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2002年03月29日(金)
闇。

肌寒い夏の終わり
毎年行われる花火大会を見に行く。
何も遮るもののない真っ暗な闇に上がる花火。
鳥肌がたつような盛大なショー。
彼にも見せたかった。

自分が目にするモノ全て彼に見せたいと思う。
彼が目にするモノも見たいと願う。




そして彼より早く秋を迎える。

月が高くのぼり より青く光る頃
いつか2人でみた秋の月を思い出しながらカーテンを開けて眠る。


彼に逢いたい。


もう少しだね。
もう少しだけ我慢するよ。


毎日自分に言い聞かせていた。


そして電車のチケットを予約しようとした日届いた彼からのメールは

「約束してた日逢えなくなった」

だった。

訳が分からなかった。

「どうして?」


答えは
奥さんが実家に帰るのでその日空港まで送って行かなければ
ならなくなった。

だった。

なんだ・・・そんな事?
最初はそう思っていた。

だけども彼が詳しい事は後で説明する
とか言うから途端に不安になった。

何かあったのかな?

いろいろ考えたけど解らず 取り敢えず彼からの連絡を待った。



パソコンへのメールには長々と説明があった。

オクサンガ オサンデ ジッカニカエル

だそうです。


訳が分からなかった。


彼は奥さんが妊娠した事アタシに黙っていた。
何ヶ月も。
逢った時も。
ずっとずっと隠し通していた。
今回もアタシが逢いに行く日と奥さんが帰る日が
だぶらなければ 一生隠し通す気だったらしい。




真っ白になってしまった。





デートがお預けになった事よりもなによりも
いきなり目の前にたたきつけられた事を理解するまで
時間が必要だった。

とにかく冷静にならなきゃ。
あたしは頭に血がのぼると
後先考えないで行動に出てしまうので
とにかく冷静に・・・・・・・・・。



なぜ彼がそれをだまっていたのか。


なぜ今年に入って喧嘩が絶えなかったのか。


なぜ彼がイライラしていたのか。




いろんな事がぐるぐるまわって 繋がる。








あたしはこの先どうしたらいいのかわからなくなっていた。








2002年03月27日(水)
空虚

この間逢ってからまだ2週間しかたってねーの?

