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2017年02月01日(水) ■ |
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勇気ある行動の結末は悲劇でいいはずがないんでしょ? |
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映画「僕だけがいない街」(平川雄一朗監督)から。 正直、設定があまり理解出来ず、そのまま観終わってしまった。 タイムトラベルでもないし、過去を変えることにより、 今の事件・事故・犯罪等を防ぐ、という視点はわからなくはないが あまりにプライベート過ぎて・・・。 そんなことが出来る能力があるのならなら、 もっと大きな事件・事故・犯罪を防いだほうが・・と思うが、 そんな設定にはなっていないようだ。(汗) 気になる一言は、先生が生徒に教えた台詞、 「勇気ある行動の結末は悲劇でいいはずがない」を、数年後、 事件の真相が解明された時に、その先生に生徒が訊き直す台詞。 「勇気ある行動の結末は悲劇でいいはずがないんでしょ?」 聖職である先生の一言は、小さい子どもたちにとって影響力が強い。 その言葉を支えに生きていく人たちもいるくらい。 だから、その台詞を覆すようなことを先生が起こすと、 そのショックの大きさは計り知れない。 最後に、主人公が呟く。「先生は、正義じゃなきゃダメだろう」 そのとおりである。
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2017年01月31日(火) ■ |
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時々、感覚を戻すために「参勤交代」 |
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(CCRCキックオフミーティングの基調講演会) 講師「養老孟司」氏、演題「現代の参勤交代のすすめ」から。 「8割が都会に住んでいる」とデータを示し、 「感覚を押し殺した世界が、都会です」と話し始めた。 「感覚と理性のバランスが崩れたから、少子化になった」と 現代の抱える課題の原因を、サラッと言い放った。 その上で、解決策として「時々、感覚を戻す『参勤交代』」を 提言している。 要は、人間が生きていくには、感覚と理性のバランスが大切、 都会に興味を持つのはわかる。ただ、黒山の人だかりに疲れたり、 つまらないとわかったら帰っておいで、ということだろう。 都会で息が詰まったら、地方の自然を味わうのもよい。 江戸時代は「地方から江戸へ」参勤交代をして刺激を受けたが、 現代はその逆で「江戸から地方へ、感覚を取り戻しに向かう」。 江戸時代の取り組みを真似て、国の政策として、 強制的にある一定期間、地方へ住むことを義務付ける。 そんなたとえ話が、私には引っ掛かった。 「教養とは、人の心がわかる心」と定義した彼は、 やはり「感性」を大切にしている学者さんだったなぁ。
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2017年01月30日(月) ■ |
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「PR」と「マーケティング」の違い |
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書籍「観光立国の正体」 (藻谷浩介・山田桂一郎共著・新潮新書刊・265頁)から。 ある観光の会議で「この本は、目から鱗でした」と紹介され、 さっそく読んでみたら、確かに「目から鱗」だった。(汗) 時間をかけて書き記したメモを、丁寧に読み直す限り、 今後も何度か、この「気になる一言」に登場するだろう。 まず最初にメモしたのは「PR」と「マーケティング」の違い。 「『PR』とは、自分たちのやり方を変えないままで、 どれだけ多くの人に、自分たちを知ってもらうかという活動。 一方『マーケティング』とは、 自分の商品の中身を作り変えるということです」 今まで、自分たちの中身(やり方)を作り変えることをせずに、 人が集まらない理由を、やれ「マンネリだ」、 やれ「予算がつかなかった」と騒いでいるに過ぎなかった。 ターゲット層に合わせて、自分たちのやり方を変えることを 受け入れることができれば、一歩進むことになる。 主催者の都合ではなく、来場者(観光客)に合わせる、 こんな簡単なことなのに、時々、自分たちの都合に合わせていた。 わかっているつもりだったけど、わかってなかったなぁ。(汗)
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2017年01月29日(日) ■ |
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若い子を育てるのは面白いですよ |
