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2024年04月20日(土) ■ |
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eastern youth × おとぼけビ〜バ〜『極東最前線103 〜こんにちは!シルブプレ!〜』 |
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eastern youth × おとぼけビ〜バ〜『極東最前線103 〜こんにちは!シルブプレ!〜』@Shibuya CLUB QUATTRO
いや、前日パールジャムの新譜聴いて「ギターが3本あるってやっぱいいね〜」とぬかしてたもので。しかしいつ聴いても吉野さんのギターは何がどうなってあんな音が出るのかわからん。で、よよよしえさんのギターもそうだった。腰も抜ける。
なんつうかこれぞ対バンて感じだったな……どちらもバチバチに攻めてて、あまりにもすごい緊迫感で曲間シーンとしちゃうの。演劇とかクラシックコンサートばりの静けさよ…今誰か携帯鳴らしたら○す……くらいの張りつめっぷりであった。互いへの敬意をもって己の道を各々が進むのだという両者のガチンコが聴けました。
先攻おとぼけビ〜バ〜。ライヴ映像を観続け数年、ようやっとのお初です。アメリカツアー(29本! タフ!)から帰国後1本目のライヴとのこと。6月にはグラストンベリー出演、7月にはRHCP(!)のツアーに同行することが決まっています。デイヴとジョシュがウチのツアーにいやウチにと争ってたらレッチリに持ってかれたっていうアレですね(笑)。「この日のために帰国しました!」というMCもあながち冗談ではない。
いやはや実物を通しで聴くのだいじだな……演奏の異質さというか特異さに瞠目。カウントとらないの。あっこりんりんの呼吸から始まるの。あっこさんがスッと息を吸って、それに3人が注目して構えて、第一声を発するのと同時にズバッと演奏が始まる。てか演奏ガチでアホうまい。スラッシュでブラストで鬼変拍子をズバズバキメる。シービーれーるーーー!!! リズム隊の強力なことよ……その上で暴れまくるギター、そして強く太い、しかしクリアな声を通すヴォーカル。
ご本人たちのルーツはよく知らないけれど、あっこさんが海外のバンドに過剰な憧れはなく、どちらかというと日本のバンドに影響を受けているといっていたのを何かで読んだ。やはり思い出すのはSUPER JUNKY MONKEYで、演奏の傾向としてはZAZEN BOYSのそれに近い。ここらを聴いてるひとにはピンとくるのではないかな…どんだけヤベーかというのを……しかし違う、違うのよ。衣装は全員ミニのワンピース。ボーイッシュだったSJMのファッションとはまるで違う。演奏は愉快痛快高速パンク&ハードコア、ZAZEN BOYSの道場っぷりとは違う。このバンドにしかない確固たるオリジナリティがある。
で、そのフェミニンな容姿から想像するようなアクションをするかというとそれも違う。どちらかといえばマスキュリン。ワンピースの下にはロング丈のインナーを着用しており(つまり見せてもオッケー、見せなくてもオッケー。てかそういうとこを見に来たやつにバーカといってる感じ)、靴はスニーカー。アクティヴでスポーティ。
あとやっぱ歌詞だな…歌詞はゴリゴリのフェミニンなのな……もうタイトルからしてパンチラインなんだが、タイトルイコールほぼ全歌詞の曲も多い。それが連呼されるので聴いてる方はすぐフレーズを憶えるし、海外でも同じだろう。「ジジイ is waiting for my reaction」とかもう最高じゃん。「サラダ取り分けませんことよ」も「孤独死こわい」も聴けてうれしかった。これがあの……! という感じで。京都弁と英語でまくし立てるヴォーカルが、絶妙のタイミングでキャッチーなメロディで唄いだす緩急もめちゃくちゃ格好いい。「携帯みてしまいました」のメロディとかすごいキャッチー。即唄える。
