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■ 雨。私。
飛び出していた。
いられなかった。いたくなかった。
大丈夫じゃ、なかった。
雨は、やまない。
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宛てもなく、歩いていた。
私は、パジャマのままだった。
裸足だった。
雨が、どんどん服を濡らしていく。
身体が、冷えていく。
飛び出す前に、胸のポケットに入れた、カッター。
刃を、少し出した。
近くの公園まで、来た。
入ろうとして、やめる。
走った。
へたり込んだ。
息もあがらない。身体も疲れない。
曇った眼鏡が邪魔で、外した。
泣きたかった。
涙は、出なかった。
カッターで、頬を切った。
「代わり。」
笑った。
『風邪引くよ。』
「いいよ。」
濡れた服が、身体に纏わりつく。
体温が、奪われる。
指先は、真っ白だった。
雨の道。
何もない。
ただ、雨音がうるさいだけ。
『帰ろう?』
「嫌。」
意識を、失いかける。
足を地に踏ん張り、止まった。
瞳を閉じる。
大嫌いな、雨。
でも、いい。
何も、見えない。
「止まないね。」
もう、笑えなかった。
2002年06月30日(日)
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