なんて。
こっちだってそんな感じ。
あたしは逢った次の日から感じてたよ。

昨日の今頃は一緒にじゃれてたっけ・・・
なんかすごい前の出来事みたい・・・・・・なんてね。

逢いたい時に逢えないから
強く惹かれるのか
連絡とりたい時にとれないから
余計に彼を必要と思うのかは解らないけど

一つの体が離ればなれになってしまったような
そんなどうしようもない寂しさが
逢った後は余計に強く感じられて

2人で見た景色を思うたび
2人で通った場所を走るたび

寂しさは募るばかりで。


久し振りのデートの後はしばらく喧嘩もなく
少しは彼を思いやる余裕がでてきたように思う。


いろいろ彼の廻りが慌ただしくなり
彼自身にも目に見えない重圧がかかり
あたしはそれを払いのける術もなく
ただ遠くから見守るだけで

たまにどうしようもなくへこんでいる彼に
笑ってほしくて
からまわりするばかりで

彼にとってアタシはどういう存在で
どうしたらいいのか解らなくなっていた。

いつでも逢いにいくよ?
といっても
俺は大丈夫だからと。

大丈夫じゃないから言ってるのに。

突然行かれても迷惑だろうしね。
解っているけど。

今すぐ彼を抱きしめてあげたいと思った。

女が男を抱きしめるなんて
かっこわるいことかもいれないけれど
大人ならばそれも有りかなと思う。


秋になったら今度はあたしが逢いにいくよ。


それまでもう少しだけがんばってみよう。






2002年03月25日(月)
冷夏

家に着くまで気を落ち着かせようと何度も深呼吸をする。

携帯のメールをチェックした
主は帰りが遅くなるらしい。

ほっとした。

何件かメールが入っていたが
2人の時は音を消しているので気づかなかった。

一人の家につく
頭にいろんな雑音が聞こえ
テレビをつけるのさえ嫌だった
静まりかえった薄暗い部屋で
取り敢えず電話した。

「今 家についたよ」

「今 〇〇あたり走ってる」

「うん・・・・・・・」

ほんの数時間前まで側にいたのかとおもったら
それ以上言葉が出てこなかった。

「なんだよお前ぇきたねーなー」

「・・・・・・・・」

「ちゃんと俺が居るときそういう事しろ」

「・・・・・・・・」



もっと素直に甘えられたら
どんなにか楽だろう。
彼にも廻りにも
誰に気を使う事無く
ただ自分の気持のまま甘えられたら
どんなに楽だろう。

いつからそんな事のできない大人になってしまったんだろう。


ぐしゃぐしゃの顔と彼の匂いを
熱いシャワーで洗い流した。








2002年03月22日(金)
遙かな場所

真夜中に雨の中トラックにあおられながら走る
こんな面倒臭い事よくやるもんだと自分で思いながら
彼との待ち合わせ場所に着く。
買ったばかりの彼の車を見つける。
以前は乗用車に乗っていて隣で手を繋げる距離だったけど
今度の車は助手席から手を伸ばすにはちょっと遠いワンボックス。
子供いるからね・・・大きい車買わなきゃいけないのはわかるけど
ちょっと離れちゃった感じ。

雨の中彼が車から降りてきた。
「よぅ」

無理してノースリーブのワンピースを着てきた。
寒かったけど彼のお気に入りだったので・・・。

喜んでくれているのか 何か言えばいいのに・・笑ってる。

「誕生日おめでとぅ」

「ありがと」

今年一番にお祝いして貰った。
それだけで嬉しかった。



取り敢えず夜が明けるまで彼の車で過ごした。

後ろのシート倒してはしゃいだり話ししたりキスしたり眠ったり。
変なデートだけど狭い空間が楽しかった。

このまま朝がこなくてもいいなー・・・・なんて思いながら
気が付くと雨は止んでいた。

夜明けと共にちょっとだけ寂しさがあったのだけれど
まだ彼といられる嬉しさで寝不足もテンションが上がる要素の一つになった・・。

朝一であたしが良く行く所へ彼を案内する。
静かな山の景色にうっすら霧がかかって冷たい空気が気持ちよかった。
雨が降ったり止んだりでせっかく彼がこっちに来てくれたのに
良い事ないな・・・なんて思ってたけど
ちょっとした晴れ間に2人で虹が見れた事が彼は嬉しかったらしい。

ドライブを楽しんだ後しばし「休憩」。
冷えた体を温めて 久し振りの感触を愛おしく思う。
彼の表情を一つも逃さないように顔を撫でる。
ずっと彼に触れていたかった。

時折見せる寂しそうな顔。
理由は聞かなかった。

こんな時どうしていいのかわからない。

言いたくなったとき言ってくれればいいと思った。


少し仮眠をとり
聞きたくない言葉が彼の口から出る

「そろそろ・・帰らないと」

「・・・・・・・・・そか」

他にももっといろいろいいたい事あるのに出てこない。

帰り支度をする。
いままではしゃいでたのにもぅ笑顔すら出ない。

別れはあっさりと済ます。

無理して引き留めても別れはやってくるから
どーせなら冷静でいられるうちに手を振ったほうがいい。

彼の車の後ろを走る。
分岐点が見えてきた頃電話が鳴る。
「ありがとね。」
「こちらこそ・・・」
ありきたりの事しか言えず電話を切る。

大丈夫。

こみ上げてくるモノに気づかないふりで車を走らせる。


ふとラジオからスピッツの曲が流れてきた。
彼が良く口ずさんでいる曲。


彼の表情ひとつひとつ確かめるように思い出す。




我慢してたモノが一気に溢れ出た。





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

夏の色に憧れてた フツウの毎日
流されたり 逆らったり 続く細い道
君と巡り合って もう一度サナギになった
嘘と本当の狭間で 消えかけた僕が
思い出からツギハギした 悲しいダイアリー
カギもかけず 旅立つのは 少し怖いけど
丘の上に立って 大きく風を吸い込んで
今 心から言えるよ ニオイそうな I love you
すぐに飛べそうな気がした背中
夢から醒めない翼
時の余白 塗り潰した あくびの後で
"幸せ"とか 野暮な言葉 胸に抱いたままで
崩れそうな未来を 裸足で駆け抜けるような
そんな裏ワザも無いけど 明日にはきっと…
僕らそれぞれ 仰ぎ見る空
夢から醒めない翼
飛べそうな気がした背中
夢から醒めない翼
それぞれ 仰ぎ見る空
夢から醒めない翼