よしえさんのテンションが演奏も喋りもバカ高で、挨拶とかマジでサンシャイン池崎の熱量だった。ホントに「イ゛ェエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ーーーーーーー!!!!!!!」とかいう。MCはよしえさんとあっこさんが担当のようだったが、その温度差すごくて面白かった……かほキッスとひろちゃんは基本無言。フロアから声がとんでも無言。クール。かほさんがinstaで演奏動画あげてるのすごいチェックしてたんで、生であのドラミングを観られて感無量でした。こういうのを! ブラストと!! いうんじゃ!!!(というかこの手のドラムが大好物)そして今回いちばん度肝を抜かれたのがひろちゃんの演奏。やっぱ動画だと音薄かった、実演のベースラインの音の太さと複雑さ、そうめっちゃ複雑なフレーズをヨレずに軽々弾いて、高速ドライヴをキメまくる。ビビったしシビれた。
いやー素晴らしかったな……45分セットであっという間だったけど、ワンマンとか何分くらいなんだろう? このテンションの高さからして長尺で出来るんだろうかというくらいの熱量でした。強い。
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後攻ey。いつでも緊張感ある演奏を聴かせてくれるバンドだけど、そのテンションがすごくてですね……冒頭4曲、「自由」からの「踵鳴る」「夏の日の午後」「砂塵の彼方へ」という流れといったら!
というか演奏って対バン相手によって変わるでしょう。朗らかなバンドが相手だったらそれに応えるようなセットリストを組むし、寄らば斬るってなバンドだったら受けて立つというような構成にしますよね。この日はもうバッチバチでした。年長さんの余裕などあるか! という。冒頭にも書いたけど初めてライヴで聴いたような曲もあったし、初期のレア曲とか久々にやったのではないだろうか。帰るとき後ろ歩いてた兄さんが「村岡さんが入ってから初めてやったんじゃない? 今聴けるなんて〜」と興奮気味に話してらっしゃった。
導入、ブリッジがインプロのスタイルが村岡さん加入後より増えたように思いますがどうなんだろう。吉野さんが鳴らすコードやリフに村岡さんが即反応し、静謐なのに劇的な(としかいいようがない)フレーズを重ねていく。そこに吉野さんが声(スキャットといえばいいかな)を乗せる。何度目かのリフレインから、閃光が走るように次曲へなだれ込む。コードの気配から、あー次の曲きっとあれだなあとワクワクしつつ、実際それが始まる迄は毎回違って毎回ヒリヒリするのよな……エモも極まる。
で、演奏とは裏腹にMCがオモロい。しかし笑ってると急にグッとくるこというので油断出来ない(笑)。eyちゃんとはいつだって馴れ合いになどなれません。いつでもタイマンです。この日の吉野さんはおとぼけさんの「ジジイ is waiting for my reaction」に感銘を受けたようで、タモさんを指してジジイ、村岡さんを指して別嬪さん、フロアを順に別嬪さん、ジェントルマン、ジェントルマン……と指差して、最後に自分を指差しクソジジイ! と何度かいうてました。拍手喝采。あと「間違えてもいいんだ」とかすごいいいこといったその流れで「間違ってても、大丈夫ですよ☆」「記憶が曖昧でも大丈夫ですよ☆」とかいいだして、んん? となったところで「昔ちょっと借りただけなんだけどね〜(ヨボ)」と過払い金診断の弁護士事務所CM再現に繋がったので滲んだ涙もすぐ乾きました。そういうとこが! 好き!
