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2002年03月19日(火)
2002年3月19日。

中島らも「愛をひっかけるための釘」(集英社文庫)より抜粋。

【ものを書く人間は、たとえ缶詰めにされたからといって、じっと机に向かっていれば書けるというものではない。その証拠に筒井康隆氏をホテルに缶詰めにして、夜中に様子を見にいったら、氏はホテルの「風呂を洗って」いたという。その気持ちはよくわかる。何か単純な作業に専心したくなるのだ。】

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人間、煮詰まったときって、ほんとに傍からみるとわけがわからないようなことを無性にやりたくなるときってないですか?僕も大学時代の試験の前日、「気分転換に1巻だけ」と思って読み始めた「北斗の拳・愛蔵版」を結局、朝までかかって読み終えた記憶があります。読んでると、これを読み終えないと、勉強できないっ、という気持ちになってくるんですよね、不思議なもんです。実際は、全然関係ないんだけどさ。で、読み終えて、満足して就寝、と。
試験の結果は、いわずもがな、ですね。

しかし、この場合の筒井さんは、まさに「缶詰め」にされて、「書くしかない」という状況だったわけですね、少なくとも編集者にとっては。でも、人間煮詰まっちゃうと、こんな逃避の方法までやるようになるのか、と感動してしまいました。
でも、これを読んでしまうと、僕も今度「風呂を洗って」しまうかも。
そのくらいなら、せめて部屋片付けたら、って声が聞こえてきそうですが。

それにしても、このとき、編集者はさぞかし唖然としたことでしょうね…