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■ 愚。
な ん て 愚 か な 。
人形は僕を見て居る。 只強請るだけの、努力もしない僕を見て居る。 僕は子供だ。 子供だと、 そう自分を表現する事で、 自己暗示を掛け束の間の安堵感を得る。 子供だと、言い張る事で、 全てを許して貰おうとする。 武装しているのか、防波堤なのか。
僕は逃げる。 (何から?) 僕は逃げる。 (何処へ?)
繭へ、帰化する。
そうやって耳を塞いで 目を閉じて蹲っているうちに 一体どれだけの事を僕は見逃すのか。 そんな事を考えたとしても、 結局僕の天秤は 支柱からして曲がっているから 樂な方へと傾いてしまうのだけど。
誰か誰か。 支柱を直しておくれ、 繭を解いておくれ、 僕の傍に、居ておくれ。
他力本願な我が侭王子は 被害妄想に陶酔して 悲劇のヒロインになりきっているけれど。 自虐的になっている事に気付きもせず 自らの思考で自分を追い詰めているだけ。
滑稽な道化師は道化師のまま。 王子は幾ら愉快であっても王子なのだ。 もう得意となったものだ、 逃げるのも。 今では僕を誰も知らない。 全てから逃げて、 全てから忘れられて。 生きているのかも判らない。 全く、存在感が希薄だ。
そんな中、人形は僕を見て居る。 居なくなった僕を見て居る。 口の端を吊り上げて、
笑った。
2002年10月22日(火)
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