遠い 遠い 遥かな場所へ




−遙か スピッツ−
















2002年03月20日(水)
土砂降りデート

些細な事で喧嘩を繰り返し繰り返し
もうどうしていいかわからないぐらい
お互いぶつかり合って仲直りして

ようやくあたしの誕生日が来た。
ちょうど日曜日だった。
土曜日の夕方 そろそろ仕事終わったかな・・・
なんて思っていた頃には既に此方に向かって車を走らせていた。
「仕事いいの?」
なんて本当はもっと早く来て欲しかったのに言ってみたり。
「いいのいいの 全然大丈夫」
なんて彼もうかれてた。

ちょうどその日 家の主は飲み会で出掛けてそのまま友達の家に泊まるという連絡がきた。
彼は夜中此方に着いてちょっと仮眠をとってから逢うつもり

だった・・・・。

「もうそろそろあたしも寝とくね んじゃ明日ね」
なんて言って数時間後・・・・。

「今ついた」
「・・・・・・」
「寝てた?」
「・・・・・・・・・うん」
「・・・・・暇なんだけど」
「ねといたら?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」

「ぇーっと・・・今行きます・・・しばしお待ちを」

寝る前にシャワー浴びたばかりなのに
再びシャワーで目を覚ます。


今日は喧嘩しませんよーに・・・・・。


今まで蒸し暑かったのに
急に天気が荒れてきた。

大雨の中彼の待つ場所へ向かった。





2002年03月15日(金)
スレチガイ。

今年に入ってから喧嘩が増えた。

どうにもならないこの関係を
どうにか繋ぎ止めておこうと
2人苛立っていた。

好きなのに感情を上手く伝えられない
些細な事でやきもちをやき、勘違いで言い争い
意見が食い違い・・・

素直になることを忘れていた。

怒りっぽくなった彼
きっと仕事で疲れいるんだと思い謝り通した。

いつかまた仕事が落ち着けば元の彼にもどってくれると思った。

どうにか好きという感情にしがみついて
少ない時間でも連絡とりあって
繋ぎ止めておきたかった。


3度目の春が過ぎ 相変わらず喧嘩は絶えなかったけど
今年の誕生日に彼がこっちに来ると言ってくれた。

あたしのいつも見ている景色がみたいと。
そしてどうにか繋がっていようと。

多分彼はそういう思いで逢いに来るのだと思う。

逢ってちゃんと向き合って確かめないと
どうにかなってしまいそうだった。

強いようで脆い2人の関係。


早く抱きしめてくれないと

消えちゃいそうだ。




2002年03月13日(水)
シェイク

数の眠りの後目が覚めると朝になっていた
まだ彼の近くにいる。

見慣れない部屋を見渡す
ここは・・・ホテルか。
意識がはっきりしてくると急に寂しさに襲われる
ほんの数時間前まで一緒にいたのに・・。

熱いシャワーで目を覚ます

ビルの間だからなのかこの部屋は携帯が圏外になってる
彼は今日も仕事。
いつものモーニングメールは出来ないで居た
帰り支度をしていると部屋の電話が鳴った
フロントからだった。
「電話が入っております お繋ぎしてもよろしいですか?」
誰だろう・・・。
とりあえず繋いでもらう。

彼だった。

「おはよぅ」
「おはよー・・・どうしたの?」

「今日昼一緒に飯食う?」

びっくりした。
もう今回は逢えないと思ってたから。

近くで仕事が入ったらしく昼頃こっちに来るらしい。
もちろん 了解
いきなり上機嫌になる。

身支度も軽快に待ち合わせ場所に急ぐ

珍しくあたしの方が一足先に着く
人混みの中彼が来るのを待つ
彼を見つけられないでいるとにやにやしてやってきた。
初めて見る私服以外の彼
ちょっと笑った。

「それでデートなの?」

「我慢しろ・・・」

はたから見たらどんなカップルなんだろ・・・。
二人して笑いながら歩く。
近場の店に入るが 相変わらすあたしはご飯が喉を通らない
彼と逢うときはいつもそうだ・・・。
未だに緊張してなのか・・・具合が悪い・・・。

