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2002年05月17日(金)
2002年5月17日。

WIREDの記事より抜粋。

【音楽業界はインターネットのファイル交換ネットワークに対して大変な苦闘をしているが、映画産業はどうやら戦いに勝利したようだ。

 映画鑑賞券の売れ行きは常に好調だ。『スパイダーマン』は、封切りされた週末に映画史上最高の売上を記録した。『スター・ウォーズ』最新作の前売り券が売り出されると、オンラインのチケット販売サイトへのトラフィックが150%はね上がった。

 映画業界はまさに鉱脈を掘り当てたような状況で、この大当たりは娯楽業界に見習うべき教訓を提供している。近年の映画産業の成功の理由は、大画面での鑑賞に値する作品を作ってきたということにつきる。特殊効果やサラウンド音声が盛り込まれた壮大な筋書きの映画は、テレビやコンピューターの画面では魅力が損なわれてしまう。

 「家庭のテレビやコンピューター画面で観るのと、劇場で観るのとでは、視覚体験がまるで違う。テレビなどの画面は観客を圧倒しないからだ」と語るのは、マンダレイ・ピクチャーズ社のピーター・グーバー会長。「映画館では幅16メートルのスクリーンとサラウンド音声が楽しめる。観客は並はずれた体験を期待しているのだ」】

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確かに、これだけみんながビデオやDVDを所有している時代になると、「この映画はビデオが出たらみればいいや」などというように、地味なものは映画館にわざわざ観にいかなくなってしまっているのが実情。
やっぱり、同じお金を払うんだったら、「圧倒されるような体験」を味わいたいというのはありますし。
ただ、こういう傾向があまりに加速してくると、視覚効果を狙った映画ばっかりにあってしまい、地味だけれども役者の演技や筋書きで魅せる映画が衰退していくのは、自明の理のような気がします。
遊園地はTDLやUSJだけが突出した人気を誇り、映画館では特殊効果に埋め尽くされた大作映画だけがヒットしていく、という時代。
「並外れた体験」は確かに映画の醍醐味ではあるけれど、そればかりでは、ちょっと寂しい。

それにしても、最近ヒットしている映画って「スパイダーマン」のような超大作と「ナースのお仕事・ザ・ムービー」のようなテレビの延長ものとの両極端に分かれてますよね。原作の知名度もなく、特殊効果も少ないような地味な映画って、生き残っていくのは難しくなっていくのかも。
まあ、あまりに「感動させてやる!」っていう気合満点の人間ドラマも、観ているほうが引いてしまうのは確かなんですけど。
まるで、「高校生らしい溌剌としたプレイですよね」と自分たちの時代錯誤的な高校生のイメージを高校野球に投影している人たちをみているようで。