全然似ていないのにアティテュードには共通するものがある両者。みんな揃って? みんな一緒に? 知らん。エゴイストとインディヴィジュアリストは違うんだよ! またの邂逅を楽しみにしています。
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みなさんいい顔
eyちゃんの制作さんはいつもしっかりしてて頼りになる
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2024年04月18日(木) ■ |
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『美と殺戮のすべて』 |
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『美と殺戮のすべて』@ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター1
ナン・ゴールディンが、自身の半生を振り返り乍ら、「拡大家族」たちを得て築いたその地位をアクティビストとして活用する。
ドキュメンタリーだが、伝記映画にしてはユニークな作り。ゴールディンが2018年から行なっている「オピオイド危機」に対する抗議活動が縦糸。彼女の生い立ちから写真家となるきっかけ、ドラァグカルチャーとの邂逅、NYのアンダーグランドシーンからデビューし今に至る半生を辿る自身の証言が横糸。
彼女の作品には、いつも極めて私的なきっかけと理由がある。家を出るきっかけ、写真家になるきっかけ、仲間たちとの作品展を開くきっかけ。きっかけには必ずといっていい程喪失がついて回る。そしてそれには、重ねて必ずといっていい程心の病(傷ついた心、といった方がいいかもしれない)と薬物依存がついてくる。「子を育てる覚悟がなかった」両親に抑圧され壊れていった姉、エイズ禍に斃れていく友人たち。ゴールディン自身も、何度も死に直面する。生き延びた彼女は、写真を撮り続ける。
しかし私的な出来事は社会に直結するのだ。オキシコンチン中毒で死にかけた彼女はリハビリを終えたのち(彼女は「治った」と何度もいい、立ち直る過程ではないという)、薬剤の危険性を知り乍ら販売を拡大させた「サックラー家」を自身の活動する場(=アートシーン)から追放する活動に着手する。彼女はその経緯も写真に収めていく。
その様子をローラ・ポイトラス監督は撮る。薬物中毒で家族や友人を失った者たちと集い、抗議行動の作戦を練り(メトロポリタン美術館の「ナイル川」に薬瓶を投げ込み、グッゲンハイム美術館の吹き抜けに処方箋の雨を降らせる!)、州議会でスピーチし、サックラーの名が外された美術館を笑顔で撮影するゴールディンを撮る。そして、ポイトラス監督はゴールディン本人に自身を振り返らせ、語らせる。彼女が「私写真」を撮ることで、自分の人生を、「ファミリー」をどう見つめているか。そしてそうした作品を発表することで、アートシーンひいては社会にどういう影響があったか。常に当事者である、その姿勢が見えてくる。自身が属する「拡大家族」は共同体といってよく、彼女はその共同体を脅かすものに立ち向かう。それがエイズ患者に対する差別であったり、薬物中毒者に対する偏見だったのだ。
興味深かったのは、自分の人生をつまびらかに作品化してきた彼女が、それでもなお「初めて話す」ことが出現したことだ。自分のしたこと、姉の死の真相。その上で、彼女は恥じることではないという。しかし、それにはケアが必要だとも。彼女にはケアが必要だった。ひとりで傷つき、ひとりで死にかけていた彼女に、ケアを施すひとがいた。だから彼女もそのケアを、関わった誰かに届けようとしている。彼女は否定をしない。しかしそれは決して和解ではない。姉を死に追いやったといっていい両親の言葉を聴く。そしてそれらを写真に撮る。彼女は、カメラが自分に「言葉を与えてくれた」と語る。写真を撮ることが自分の「声」になった、と。
当方、80年代の「海の向こうでバッタバッタとアーティストが斃れていく」エイズ禍の経過をリアルタイムで追った世代だ。そして今、オピオイドでバッタバッタと亡くなっていくひとたちのことをやはり海の向こうから知る。2018年から始まった抗議活動がひとつの決着を見る頃、世界はコロナ禍に覆われている。倒産裁判所でのスピーチはZoomを通して行われる。マスクをしたゴールディンは外に出て、仲間たちとハグし、スローガンを叫ぶ。それはもう「海の向こう」のことではなかった。そして今、彼女はガザ救済へ向けて活動している。淡々と彼女は行動を起こす。「海の向こう」は繋がっている。生き延びた者が自分の人生を、自分の属する共同体を守るためには、どんな行動を起こせばいいのか。彼女の姿はそれを問うている。
クラウス・ノミにルー・リード(The Velvet Underground & Nico)、音楽もよかった。アンダーグランドシーンど真ん中のジョン・ウォーターズやディヴァイン、クッキー・ミューラーたちにまじり、普通にさりげなくジム・ジャームッシュやミッキー・ロークが収まった写真があることになんだかジーンとしてしまった。彼らもそこにいたのだ。みんな元気で。
