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2002年05月15日(水)
2002年5月15日。

西日本スポーツの「国内ヒットチャート」のコメントより。

【「災い転じて福」宇多田が快進撃】

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署名記事ではないので、どこの誰が書いたかはわかりませんが、なんだこれは!という気がしませんか。
今回、宇多田ヒカルの新曲「Sakura ドロップス」は、オリコンチャートの初登場1位となり、約75万枚をセールスしたそうですが、それを「災い転じて福」と表現するのが妥当なのかどうか?
この記事を読んで思い出したことなのですが、以前、僕の親の葬式の際に、ある親戚が「まあ、これもキミの医者としてのいい経験になるよ」とのたまいました。そのときの内心の怒りといったらもう、言葉にするのもハバカラレルくらいで。
世の中には、「経験という言葉では取り返しがきかない苦い体験」というものがあるのです。一部の人たちには、わかってもらえないようですが。
僕は、自分の親の死という体験から、医者としての経験値を上げたいなんてさらさら思っていないし、そんなものどうでもいいから、長生きしてほしかたと思ってますから。
今から考えると、確かにその経験が生かされている部分もあるんでしょうけれども、葬儀の席で口にするべき言葉ではないと、今でも思っています。
いや、何か励ましてやろうと思って出た言葉であることは、わかるのですが、やっぱり心に引っかかっています。

 宇多田さんは、女性としての大事な機能のトラブルで闘病しているわけです。「Sakuraドロップス」が大ヒットしていることは、確かに彼女へのファンからのエールとして伝わってると思うし、彼女も喜んでいるはず。でも、こんなふうに「病気のおかげで売れてよかったね」などという下卑たことを書かれて、いい気がするもんなんでしょうか。
確かに、世の中には売れるためには自分を危険にさらしたり、他人を傷つけることを是とするひともいるでしょうけども、宇多田ヒカルは、そんなことをする必要のないレベルの大スターなんだからさ。

彼女は、今も「災い」とたたかっている最中です。「福」になんて転じちゃいませんよ。
早く、宇多田さんが快復されますように。