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2002年06月13日(木)
2002年6月13日。

「血塗られた世界史の主役たち」(桐生操著・徳間文庫)より抜粋。

(1888年に猟奇的な連続殺人事件でロンドンの街を戦慄させた殺人鬼「切り裂きジャック」への捜査の協力を市民にもとめたところ、警察には毎週1000通を超える投書が寄せられたが、その投書のなかの一部)

【当時、大評判の舞台『ジキル博士とハイド氏』の主演スター、リチャード・マンスフィールドこそ犯人だと主張する者もいた。「あの舞台を観たあとは怖くて夜も眠れなかった。あれだけ恐ろしい人間を演じるのだから、実生活でも殺人を犯しているに違いない」というのである。なんともはや…】

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確かに、悪役を演じる俳優は悪い人、正義感を演じる俳優はいい人、というふうにみられがちですが、実際はそうでもないようで。悪役界の大御所「悪役商会」の人たちは、ほんとは気のいい、優しい人たちが多いということはけっこう知られた事実ですし、役柄上の「正義の味方」が私生活でいろいろ問題を起こしていたりするのもよく耳にします。
まあ、たいがいの人はこの投書を読んで、バカだなあ…と思ったことでしょう。でも、ほんとうに僕たちはこの投書の主を笑いものにできるのかどうか?
例えば、「やさしく教えてくれる先生」にココロ魅かれる女子高生。「誠実な医者」に弄ばれる看護婦さん。家では子供を虐待している「白衣の天使」。
役者じゃなくても、職業上の必要性から「演じている」ひとたちは、たくさんいるのです。もちろん、ほんとにいい人の割合が多いと信じたいところですが、これらの人々が家庭内ではとんでもない浮気者であったり、暴力をふるったりする人間であるケースは、そんなに稀ではないようです。
人をみるときには、その人が職業的な必要性から、ある人格を意識下もしくは無意識下に演じていることがある、ということを頭に入れておいたほうがいいと思います。人によっては、真夜中はまったく別の顔。