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2002年06月09日(日)
2002年6月9日。

「ぬくい女」(わかぎえふ著・双葉文庫)より抜粋。

【大阪の男の子たちは女の子をあまり呼び捨てにはしない。幸子という人を呼ぶ時は必ず「さっちゃん」か「さっちゃんさん」となる。「幸子」と呼び捨てにするのは親か恋人だけである。同じように男の子たちも。友だちだからといって女の子に呼び捨てにされることはない。
 だから東京にはじめて出てきた時に、男友達が揃って「おい、芙紀子」と私を呼び捨てにするのには驚いた。最初の頃はいちいち「ちょっと、なんで私があんたに呼び捨てにされなあかんのよ」とムカついていた。
 なんせ大阪じゃ寿司は「お寿司」、みかんは「おみかん」、こたつは「おこた」、芋は「お芋さん」と家庭用品や食べ物にまで敬称がついているのである。親といえども、女の子を呼び捨てにはなかなかしない。特に子供の頃は「ちゃん」のついてない呼び方など絶対にされないのだ。
 それが東京へ来たとたんに「おい、芙紀子」では、バカにされてるような気分になるのである。】

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確かに、「さっちゃんさん」はちょっとくどいような気がするんですが「さっさん」じゃおかしいですしね。僕は九州在住なんですが、学生の頃は、女の子は「苗字+さん」、仲がいい子の場合は苗字呼び捨てが一般的だったような気がします。自分の彼女でも、人前では「名前呼び捨て」はなかったような。大阪弁はこういう固有名詞に対しての優しさがあるんだなあ、とあらためて思わされました。
僕も、部活の試合で、女の子を名前で呼び捨てにする関東の大学に驚いた記憶があるものですから。
まあ、東京人が、みんな女の子を呼び捨てにするわけじゃなくって、わかぎさんが所属(?)していた演劇業界の慣習ということも考えられますけど。
もしくは、そういう個性を持った人の割合が多い、と。
実際のところは、どうなんでしょう?
ちなみに、医療業界では、男も女も、若手もベテランもみんな「〜先生」です。まあ、とっても偉い先生は、下の人を「〜君」と呼ぶこともありますが、低頻度。
まあ、ラクといえば、ラクなんですけどね、そういう暗黙の諒解があると。
逆に、体質の旧い社会だから、そういう決め事が必要なのかなあ。