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2002年06月12日(水)
2002年6月12日。

サンケイスポーツの記事より抜粋。

【フランスの連覇の夢が、ジダンとともに消えた。1次リーグA組のデンマーク戦(11日、仁川)、左太もも負傷で「選手生命にかかわる」という医師の忠告を押して90分間強行出場したフランス代表MFジネディーヌ・ジダン(29)=レアル・マドリード=だが、奇跡は起こせず0−2の完敗。前回王者は1勝どころか1点も挙げないまま1次リーグで姿を消した。

 「後半は、もう疲れていた。悔しい。まさか、こんなことが起こるなんて…」

 常に冷静沈着な男が、全身汗だくでつぶやいた。

 選手生命をかけての出場。5月26日の韓国戦での左太もも肉離れ。2週間と発表された診断は、実は全治3カ月だった。チームドクターのジャン・マルセル・フェレ氏は「回復は40%程度。満足にプレーできる状態ではなかった」。ところが、ジダンは「今後に影響する」という説得を拒否し強行出場。ハーフタイムでも、ルメール監督の「交代しては」というアドバイスを振り切った。

 貧しいアルジェリア移民の出。世界最高の指令塔になった今も、子供のころ父親にプレゼントされた450フラン(約8000円)のシューズを宝物にしている。自分の現在があるのも周囲のおかげ。そんなきまじめな男にとって、出場は当然の選択だった。

 「これが最後じゃない。きょうのことは忘れまた走り出すしかない」というジダン。W杯は終わっても、プレーヤーとしての幕はまだおりていない。】

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世界王者フランス、まさかの予選一次リーグ敗退。しかも一点もとれずに…
昨日の試合、僕はインターネットで試合結果を逐一チェックしながら仕事をしていたのですが、フランスにとっては、残念な結果に終わってしまいました。
0−2というスコアについては、2点差で勝たなくては予選を通過できないと言う状況では、1−0で勝っても同じなわけですから、攻撃的にいっての失点はしかたのないところでしょうね。
「運が悪かった」というコメントを出している選手もいたようですが、ひょっとしたら、このチームは勝ち疲れていたのかもしれませんね。
それに、みんなスター選手で年俸何億というスター選手ぞろい。前回のように、ワールドカップで自分を高く売りたいというような野心がなくなっていたのかもしれないし。もちろん、勝ちたいという気持ちがなかったわけではないんだろうけれど。それでも、ここで怪我して何億円もの収入をフイにするのはイヤだなあ、と思うのが人情というものでしょう。
ウルグアイ戦のジダンは、完調には程遠いようでした。そして、フランスは負けた。でも、フランス人は違うのかもしれませんが、僕は「ジダンが出ても負けた」ということでなんとなく納得してしまいました。
たぶん、この試合、ジダンが欠場しても、結果はあまり変わらなかったでしょう。
結果論ですが、あのコンディションなら、力的には他の選手でも遜色なかったかもしれない。
それでも、ジダンが出ても負けた、という事実によって、この敗北を納得した人も多いのではないかと。やっぱり、ジダンはスーパースターなのだなあ、とあらためて思った一日。

ジダンは、自分のコンディションが悪いことはよくわかっていたんでしょう。それでも出場したのは、「移民でありながら、フランスの英雄」となった彼の責任感の強さでもあるでしょうし、「ジダンが出なかったせいで、負けたワールドカップ」
もしくは「ジダンがいないと勝てないフランス」というイメージを、自ら払拭したかったのかもしれませんね。
ほんとうに残念な結果だけれど、今後のフランス代表にとっては、「英雄ジダンの呪縛」から脱するための新しいスタート。
勝つことは難しい、でも、勝ちつづけることはもっと難しい。

「サッカーは何が起こるかわからない、だから面白いんだ」
これは、ジダン自身の言葉。