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2002年04月03日(水)
2002年4月3日。

ザ・精神医療”現場”(別冊宝島編集部編・宝島社文庫)より抜粋。

【ある都立病院神経科部長のインタビューの一部。
部長はさらに、人格障害にも触れ、「あれは、医療が作り出しているところもあるんです。昔はひとりで悩むしかなかった。それが未熟なお医者さんにおだてられて、人を困らせるようになってきたんです。”暴れるのは自己実現だから”なんて言われて。でも、その結果、何かしでかしてしまって困るのは患者本人なんですよね。」

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「医者に行ったら、病気になる」一見矛盾している言葉なのですが、こういうコメントって、実はよく耳にするのです。確かに、こういうケースでは、「未熟な医者が病気にしてしまう」ということは、充分にありえるかもしれない。
まあ、患者さんにも、自分を病気だと言って欲しい、っていう人、けっこう多いような気がしますし。
でもね、これって、精神医療の現場だけのことじゃないような気がするんです。
最近、反抗するのが自己実現だ!とか、奇を衒ったことを言うのが自己実現だ!というような、勘違いをしている人って、増えているような印象があるのです。
人に迷惑をかけるのが、自己実現。依存するのが、自己実現。
子供のころにトラウマがあったから、その心の傷がもとで犯罪を…
確かに、影響がないとはいえないでしょう。でも、誰でも多かれ少なかれ、何らかのトラウマを抱えて生きているのだし、同程度のトラウマがあっても、普通に生きている人たちは、たくさんいます。
ただし、阪神大震災などの「どう考えても、人間の精神的許容量を超えた精神的外傷」の場合は、全然別のレベルですが。
ネット社会は、懐が深くて、あらゆることに対して許容してくれるというところがあるでしょう。
でも、情報の受け手として自分がこの”未熟な医者”ではないかどうか考えてみることも、ときには必要なんじゃないでしょうか。

本人のことを思うのであれば、なおさら、ね。
それとも、面白かったら、それでいいですか?