昨日とは違う笑顔で短い時間話に没頭した。
「そういえば お前結婚してんだよなー」
「そーいえば あんたもそーだったよねー」
なんてつつきあう。
冗談まじりにそれとなく言ういつものセリフだ。
「帰りたくないねぇ・・・」
「帰したくないねぇ・・・」
・・・・・。
あのさ・・・なんてポケットから小さい鉢植えを取り出した
「なんでそんなとこに花入ってんの?」
昨日のチョコのお返し。
始めて2人で過ごしたバレンタインデー。
そのお返しらしい。
かわいい花。
ありがとう・・・。
しおれちゃわないように大事に抱える。
照れてる彼がおかしかった。

あっという間に電車の時間がきてしまった。
ホームまでの見送りは得意じゃないので
改札でギリギリまで手を繋いでいた。
「もうそろそろ行くね」
ありがとね。

ふいにキスしてきた。
「そんな格好で昼間っからいいの?」
なんて笑いながら手を振った。
急いでるふりで振り向かずにすすむ
もぅ笑顔は無かった。

昨日までのぎこちなさは消えていたけれど
また彼から遠ざかっていく寂しさで立っているのがやっとだ。
一人になると平常心を保てなくなるので
人混みは丁度よかった。
携帯にメールを送る。
「楽しかったよ ありがとう」
「こちらこそ 来てくれてありがとう」
電車にのるとすぐに目を瞑る
寝た振りで心を落ち着かせる


今別れたばかりなのに
もう彼に逢いたくなっている。

もう逢わないなんて気持ちは消えていた。

今度はいつ逢えるんだろう・・・・。

あてのない約束を待ち続ける日々がまた始まった。





2002年03月12日(火)
修復

なんとか修復しなくては。

今の内に頭の中整理しとかないと
自分の中でどんどんいろんな声が聞こえてきてしまう。

余計な事考えない内に

早く処理しておかないと。




2月に別のネット仲間のオフ会の誘いがきた。
場所は彼の住む街の近く。
どうしようか悩んでいた。

ネットで知り合ったアタシ達にとって
彼の知らないメンバーとアタシが会うというのは
不安な事らしい。
逆の立場ならアタシも嫌だと思うから。
何もないとしても
多分嫌だから。


それでも
少しでも時間つくって彼と逢えればと思って
言ってみた。


ちょっとだけ元気なさそーに
「いいよ」と彼は言う。
駄目とは言わないと思ってたけど
アタシの目的は彼と逢う為
という事だけどうにか解ってほしかった。

彼は時間を作ると言ってくれた。


今度逢ったら何を話ししようか。

逢えない間
いろいろ・・・本当にいろいろ彼の事考えた。
彼にとって今大切なモノは何なのか。
何を選択していかなければならないのか。
アタシがするべき事は何なのか。

誰に言うわけでもなく
一人考えていた。
今度逢ったら・・・・・・
最後にしようか。

そんな事 自分から言えるのか・・・。

嫌いになった訳じゃない

どうしても彼の家族の顔が浮かんできてしまい
今だけ
少しだけ
我慢できれば
きっとまた元の生活に戻れるのではと思って。
いい父親としての彼に戻れる。





そんな思いで
逢った。


なんとなく彼は察知したようで。
いつもの事ながら
まっすぐ言ってくる。
「今日で最後とか思ってない?」
・・・・・・・・。
何も言葉が出てこなかった。
自分の思ってる事が言えなかった。
頭に浮かぶ言葉どれも嘘くさくて言えなかった。
結局は自分の事しか考えてないのかなアタシ。
家族とか子供とか言ったところで
結局は彼が欲しくて
手に入れようとして
自己嫌悪になって