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「あの頃は人生を変えようにも、人生なんてなかった。生きてる感じがしなかった。麻薬中毒の症状がものすごく深刻になって、ついには6カ月間も家から出れなくなってしまったわ」そう過去を振り返り、僕に語ってくれたことがあった。 だからエイズの渦中にいるナン・ゴールディンと親しくなり、YMOのアルバム『テクノドン』の録音スタジオやニューヨークでの日々の「記録」の仕事を引き受けたい、と彼女が言ったときには、整理のつかない混乱の中に、時空の歪みの中に、身を投じる気持ちだった。 あ〜これ結構貴重な証言だった。映画では(周知のこととして?)あまり深掘りされなかった、ゴールディンが「再び」薬物中毒に陥る前のこと。“「拡大家族」をテーマ”とした作品でデビューし、“「エイズと写真(アート)」の渦中の人”になる間に起こったこと。友人たちが次々と亡くなっていたとき、彼女は何も出来なかった。何故なら彼女自身も死にかけていたからだ
・といえばゴールディンや荒木経惟が用いる、明らかに自分以外の人物がシャッターを切ったものも自身の作品として発表するという手法は誰が最初なんだろう? ゴールディンはそれら写真群をスライドショーにする作家でもあるが
・連載「その選曲が、映画をつくる」第12回『美と殺戮のすべて』写真家ナン・ゴールディンの半生に迫るドキュメンタリーの音楽┃NiEW(ニュー) ドキュメンタリー作品において、こうした明示的な音楽の不在による劇的な効果というのはことさらに大きい。狭義の「演出」を排し「現実そのもの」へと観客の意識を向けさせる手法が、本作でも目覚ましい効果をあげており、私達観客は否応なくその緊張の只中に投げ入れられることになる。 「Mack The Knife」には私も違和感を覚えたというか……この曲、長閑な曲調だけど内容は怖いんだよね。それでダンスする両親を撮るゴールディンの胸中やいかに
・ナン・ゴールディンが見つめてきた人生┃SSENSE どんなレッテルを貼られても、姉はそんなレッテルとは全然違っていた。彼女はただ生きようとしてただけ。 今回の映画が完成する前の対話。抗議活動の具体的な作戦についても語っている
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2024年04月07日(日) ■ |
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AIMING FOR ENRIKE JAPAN TOUR 2024 |
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AIMING FOR ENRIKE JAPAN TOUR 2024 -TONE FLAKES Vol. 159- @LIVE HOUSE FEVER
----- G:Simen Følstad Nilsen Drs:Tobias Ørnes Andersen (未だに読み方がわからないノルウェー語表記。サイモン、トビアスでいいのかな?) -----
・二度目の来日(2018年) このときの新曲「Louis Cole」がのちの「Ponzu Saiko」になりました
・2019年の『AFTER HOURS TOKYO ’19』 ・2019年の単独(FAにRiL)
ときて、今回5年ぶりとなりました。本当は2020年春に来る予定だった。
・2020年の5月に予定していましたAIMING FOR ENRIKEの日本ツアーは中止にしました┃FLAKE RECORDS コロナ禍で中止になったときのダワさんのステートメントは何度でも読み返したい。ここに“実質延期”と書かれていたように、今回のチケットは2020年の来日時に設定した価格のまま。数年でエア代も外貨も爆上がりしてるというのに! いやこちらも助かりますけど、や、安いよ? いいんですか? 有難いやらなんだか申し訳ないやらです。
という訳で待ちに待ち過ぎて凪な気持ちになっていたというか本当に来てるという実感が薄く、本人らが目の前に現れてセッティングを始めてもなんだかボーッと見てたんですが、音が! 1音目が鳴ってやっと目が覚めたというか、あれよ、怪我して保護された虎が自然に返されて、数年後その獣医と再会して「………!!!??!!!」てなる感じよ……。記憶を呼び覚ましたのが音だったってところに改めて感動したりして。やはりこのバンドの音は唯一無二。そうなのよなんであんなにルーパーかましてエフェクトかけてんのに音がペラくならないどころかめちゃくちゃうねるの? 訳わからん! 毎回同行しているらしい専任のPAさん含め、彼らのクリエイティヴィティと積み上げた経験値の賜物ですね。
コロナの影響下でつくられた最新作『EMPTY AIRPORTS』(タイトルからしてもうね…)はフィールドワークの側面(「OSLOの街中を数時間にわたりただ歩き回」ったりしていたそう)も感じ、アンビエントかつミニマルな印象だったのですが、いやいやライヴで聴くとめちゃ踊れる。「The Rats And The Children」とかすごかったな……。演奏スタイルは意味そのままのシューゲイザー。Simenはリフとループつくるの忙しくて殆ど下向いてるし、1/4くらいは座り込んでエフェクターいじってる。それがなんで? こう? 踊れるトラックになるの!?
