空虚。
しずく。



 最初。

日記を作ってみました。
解からない自分を、少しでも認識したくて。

2001年11月01日(木)



 段々。

"桐山に似てきたね。"

友達と談笑する愛さんの声。
部屋の壁に寄りかかってぼんやり聞いてた。
明日香さんはなんでいつも本読んでるんだろう?
思考は別のとこを巡ってる。

二時間目の、現代社会。
書き留めるだけの勉強中。
あきらが出てきたがった。

"切りたい。"

学校だから、ダメだよ。
それに、服が汚れたら、怒られるもん。

帰り道。
雲の間から、月が覗いてた。
いい気持ちじゃない。なんか、変な感じ。

家。
ぼんやり、ぼんやり。
今日もやっぱり、同じ夜。

逢いたくて、逢いたくてチャットに行った。
一番、大切。だって想ってる人。愛してる人。
その人のことだけは、認識してると思ったのにな。
やっぱり、感じなかった。多分"悲しい"はずなのに。

今日は自分の意志で半分。
やっぱり綺麗じゃない。ただ、紅いだけ。
もう自分の血見ても何も感じない。舐めても全然味しない。
傷だらけの、腕。まるで自分のじゃないみたい。
けど、自分につながってるから、自分のなんだ。
だったら、ちぎっちゃえばいいんじゃない?
身体から離れたら、ただのもの。ゴミ。だもんね。

(なぞるだけの言葉なんて、虚しいだけなのにな。)

2001年11月02日(金)



 触。

目が覚めたのは何時だったかな。
何故だか、起きる気になれなくてぼんやり。

ああ、携帯鳴ってる。メールだ。
しばらくやりとり。この気持ちはなんだろう?
過去が、見えた。涙がこぼれた。なんだ、泣けるよ。
けど、次の瞬間にはもう感じてなかった。
頭回らなくなった。ただ、縋るようにやりとりしてた。
だけど、ごめんね。私、感じられなかった。あなたの言葉も。
これが"嬉しい"だったかな。なんて、自分じゃないみたいに。
ああ、速く触れたい。触れている時は、きっと認識できる。

・・・出来なかったら?
現に、今何も感じてないじゃん。

振り払った。考えちゃいけない、考えちゃ。


"映さぬ瞳で何を見る。脆き者よ。"


2001年11月03日(土)



 この世に生を受けた日。

今日は誕生日だった。
「おめでとう」
「ありがとう」
ありがとう?
この世に生まれて、ありがとう?
嬉しい気持ちになんかならなかった。
「生」に意味なんてない。平等に与えられるものだから。
生まれたから、いる。ただ、それだけ。

"生にも死にも、理由なんか要らないよね。"

二、三度。倒れそうになった。
得体の知れない、変な感じ。形容するなら、"不快"。
いられなかった。ずっと、ずっと。
色褪せた世界に、足音だけが響いて。
どうして、そんな風に笑えるの?
(私だって、笑いたい。)
どうして、そんな風に泣けるの?
(私だって、泣きたい。)

だけど。
"それ"を望んだのは私だよ?
もう、自分のしたいこと、わかんないや・・・。

誕生日プレゼントの、CDアルバム。
「FRIENDS」の「恋じゃなくなる日」(B'z)
なんか、好きだ。"何か"感じさせてくれる。
きっと切なさとか、哀しみとかだろう。
音楽が与えてくれるのは、"哀"しかないから。
それでも、感じられる。
よかった、もう少しなら、大丈夫。

今日はすごく寒い。もう、冬なんだ。
寒さは、自分の感覚を無くしてくれる。
大嫌いだけど、大好き。雨と、同じだね・・・。

2001年11月04日(日)



 アゲハ蝶。

"あなたに逢えた それだけでよかった"
"世界に光が満ちた"
"夢で逢えるだけでよかったのに"
"愛されたいと願ってしまった"
"世界が表情を変えた"

(アゲハ蝶/ポルノグラフィティ)

