田めぐみさん(行方不明時13歳)は「自殺」、有本恵子さん(同23歳)は「ガス中毒死」などと北朝鮮側が説明したことを明らかにした。
北朝鮮側は横田めぐみさんの死因について「うつ病の末に自殺した」、有本さんについては「石岡亨さんや子供1人とともに石炭ガス中毒で死亡した」などと説明したという。さらに拉致の責任者として「チャン・ボンリム」と「キム・ソンチョル」の名前を挙げ、それぞれ死刑と15年の長期教化刑に処したと説明があった。】
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今日、このニュース、僕は昼のテレビで観たのですが、その番組には、国会議員の石原某氏が出演していました。 石原某代議士は、横田めぐみさんの死因について「うつ病で亡くなったなんて、信じられない。私は『拉致被害者を救う会』で横田さんのご両親と接する機会も多いのですが、ご両親は明るくて、積極的にリーダーシップをとっておられるのに、娘さんが「うつ病」だなんて!そんなの作り話に決まっています」と言っておられました。 その前には、精神科の町沢先生が出演されていて、「そういう(うつ病、あるいはうつ状態)可能性は、特殊な状況でもあるし、起こってもおかしくない」と発言されていたのに。
北朝鮮の言い分が正しいかどうかは、ここでは触れません。正直言って、今の時点では「嘘の可能性は高いけれど、はっきりわからない」としか言いようがありません。 でも、この石原議員の発言が滅茶苦茶であるということは、はっきり断言できます。 だいたい、横田さんのご両親と面識があって、ご両親が明るい人だから、うつ病にならないなんて…確かに、うつ病には遺伝的素因の関与が疑われていますが、家族歴がないからといって、発祥しないとは限らない。逆に、家族歴があれば、うつ病になるとは限りませんし。 それに、「うつ病」と「うつ状態」というのを混同しているんじゃないでしょうか? 僕だってそうですし、世間のどんな「普通」の人でも、思春期に部活の帰りに突然北朝鮮に拉致されて、過酷な環境におかれれば、「うつ状態」になって全然おかしくないと思うのですが。 むしろ、そうなって当然のような気がします。そんなの性格とは関係ないですし、現に、リストラや生活の悩みで、「うつ状態」に陥っている人がたくさんいるのですが。 彼らは、遺伝や性格が暗いから、うつ状態になったんですか? それに、むしろ「うつ状態」になりやすい人は、責任感が強く、日頃リーダーシップをとるような人に多いのですよ。 僕だって、北朝鮮の言い分を信じているわけではないですし、ご家族が「うつ病で自殺なんて信じられない」と言われるのはもっともです。「うつ病」のところが「交通事故」でも「癌」でも「心臓病」でも、信じられないのが当然。 でも、石原議員、こういうところで、自分の「うつ」に対する無知を世間にひけらかさないでいただきたい。誰だって、「うつ状態」になる可能性は持っているし、「精神的に強い人は、うつにならない」なんていう誤解を堂々と喋るなんて論外。 たぶん石原議員は、いままで何の悩みもなく生きてきた人なんでしょうね。 ああ、うらやましいかぎりだ…
僕は、そういうことはありうると思いますが、誤報であるということを心より祈っております。
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