初日 最新 目次 MAIL HOME


活字中毒R。
じっぽ
MAIL
HOME

My追加

2002年05月19日(日)
2002年5月19日。

ミュージカル「ラ・マンチャの男」より劇中でのセルバンテス(主人公の詩人・作家)の科白。

【「ああ人生自体がきちがいじみているとしたら、では一体、本当の狂気とは何か? 本当の狂気とは。
夢におぼれて現実を見ないのも狂気かもしれぬ。
現実のみを追って夢を持たないのも狂気かもしれぬ。
だが、一番憎むべき狂気とは、
あるがままの人生に、ただ折り合いをつけてしまって、
あるべき姿のために戦わないことだ。」】

〜〜〜〜〜〜〜
劇中で、松本幸四郎演じるところのセルバンテスが述べる、この「ラ・マンチャの男」のテーマともいえる科白。
あまり多くの解説をしないほうがいいような気はするのですが。
劇中で、ドン・キホーテは「自分は騎士であり、正義と名誉と思い姫のために闘う」というある種の「妄想知覚」にとらわれた人物です。まあ、ひらたくいうと「狂人」ですね。
ただ、実は人生においてやるべきことをやろうとせずに(やりたいこと、ではないですよ、これ重要)こんなものさと自分を納得させて生きていく人間もまた(もしくはそれ以上に)狂っているんだ、ということなんでしょう。
結局、人間はみんな狂っているのか、とも思われますし、「あるべき姿」とは何なんだ?とも感じます。
でも、その「あるべき姿」を追い求めるのが人生なのかもしれませんね。
「幸福とは、幸福を探すことである」寺山修司の文集に載っていたフランスの詩人の言葉。