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以前、経済産業省「はばたく中小企業300社」に選ばれた (株)エステック社長(清水町)、鈴木誠一氏が、 表敬訪問で役場を訪れた時のメモが残っていた。 「たまたまです」と照れ笑いながらも、とても嬉しそうだった。 「うちは、たまたまが多いんです」と何度も繰り返しているが、 社長の座右の銘が「努力は嘘をつかない」という言葉であることを 私は何度かお会いして知っている。 その後、受賞した会社の概要などに話すのかと思っていたら、 人材育成について、その想いを熱く熱く語ってくれた。 私たちに向かって「若い子を育てるのは面白いですよ」と、 本当に嬉しそうに話したのが印象的だった。 「そういえば・・」と呟いた後「久しぶりに社員を怒った」と言い、 何かを頼んだら「考えさせてください」という答えが返ってきたので、 「やる前に考えるなんて、うちの会社ではありえない」と言い、 まずは試してみる、行動してみることの大切さを伝えたようだ。 こんなに「人材育成」を楽しんでいるトップは、なかなかいない。 これが会社の気風(社風)に繋がっているんだな、きっと。 私も定年まであと2年、若い中間管理職の人たちに向かって 「若い子を育てるのは面白いですよ」って自信をもって言いたいな。
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2017年01月28日(土) ■ |
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ディレクターが終了と言うまで、カメラは回す |
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映画「マネーモンスター」(ジョディ・フォスター監督)から。 原題と同じ「マネーモンスター」は、テレビ番組名。 財テク・株情報を提供し、視聴者に稼いでもらう番組なのか、 それを信じて株を購入し、大損した若者が番組をジャックする。 その原因を探りながら、隠れた秘密を暴いていく。 ストーリー的には、そんなに目新しいものでもないが、 いつ爆発するかわからない爆弾がそばにある恐怖の中、 その事件の一部始終を撮影し続けたカメラマンが、 事件解決後に、インタビューに答えた台詞がカッコよかった。 「失礼、逃げられたのに、なぜ残ったんです?」 「ディレクターが終了と言うまで、カメラは回す」 映画だから、こんな台詞がサラッと言えるんだ、とも言えるが、゜ カメラマンのプロ意識を感じた台詞だった。 ディレクターとカメラマンの信頼関係こそ、良い番組を作るには 欠かせない要素であろう。 このインタビューシーンを作品のラストに加えたのは、 監督自らの意図だろうか、やはり気になるなぁ。
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2017年01月27日(金) ■ |
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「眺め」とは、若い人がみるべきなのだろう。 |
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映画「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」 (リチャード・ロンクレイン監督)から。 ニューヨークのアパート最上階に住む主人公の老夫婦。 エレベータがないため、辛くなってきたのを妻が気遣い、 売りに出すことにしたのだが、どうしても名残惜しい。 そんな自分を納得させるために、 夫役のモーガン・フリーマンが呟くシーンがある。 「どんなにバカらしくみえても、我が家以上の眺めはない。 だがおそらく、必要な眺めは見尽くした。 『眺め』とは、若い人がみるべきなのだろう」と。 画家の役らしい台詞だな、とメモをした。 自分たち夫婦は、結婚当初から40年この景色を眺めてきた。 2人の想い出がつまった風景は、何事にも変えがたい。 しかしこの素晴らしい眺めを、自分たちだけで楽しむには もう充分、歳を重ねてきた。 ここらで、この「眺め」を若い人たちに譲ろう・・ そして、何かに気付き、前に進んで欲しい、 そんな気持ちが伝わってくる台詞であった気がする。 いつまでも「特等席」を独り占めするのではなく、 この素晴らしい環境を、次の世代に繋げたいと感じる、 その懐の広さが気に入った。 久しぶりに、ホッとさせられる作品であったなぁ。
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2017年01月26日(木) ■ |
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この「ちょっとした」と言う言葉を捨てた |
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書籍「まにまに」(西加奈子著・KADOKAWA刊・268頁)から。 昨日紹介した、彼女のエッセイ集だが、もう1つ残したい。 季節の変わり目、なぜか、部屋の片付けをしたくなる。 また、PCの中に残された文書などの雑文も削除したい。 そう思うのだが、なかなか「断捨離」が出来ない私に、 彼女のエッセイは、なるほど・・と気付かせてくれた。 「捨てようとする際、ある言葉が頭をよぎるのである。 『ちょっとした』だ。 『これ、ちょっした小物を入れるのに使えるかも』 『ちょっとした旅行に使えそうだわ』 ないよ。ちょっとしたシチュエーションなんてないよ。 私はまず、この『ちょっとした』と言う言葉を捨てた。 そうすると、とても気持ちがよかったのである。」 この感覚が、とても好きだし、実際に試してみたら、 意外とスムーズに捨てられることがわかった。 片付けのテクニックや、整理整頓のハウツー本ではなく、 西加奈子さんのエッセイを読んで、片付くなんて面白い。 文字好きには、どんなアドバイスよりもわかりやすかった。