やってる方は頭の中にスコアがあるからこれとこれのループを重ねればここでドカンと来る、というのが分かっているけど、聴いてる方は身構えていてすらもその爆発力にはキエーとなる。マスでジャストのふりしてめちゃくちゃグルーヴあるんですよね…なんなん……。宇宙猫みたいな顔にもなる。毎回思うがステージ上にいるのがふたりってのが信じられんし、人力でこれやってるってのも信じられん。そのイヤモニは何に使ってるんだよとすら思う。ちなみにほぼノンストップです。前の曲のアウトロが次の曲のイントロになる。MCで中断したのは本編一度とアンコール前だけかな。各々の曲がシームレスでライヴのための1曲に構成される。ライヴはいきもの、その日にしか聴けない!
Tobiasのリズムキーパーっぷりがまた素晴らしく、絶対音感ならぬ絶対リズム(BPM?)感ありそう。16ビートをキープしつつ起点をいきなり変えたりと、Simenとはまさに阿吽の呼吸。そう、基本Simenは床とギター、TobiasはめっちゃSimenを見てる。たまーにSimenが顔を上げて、フロアの奥に見つけた知人か友人にニコッと笑いかけたりするのが微笑ましい反面、「えっそういう余裕もあるの?」と驚いたりもしていた。
冒頭のツイートにも書いてるが、SimenもTobiasも温厚そうな青年なんです。喋るときも声を張らず、「5年…長かった〜……」「待っててくれて有難う」「5kaiのツインドラムすごいねー」(後述)「ダワさん有難う」てな感じ。「有難う」は何度いったか……日本語でも英語でも繰り返しいってた。それをいうのはこっちだよ! MCのときは終始ニコニコ。演奏も見た目は結構穏やかなのよね。そりゃTobiasはドラムなんで動きも派手といえば派手ですが、なんというか、動きに一切の無駄がない。必要最小限の演奏でこれだけの圧を生み出せるのか……いやもう最高。FEVERは三日間興行なので明日も明後日もあります! 気になる方は是非、対バンもツワモノ揃いです。
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Setlist
01. NEWSPEAK 02. MARION JONES 03. FEEL NO THREAT/ABSENT LOVERS 04. BILLION YEAR CONTRACT 05. DON'T HASSLE THE HOFF 06. PONZU SAIKO 07. FLAT BEATS 08. THE RATS AND THE CHILDREN 09. INFINITY RIDER encore 10. HARD DANCE BRAINIA
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「DAWA TO FLAKE ANATATACHI」「5KAI FUTARINO DORAMA SAIKO」とも書いてる。そうそういってたいってた……それで思い出した、5KAIをFive Kaiっていったので一瞬「?」ってなったんだ。というか今迄疑問にも思わず「ごかい」って読んでたけど実はファイヴカイだったの? と混乱した…松村さんごかいでーすっていったよね???(自分の記憶が信用出来ない)
そうなんです初日の対バンは5kaiだったんです、久しぶりに観たんだけどツインドラム(ふたりのドラマー、ね!)になっとるやないか。単音のリフとビートで最小限の音数、居合い抜きのような格好良さでした。いやーよかった。前回共演したのが前述の2019年After Hoursだったそうで、思い出話にも花が咲きましたよ。
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こっからはSNSにあがっているあれこれ。どんどん流れていっちゃって勿体ないのでまとめさせてください!
