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2002年04月10日(水)
2002年4月10日。

「まことに残念ですが…〜不朽の名作への『不採用通知』160選」(徳間書店。アンドレ・バーナード編著・木原武一監修・中原裕子訳)より抜粋。

【(作家に対して、出版社が出した「不採用通知」を集めた本。パール・バック(1938年にノーベル文学賞受賞)の「大地」(1931年、のちにピュリツアー賞受賞)に対する、某出版社からの不採用通知)

「まことに残念ですが、アメリカの読者は中国のことなど一切興味がありません」】

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ちなみに「大地」という作品は、
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勤勉と土への愛着により,貧しい農夫から大地主へと駆け上がった王龍.変動する中国社会を背景に,彼と一族の歴史を描いた「大地」「息子たち」「崩壊した家」のこの3部作は,中国の内奥を初めて西洋に明らかにしてみせた作品として,衝撃を与えた.中国の民衆に深い理解と愛情を寄せたパール・バック(1892―1973)の代表作.
(岩波ブックサーチャーより引用させていただきました)。

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上記のような内容の本なのです。
で、「中国のことなど、一切興味が無い」というのは、アメリカの読者は、誰も買ってくれないよ」ということなんでしょうね、きっと。
現在ならともかく、第2次大戦前のアメリカですからなおさら。

でも、その本が大ベストセラーになり、たくさんの賞を受けたときの編集者の気持ちはいかばかりか。「売れない」と思ったのか「駄作だ」と思ったのか、それによって、感慨も違うものになるのでしょうが。

しかし、この「アメリカ人は、中国のことなど一切興味が無い」という指摘は、あながち、的外れともいえないような気がします。
テロリストには興味があっても、イスラム文化やパレスチナ問題には、あまり興味がないような印象がありますし。
まあ、自分に直接関係無いことには、興味が湧かないというのは、誰でもそうなんだろうけれど。