今の関係になって。

それでも満足できなくて。

自分に押し潰されそうになると
それを捨てようとする

最終的に彼に委ねる

彼に言わせている。


もぅ少し器用に出来たら
いいのにな。




2人ずっとぎこちないまま
アタシの泊まるホテルの前まで来てしまった。
離れられなくて無言のまま手を離せないでいる

「もぅ帰らなきゃ」

「うん・・・・」

やっと気持ち落ち着かせて
そっと手を離そうとしたら
ぎゅっと握り返された。
胸まで掴まれた気分になる。

離れられないまま
せまい部屋に隠る

気持ち確かめるように
何度もキスをして
小声で「また逢えるよな?」って聞いてくる

「うん」


結局・・・・・・・・・・・・・・・

離れられない。

無理して離そうとしたって
駄目なんだ。



ようやく笑顔が見えた。
蟠りが消えたような気がした。

背の高い彼に逢わせてヒールの高い靴を履いていたけど
見送りは裸足で
こんなにちっちゃかった?
なんて笑いながら彼にしがみつく。

また・・・ね。

ちょっと遅くなって彼は帰っていった。


今まで笑ってた顔が崩れ出す。
彼の温もりが残るベットに顔を埋める。

彼が戻って来てくれるのではないかという淡い期待と
足音に耳を澄ましている惨めな思いを掻き消すように
シャワーを浴びてリセットする

大丈夫。

自分に言い聞かせて彼が家に着く頃眠りに就いた。










2002年03月08日(金)

なんとなく元に戻ったフリで
いつもの会話を交わす。

いつかその日が来るならくるで
それはその時考えよう。

あんまり考え過ぎるとどーでもよくなるみたいだ。

軽く構えては置くけど。

テンションはいまいち上がらぬまま正月を迎えてしまった。

またしばらく連絡が途絶える。

冷却期間という事でちょうどいいのかもしれない。



忘れた頃に1.2通携帯にメールが入った。

最後には「返事はいらないから」と入ってくる。

返事はいらない。じゃなくてしないで欲しいでしょ。


それでもこそこそ目を盗んで送って来てくれるのは嬉しかった。

「あけましておめでとー」

二度目の今年もよろしく。




あまり先の事は考えたくないし。

何があるかわからないからいいのかもしれないし。



とりあえずは穏やかに過ごしたい。












2002年03月07日(木)
孤独

なんとなく気まずい。


ただ謝るだけの彼。


責めたくはなかった。


彼が油断していたのは確かだったけど
あたしは誰も責める事は出来ないのだ。


最終的にそれは自分自身にくる。


いつかを想像するだけで顔がこわばる。


言いたくないのに口を吐いてでるのは嫌な言葉ばかり。



メールのアドレスも携帯の番号も
海の写真集も・・・すべて
証拠になるもの捨ててよ。



今ならちょっとの残骸でも2人の事が知られそうで
すべて消してもらいたかった。



女の感はバカにするもんじゃないんだよ。
気をつけて。







いったいあたしは誰の見方なんだ。

何を守っていけばいいんだ。



孤独感に襲われた。





所詮 人は孤独なのだと言い聞かせ気分を落ち着かせる。








こうして人は徐々に強くなっていくのだろうか。












2002年03月06日(水)
泥棒猫

再び離ればなれの日々で
頼るはネットと携帯のみで・・・・・・。

以前は彼が自宅に帰るとともにそれらでさえ
すべてシャットアウトだったけれども
iモードにしてからは「おやすみ」程度の連絡はとれていた。
もちろんお互い家族の目を盗んでの事だったのですが