機材めっちゃ増えてない? と思ってたらやっぱそうだったのか
5kaiのサポートWada Daijuさんのツイートより。なるほどわからん、ってかルーパー使いのミュージシャンから見てもそうなの? キエー
これー!「The Rats And The Children」!
こんな感じでSimen座り込んじゃうので後ろで見てたらなんであんな音が出てるのってなると思う。前で見ててもなんであんな音が出るのかわからんが。終演後は足元のボードと配線撮影してるひとが多かったです
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2024年04月01日(月) ■ |
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『高橋徹也・山田稔明 友だち10年記念 “YOU'VE GOT A FRIEND” ─April Fool edition─』 |
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『高橋徹也・山田稔明 友だち10年記念 “YOU'VE GOT A FRIEND” ─April Fool edition─』@Star Pine's Cafe
ふたりがハモる、ふたりでギター弾くってのがもうよいし、お互いのオリジナルを一緒に演奏するのもいいし、高橋さんの唄うフィッシュマンズとか山田さんの唄うヒートウェイヴが聴けるとか、なんだもういいしかないじゃないか。ここで小林(建樹)さんの話が出るのももう面白いし(笑)はーいい夜だった。
「週末だけじゃなく、週明けにこういう催しがあってもいいじゃない?」ということから決まったらしいこのライヴ、ご本人たちも「週末って告知しちゃった」「来週なのに今週っていっちゃった」。昨年の6月名古屋、10月大阪を経て、「友だち10年記念」シリーズがいよいよ東京にやって来ました。
おふたりが友だちになったという10年前(年をまたいだので11年前か。2013年)のライヴというのは、今回と同じ会場であるSPCで開催された『山田稔明、高橋徹也、小林建樹[monologue]』。運よく私も目撃しています。というのも小林さんが出ていたから。この夜に、高橋さんと山田さんのライヴを初めて観たのです。ということは、私の高橋さん、山田さんのリスナー歴も10年か。記念だ(笑)。
・monoblog:“monologue” @ 吉祥寺スターパインズカフェ(2013年6月27日) 当時の山田さんのブログ。てか山田さんのアーカイヴ力ホント有難い……ライヴ企画・制作〜広報〜記録(セットリスト、後期)といつもきちんとしてて頭が下がる。告知の惹句というかコピーライティングもいつも素敵だし、作品(グッズ含め)に対するブランディングとディレクションが行き届いていて感心する。
10年前に対バンして友だちになったんだよね、と話すふたりに「小林さんも出てたよ…なかったことにされてる……?」などと猜疑心の塊になっていると「その対バン、小林建樹さんも出てたんですが」「あのひと呼ぶとめんどくさいから」「僕らも変わってるけどあのひとはほんと変わり者だから」とイジりが始まる。めんどくさい、わかる(笑)。「GOMES THE HITMANとデビューが同期だったというのもあって、僕は小林さんと仲よかったんですけど」と山田さん。「いや僕だって小林さんと仲いいですよ」と高橋さん。ははは小林さん愛されてる。
上手側が高橋さん、下手側が山田さん。ギターはどちらもエレクトリック1本とアコースティック1本。山田さんはタブレット、高橋さんは紙の楽譜。声のハモり、ギターの絡み。ひとりでの弾き語りで馴染んでいる楽曲が新鮮な響きを持つ。ふたりの「怪物」が聴けるとは! ふたりの「友よまた会おう」が聴けるとは! 友だち記念ライヴで「友よまた会おう」なんてもうエモも極まる。山田さんも「エモいよねー」っていってたけど。
そこで思い出した。おふたりが友だちになったという10年前のライヴ、最後皆でカヴァーセッションやろうってなったんですね。で、山田さんが「こういうときはビートルズかねって話してたら、高橋さんが『僕はストーンズ派なんで』っていいだして。そういわれちゃあねえ」っていってて。結局山下達郎の「Ride On Time」に落ち着いたんですが、10年経った今、「Here, There, and Everywhere」のフレーズが入っている「友よまた会おう」をふたりで唄ったのって、ねえ……エモいよ!
