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2002年01月22日(火)
2002年1月22日。

NHK「プロジェクトX」より。
【長野県佐久市で全国初の住民検診をはじめた医師団。
しかし、住民の反応は今ひとつ。
「病気を探し出される」との反発も出る始末。
そこで、院長は、宮沢賢治の「農村には、演説より演劇が必要だ」
との言葉を思い出し、医療劇をつくって住民たちに訴える。
これが大うけ】

「農村」というとのどかで、住民はみな穏やかな人々、
というイメージがあるかもしれないが、いわゆる「よそもの」にたいしては、
冷徹な一面も存在している。
 「お医者様」「先生様」と持ち上げる一方、
そんな人たちには自分たちの気持ちはわからん、
と思っているところもあり。
 宮沢賢治の言葉は、「理論で押さえ込もうという発想は捨てて、
情を刺激するようにせよ」という意味だと思われる。
 でも、そんなメタファーをそのまま受け取って、
「はらいた」とかいう劇をつくって、それが受け入れられてしまうところが、人間のやることの不思議というべきか。

 まあ、田舎×、都会○っていうことじゃあなくて、
都会人はみな冷たい、田舎の人はみな優しいっていう紋切り型の発想は、
正しくないんだよ、ってことで。
 都会には、あらゆるよそものをとりあえず含有するというおおらかさが、
田舎には、自分たちの利益にならないものを排斥するという冷たさもある。