本当に、最初はそれだけでよかったんだ。


触れた。すごく、暖かい。
温もり。ってこういうのを言うんだよね。
ああ、離したくないな。ずっと、抱きしめられたらいいのに。

だけど。
かすかにしか、感じない。
目の前にいるあなたを、認識出来ない。
私は、賭けに負けたのかな?・・・自分との、賭けに。

もう一度。言いたいよ。
"私"の声で。「愛してる。」って。

今日、逢えて本当に嬉しかった。
多分、明日には元の状態に戻ってしまうけど。
それでも、"嬉しい"って感じられたから。

だけど。精神、持たなかったんだ。
それだけ、不安定だったんだね・・・私。
予想してたより、ずっと激しかったや(苦笑)

学校に行く途中、歩道橋があるんだ。
いつもは下を見下ろしても、すぐ踵を返すんだけど、
今日は、ダメだった。
飛び降りそうだった。
一瞬、飛び降りたような幻覚まで見えた。
必死に走ったよ。
(本当に飛んじゃう。こんな高さじゃ死ねないのに!)って。
けど、渡りきっても安堵なんか全然しない。
"死にたい"んじゃないのに、身体が言う事聞かなかった。
こんな事、初めてだよ?

学校について、休み時間。
耐えられなかった。気がつけばトイレに駆け込んでた。
壁に寄りかかって、鼓動鎮めて・・・気付けば、切ってた。

あはは、まいったな。
服に血つけちゃ怒られるのに・・・。

自分の血見ても、落ち着かないのにね。
何で切ったのかな?もう、自傷でも抑えられないのに。

薬と酒を併用するとどうなるんだろう。
切った後水につけたら血は止まらないんだよね。

"それも、面白いんじゃないか。"

桐山みたいな言動は止めろ。って言われた。
別に、そうしてるつもりないんだけどな(苦笑)

ああ・・・ちょっと、狂ってるかも・・・。

2001年11月05日(月)



 睡眠。

夢を見た。
感覚だけの、記憶のない夢。
何度も何度も、繰り返して。
いつも、見るものなんて決まってるんだ。

"眠りたくない。"
だけど、どんなに頑張っても。
朝になったら、身体が勝手に倒れるんだ。
"嫌だ。また、夢見るんだ・・・見たく、ないよ・・・!"

気付けば、午後だった。
記憶に、残ってない。
だけど、身体が覚えてる。
あの感覚。
あの恐怖。

眠った気がしない。
起きてる気もしない。

"睡眠"
は。
ただ、生命活動を維持するだけの行為に過ぎない。

穏やかな眠り。なんて求める方が間違ってるんだよね。

2001年11月06日(火)



 酒。

ここの所毎晩飲んでる。
500mlの、缶チューハイ。
気分によって、サワーかカクテル。
缶チューハイなら、少し酔える。
サワーなら、かなり酔って、倒れられる。
カクテルなら、完全に酔っぱらって何も覚えてない。
買う時にわざと、アルコール度数の高いもの選んだり、ね。
用途によって、飲み方も変えてる。
わざと一気に飲んだり、少しずつ飲んだり。

別に、お酒が好きなわけじゃないけど。
飲まずにいられない、夜。最近そんなのばっかり。

お酒がくれるのは、束の間の感情。
お酒が奪うのは、自分。

あ、自分なんて元からないんだっけ。

だけど。
束の間の、偽りの感情を得るために私はお酒を飲む。

自傷も、やりやすいんだよね。
お酒飲むと、深く切れるから。
別にそれ見ても何も感じないけど。
"どうせ切るなら、たくさん血が出たほうがいいじゃない?"

幸いにして外見がこんなだし。
嫌でも身に付けた"大人"みたいな雰囲気があるから。
誰も疑わない。

だから多分、"私"を知ったらみんな驚くだろうな。

きっと好き勝手言われる。
特に・・・両親ならこうかな。
「あんなに明るかったのにどうして・・・。」とか。
「そんな風には見えなかったのに。」とかね。

あー、やだな。予測出来ちゃうよ。

"あなたは私の何を知ってるって言うの?"
"外見だけで、内面なんて見ようともしなかったじゃない。"

あ。でもひとつだけ感謝しなきゃね。
演じるのは上手くなったよ。感情を消すのもね。

上手いでしょ?私の笑顔。
それが張りついた仮面だって気付く?
あはは、気付かないよね。だって完璧だもん。

でも、ま。いいんだ。
もう何も感じてないから。
これからも、二人が望む"私"でいるよ。
だって、私はそれしか知らないんだから。

"お前に出来るのは、破壊しかないんだよ。"

2001年11月07日(水)
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