この「怪物」「友よまた会おう」の2曲が顕著だったけど、山田さんのロッキンなギターリフが高橋さんの楽曲にピタリとハマる。個人的には高橋さんはボウイ(ブリティッシュロック)、山田さんはR.E.M.(アメリカンオルタナ/カレッジチャート)が基盤にあるというイメージ。特に90年代アメリカンオルタナにドップリだった自分には、「そこそこ!」「きくーッ」てなツボなリフが山田さんからゴロゴロ出てくるところがたまらなかったです。
それにしてもフィッシュマンズの「気分」カヴァーよかったなあ。佐藤くんの高音と高橋さんの声って、通じるものがあるかも。とても綺麗な声なのに、奇妙というか怖さも感じるんですよね。高音の響きは丸くふくよか、でも妙に耳にひっかかり、こびりつく。ストレンジな声。山田さんはやはりR.E.M.繋がり(とこっちが勝手に思っている)の「月あかりのナイトスイミング」が胸に迫りました。あと「pilgrim」な。こういうのに弱い。共作含めお互いの未音源化作品も披露。「お互いのファンがどう聴くか」を意識したところもあるようで、高橋さんは「最初の頃は山田くんのファンに『何こいつ』って思われてたところもあったと思うんですよね」なんてこともいっていました。
そして、演奏は勿論だがトークがよかった。そもそもふたりがざっくばらんに話す様子を「見せる」という図が面白い。今回の趣向として「ふたりともステージにいっぱなし。ひとりが唄っているとき、もうひとりはステージにしつらえてある椅子に座りそれを聴き眺める」という仕掛けがあり、演奏が終わるとすぐにその感想をいい合ったり、ツッコんだりする。これが側から見れば非常にスリリング。だってさ、チューニングしてる高橋さんに向かって山田さん、「ねえねえ、なんか喋って場を繋いどいた方がいい? それともこういうときって黙っててほしい?(ニヤニヤ)」とかいうんですよ。怖い!(笑)それに対して「……うるさいなあ」とかいう高橋さん。薄氷を踏み抜くようなトークだわ、これは気のおけない間柄じゃないと出来ないわ。思えばこうやってふたりがしゃべくる様子を目にすること自体が初めてだったので、うわあそういうこといっちゃうんだ! そんなことズバッと訊いちゃうんだ! と、新鮮な驚きがありました。
10年前の対バン迄は、お互いを知ってはいたけど「なんかヤだな」「いけすかないヤツだな」と身構えていたというふたり。デビュー前、映像制作会社に就職した山田さんがアシスタントとして最初に入った現場が高橋さんのMV撮影だった、というのは有名なエピソードですが、ポン出し(撮影に合わせて手動で音を出す)係だった山田さんが、そこで使ったCDシングル「真夜中のドライブイン」を持ち帰り今もだいじに持っているといういい話も聞けました。
そこで悪びれもせず「スターだからね」という高橋さん。その前にお互いの親が音楽を続けることをどう思っていたかという話をしていて、「反対ですという手紙をもらった。『星の数ほどいるからスターというのであって、あなたがそのスターになれるとは思いません』って書いてあって……俺ひとりっ子なのに。もうちょっと優しい言葉をかけてくれても……」と山田さんがいっていたんですね。ふたりの近年のテーマは「謙遜しない」だそうで、褒められたら素直に喜ぶ、素直に有難うということを心がけているそう。いいですね!
