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2002年05月30日(木)
2002年5月30日。

日刊スポーツの記事より。

【24日にくも膜下出血のため死去した俳優伊藤俊人さん(享年40)の葬儀・告別式が29日、東京・中野の宝仙寺で営まれ、江角マキコ(35)や秋元康氏(46)ら関係者約500人が弔問に訪れた。葬儀委員長を務めた親友の脚本家三谷幸喜氏(40)は「友人が語らなくなったとき人間は2回目の死を迎えるというが、君のことはここにいる全員が語り続ける」と話した。
 三谷氏の「明るく送ろう」という意思のもと、劇団仲間らが思い出話や伊藤さんが好きだったフレッド・アステアのタップダンスなどを披露。西村雅彦(41)が「君の汚い家でご飯茶わんで飲んだコーヒーの味が忘れられない。まずかった」と話すと、かすかな笑いの交じった泣き声が漏れた。】

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あまりにも早すぎる死。三谷幸喜さん、西村雅彦さんは、伊藤さんとともに学生時代に「東京サンシャイン・ボーイズ」という劇団を旗揚げしており、それから現在まで、まさに苦楽をわかちあった仲間です。
三谷さんは伊藤さんのことについて「ああ、人生ってそんなに捨てたもんじゃないな、と気付かせてくれる役者」だったと評しています。名バイプレイヤーであり、常にまわりへの気配りを忘れなかった人。
「人生の素晴らしさを教えてくれる」のではなくて「捨てたもんじゃないなと気付かせてくれる」って、素晴らしい賛辞だと思うのです。

西村さんの「君の汚い家で…」という話、僕も大学時代に、汚い部屋で食器がなくて、インスタントコーヒーを紙コップですすったのを思い出しました。きっと伊藤さんのつくったコーヒーはものすごくまずくて、でもそのぶっきらぼうな歓待が、2人の交友の原点だったんでしょうね。役者志望の2人が、金は無くても、不味いコーヒーと一緒に、夢と希望をすすっていた時代。

僕は、「王様のレストラン」というドラマが大好きでした。いつか続編がつくられるんじゃないかと心待ちにしながら、早幾年。もうないだろうなあ、と思いながら抱いていた淡い期待。でも、なんだか伊藤さんの死で、もう続編はないだろうな、という気持になりました。
これから、「王様のレストラン」や「ショムニ」の再放送を観るたびに、ちょっと切なくなってしまうであろうことが、とても寂しい。