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■ アフガン零年
タリバン支配下のアフガニスタン。 女達は、外出も、働くことも許されず、戦争で男手をなくした家族は一人娘を 男の子として、働きに出す・・。どうにか、食べ物は得ることができるのだか 他の男の子達同様、タリバンの再教育・宗教学科に収容されてしまう・・そして・・。
グッバイ・レーニンを見ようかとか出かけたんだけど、 発作的に、手前にあった、こちらのホールに足が向いてしまった・・<笑>
ドキュメントを思わせるシーンで始まる・・
お香屋<お香を売る少年・>が、カメラマンに金をせびるシーンだけど、 この少年役が「ダイコン」なのと、カメラ前方からにょき!と出る、ドル札がしらじらしくて エセドキュメント!しらける〜!素人映画〜!!やっぱ、グッバイ・・にすればよかったか! と、落胆したんだけど、なんのなんの、見ているうちにそんなものは吹っ飛んだ。
もち、このお香やの少年も、よかったです・・。
アフがニスタンの背景・問題に関しては、ニュースでちらりと見る程度の知識しかないので、映像で写される景色・生活・世界は、どれも興味深く、飽きることはなかった。 だいたい、「興味」なんかで、観るのは失礼だろうと・・平和ぼけしている 自分に、罪悪感を感じたりもして・・。<苦笑>
子供を通して、戦争の悲劇を描く映画は多いけど、この作品も、その手の作品。
テーマは一環して、「タリバンなんて地獄へ落ちてしまえ〜」と言う、 戦争の悲劇と民衆の声だ・・。 もともとは、「虹」と言うタイトルで、希望的な展開で撮られていた映画らしい・・でも、主演の女の子が、撮影のたびに、過去の自分の体験を思い出し涙が止まらなくなるのを見て、監督は、今の形に変えたと、パンフに書いてあった。
ところどころ出てくる、「少女が縄とびをするシーン」は、 希望的な「虹」のイメージより 出口のない、メビウスの輪・・飛んでいこうとする、祈りのようなものを感じた・
たしかに、この主演の女の子の、インパクトはすごい! 彼女の「眼」がすべてと、言ってもいいぐらいかな〜・・。
素人だそうだけど、実際のアフガンを物乞いをして生きのびた子供だ・・。 髪を切って、男の子になってからの、彼女の「まなざし」がこの映画のすべてだろうと・・。 見据えた「眼」・哀しい「眼」・「子供の眼」・・・なんとも形容のない「深い眼」なのです。
親のいいつけで、男の子にされた彼女は、「男だけ世界」に入り込み じーーと、その世界を「見る」。
<ここからは、ネタバレありです>
この「男世界」<神聖なるイスラム界?>ってのが、 傲慢かつ、また滑稽なんだなぁ〜
厳粛に「コーランを教え解く」ってのもあるんだけど・・。
右を2回・・左を2回・・真中も・・なんて、射精をしたときの、チン*の 洗い方を、仰々しく教える<笑>
最後に女の子だとバレてしまい、死刑を免れて、すけべじじいの嫁にされるのだけど、このすけべじじがまた滑稽・・。 ロバに乗りながら「〜の蕾は、まだ固い〜♪」なんてうれしくて浮かれて若い嫁を連れていく・・ あげくの果てに、「鍵」を見せて 嬉しそうに、おまえは、「これがいいか?」「こっちか?」なんて聞くわけ・・ <一夫多妻の、妻たちは、みんな頑丈な鍵で監禁されている>
「ナニ」が、済んだ後、やっぱり、気持ちよさそうに、「洗う」のよね〜<笑>
やりばのない、いたたまれない映画なのだが、 これらの、滑稽さが、極右的な宗教のばかばかしさ、戦争の愚かさ・滑稽さと 重なる・・。 戦争って男がするんだもんな・・。
反面女達は、始終、「愚痴」ばかり言っているのだが、なぜか力強い・・。 と言うより、もう超越しているのだろう・・あまりの現実に。
女の子の「切った三つ編みの髪の毛」が、植木蜂に、ぽつんと1本植えられるのが、なんとも、哀しく印象的だった・・。
あの、「みつ編みの樹」は育つのだろうか・・。
主人公の少女も、いつか母となり、あの周りの女達のようになるのだろうか・・。
反戦映画とも、女性解放映画とも、言える秀作。
そー言えば、中東って、「東洋」なんだよな・・・? フェリー二の「女の都」や、「くじらの島の少女」なんかを 思いださせた映画でもありました。
まあ、思うこと数々あれど・・下手なコメントより、 とにかく、観てよかった。必見の価値あり!
2004年04月01日(木)
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