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2017年01月25日(水) ■ |
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成功の美酒に酔う、という言葉を知っているのにだ |
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書籍「まにまに」(西加奈子著・KADOKAWA刊・268頁)から。 さすが、と言うべきが、当然、と言うべきか迷ったが、 彼女の作品は小説でハマり、読み続けているうちに、 エッセイにまで辿り着いた。(笑) もちろん表現技術は雲泥の差があるが、気になる視点は、 私の感覚と似ているなぁ、と身近に感じて一気に読み終えた。 ある文筆家にこう言われた・・と綴っている。 「"濡れた"という言葉を頭につけると、 なんでもいやらしくなるのだ。やってみろ』と言った。 濡れた短歌、と言ってみた。本当だ、すごくいやらしかった。 濡れた体は、普通にいやらしいだけだ」 たぶん、私もいろいろ試してみて、本当だ、と大喜びをする。 また「いつか肴に」というフレーズにも反応している。 「『失敗しても、いつかそれを肴に酒を飲もう』という言葉に 助けられてきたのだった。 成功の美酒に酔う、という言葉を知っているのにだ」 これまた、私も「酒の肴に・・」と頻繁に口にする。 そして最後に、ちょっとひねりを加えて、にやっとさせるから、 もう楽しくて仕方がない。 彼女のエッセイをもっともっと、出来ることなら毎日読みたい。 もしかしたらだけど「川柳」も得意かもな。
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2017年01月24日(火) ■ |
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子どもや孫が、何十年後に発見したらどう思うかな |
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S.N.S花盛りの現代、各々が記者となり、毎日もの凄い量の記事が インターネット上にアップされ続けている。 このインターネットという、情報検索・発信システムが、 これから先、どれほど続くのかは予想できないが、 私が怖いのは、自分は削除したつもりでも、どこかに記録が残り、 何十年も放置されるということ。 例えば、個人の公開範囲が「友達限定」であったとしても、 その友達にシェアされたりすれば、全国に向けて、 いや全世界に向けて、プライベート情報を発信していることに 変わりない、といつも思っているのだが・・。 一番、気になっているのは、子どもや孫の記事や写真を、 可愛いでしょ?とばかり、全国に向けて投稿していること。 撮影場所や撮影時間など、いろいろな情報が記録されている 写真投稿は、犯罪者にとっては、とてもありがたい情報となるし、 もっと気になっているのは、投稿されている子どもや孫が、 何十年後に(その投稿を)発見したらどう思うかな、 ということである。 彼らの知らないところで、自分の赤ちゃん時代の写真などが、 世界に向けて発信されていることに、違和感を覚えてしまった。 自分の写真なら、まだ諦めがつくけれど・・ 子どもや孫たちの肖像権は、どうなるんだろうって。 考え過ぎかもしれないが、ネットは便利だけど怖いものでもある。
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2017年01月23日(月) ■ |
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予測不能な人間でいたいのだ。 |
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書籍「ドナルド・トランプ全語録」 (手嶋龍一監修・セプン&アイ出版刊・189頁)から。 第45代アメリカ合衆国大統領となった彼が、 どんな人間なのか、誰もが気になるところだが、 私は、彼の発した言葉を少しずつメモしていたら、なんと コンビニで、この本を見つけて、衝動買いをしてしまった。 そして、一気に読み終えた感想は、私を驚かせている。 なんと「やばい、何度も頷いてしまった」だったから。 暴言王なのか、戦略家なのか、まだまだ分からないけれど、 大統領選の予備選、本戦と勝ち抜いた事実だけは残っている。 本当に「ウツケ」なのか、これも「演技」なのか、 私たち日本人が大好きな戦国武将「織田信長」の匂いがする。 彼の残虐性を嫌う人もいるが、秀吉、家康よりも人間味があり、 好きだと言う人もいる。(汗) 私たちは、「大統領という枠」に入り切らない型破りな人物に、 行動が読めないから「危険」とレッテルを貼っている気もするし、 本当に、まだまだ判断を下すには情報が少なすぎる。 もし、このトランプ語録から、1つピックアップするとしたら 「私は自分がしていること、考えていることを、 人々に把握されることを好まない。予測不能な人間でいたいのだ。」 今の彼の発言、行動の元は、この考え方だな、きっと。
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