ある日其れはあっけなく終わりを告げた。

2人のメールのやりとりを削除してなかったため
ばれたらしい。

寝ている所をたたき起こされ問いただされ

いろいろあったらしいが・・・・・・・・・・・・・・・。

また一つ幸せが消えた。

しょうがない事なんだ。

奥さんは彼を愛しているのだ。
彼もまたどうにか言い訳をして宥めたらしい。
事が大きくならないように。

途中何度も切れそうになって
2人の事言いそうになったと言っていた。

それをぐっと堪えて宥めたらしい。

かばってくれたのか・・・・・・。

それはそれで嬉かったけど

彼もまた奥さんの事思っているのが切なかった。



入り込めない家族の問題だ
あたしはほとぼりが冷めるまでじっと息を殺してるだけ。



その後彼はあたしの携帯の番号が控えてあるメモを自宅で見つける。

あやしい電話には出るなと言われた。

それからしばらくは携帯が鳴るとびくびくしていた。

とうとうその日がくるのだろうか。


見えない不安でどうしていいか解らなくなる。

その時が来たらあたしはどうするんだろう。
ただひたすら謝るのだろうか。
きっと何も言えずそのまま身を引くような気がする。
あたしは何一つ偉そうな事言える立場ではないのだ。

はたからみればただの「泥棒猫」なのだから。







2002年03月04日(月)
弱い自分。

天気は大荒れ
まだ彼の近くにいる。
電車止まっちゃえばいいのにって思ったのに
定刻通りに発車した。

花嫁の投げたブーケを受け取った友達が大事そうに抱えている。
この秋に彼女もまた結婚する。
この人だと思う相手にであったのだ。
飲み会の度になんだかんだ彼氏の事ぼやいていくが
結局は幸せなのだ。
おめでとう。
あたしには其れぐらいしか言えない。
ただ一人の人に一生誓いを立てる自信がないのだ。
あたしはそんな人間。
いつもいい加減に生きてきたから。
ただまっすぐ生きる事に自信がないのかもしれないけど。

いつも不安で不安で不安で。

誰かに頼らなければ生きていけない
弱い人間だ。

自信もなければ
今の自分を変える勇気もない。

ただまっすぐに彼だけを思って
生きていける自信があったら楽になるのだろうか。

毎夜布団に入ると彼を思う
毎朝目覚めると彼を思う

毎日毎日繰り返し。

いつになったら強い人間になれるのだろぅ

遠く離れていても大丈夫と言える自信が欲しい。




2002年03月02日(土)
離愁。

半年ぶりに彼に逢う。

友達の結婚式の後デートの約束。
幸せそうな友達を祝福しつつ
この後のアタシの行動は結婚とは全く反対の所にある。
複雑な気持ちだったけど
それよりも逢いたい気持ちの方が大きすぎて
罪の意識も何も無くなっていく。

タクシーで彼の所へ急ぐ。
もぅ既に9時近くになってしまった。
もちろん彼は泊まることなど許されず
たった数時間で逢えなかったさみしさを埋めるには
物足りないのだけれども
彼を側に感じる事ができる安心は何にも変えられない。
久しぶりの横顔を助手席からじっと見つめる。
側にいるんだ・・・
そっと顔に触れると「なんだよ」なんてぶっきらぼうな答え。
でもうれしそうだよ?
顔は笑ってる。
あたしも笑う。

喧嘩してた事さえ忘れてしまう。
そんな事考えてる暇はないんだ。

ただただ彼を近くに感じて触れていたい。
笑っていたい。

話したい事は沢山あるのに出てこなくて
おしゃべりの替わりに彼の唇に触れる。
乾いた唇が潤っていく。
半年ぶりに彼に触れられてまた自分を取り戻す。
女で有る事を実感する。
離れたくなくて悪戯を繰り返す。
誰も知らない2人だけの空間
何も考えたくなかった。

2人の距離がなくなったところで
「また逢えるよな?」
と彼は聞く。
いつものセリフ。
ただうなずくだけ
あての無い約束を交わす。
「ごめんな」
謝らなくていい。
寂しいのはお互い様なのに。
どうしようもできない状況をアタシ達は選択してしまったのだから。


あんなにも長い日々待ち望んでいた
2人の時間はあっという間に過ぎてしまう。

夢は覚め現実に引き戻される

時計を覗く彼を寂しく見つめる

帰り道はいつも無言で
ただシートの間で繋がれた手だけでお互いの気持ち感じ取りながら
彼の温もりをわすれないように
またいつか逢える日まで。


これから先がどうなるかなんて
その時考えればいい。
今はただ自分の気持ちに素直でいたい。

車のドアを閉める。
笑顔で彼に手を振る。

彼にできる事はそれがせいいっぱいだった。




エンピツ