山田:高橋くんが死んだらこのシングルCDを…… 高橋:まさか売る気?(この思考回路がすごく高橋徹也) 山田:違うよ! 高橋くんの葬式で、って高橋くんが先に死ぬって前提で話してるけど(笑)、このCDを掲げて「これが出会いでした」っていうんだよ!
このやりとりにはウケた。といえば、
高橋:お母さん、地元のレコード屋で俺のデビューCDを20枚とか注文して、「息子がデビューするんです」って
って話をしたあと、
山田:実家の整理してたら、俺が初めて出したCDの入ったダンボールが出て来て。母親が買ってて。ダンボールだよ、100枚とか入るサイズ。100枚て 高橋:そこで張り合おうとする?(この思考回路もすごく高橋徹也) 山田:違う違う、それが全然売れなかったみたいで大量に残ってたの。俺が売ってやる! と思ったんだけどインディーズ時代だから演奏が下手でね……売りたいけどどうしようってジレンマが
ここもウケた。というかどこのトークも面白くてな。笑えるし頷くし切ないし。
高橋:「光の葡萄」は代表曲なんじゃない? 山田:対バンとか、僕のことをよく知らないお客さんの前でやるときに抜く刀みたいな曲ではあるね 高橋:ソーダ水とか、言葉のチョイスもよくて…だいたい歌詞ってここいいなあって言葉は1曲に数個あるくらいだけど、これは歌詞の全部がよくて。10年前のライヴで初めて聴いたとき、本当いい曲だなあ、いい歌詞だなあと思った 山田:それをいったら、俺の方は10年前「大統領夫人と棺」を聴いて「このひとは何を唄ってるんだ?」って思ってたよ 高橋:(笑) 山田:なんなんだこれは!? って
年齢は2歳違い。「中1と中3とか、高1と高3って考えるととてもタメ口なんか聞けないよね」「カツアゲされちゃう」「大人になるとこれくらいの年齢差なんてどうでもよくなるね」。身体を壊したり、ご両親を亡くした時期が近かったり。歳が近いからこそ訊けることがある、泣き言もいえる。フリーランスとしての悩みや音楽家としての生みの苦しみを共有し、相談し合える。昨年の『高橋徹也 × 小林建樹』で高橋さんが仰っていた「シンガーソングライター互助会」ですね。音楽家の生活をちょっとだけ見学させてもらった気分です。
最後「写真でも撮っていってください」と撮影タイム。並んで手でも振るのかな? と思っていたら山田さんがふらりと「友よ〜」のフレーズを弾きだして、高橋さんも軽く唄い始める。おおおめちゃ格好いいな、このさりげないセッション!
とても楽しい月曜の夜になりました。ご本人たちも「2時間の予定だけど終わらないね」「トークが長いんだよ」といいつつ何度も楽しいと口にしていました。いやはやいい週明け。
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・monoblog:高橋徹也・山田稔明 友だち10年記念 “YOU’VE GOT A FRIEND”(2024年4月1日 @ 吉祥寺 スターパインズカフェ)【SETLIST】
1. 幸せの風が吹くさ(山田+高橋) 2. 三日月のフープ(山田) 3. pilgrim(山田) 4. 八月の流線形(高橋) 5. 美少年(高橋) 6. 音楽は魔法?(山田) 7. 夢に生きて(高橋)
8. 真夜中のドライブイン(高橋+山田) 9. 月あかりのナイトスイミング(山田) 10. オレンジ〜真実(山田) 11. 新しい世界(高橋) 12. 黄金の舞台(高橋)
13. オリオンへの道(山田:HEATWAVE カバー) 14. 気分(高橋:フィッシュマンズ カバー) 15. 怪物(高橋+山田) 16. 光の葡萄(山田+高橋) 17. 君と僕とカップとソーサー(共作曲) 18. my favorite things(山田+高橋) 19. 友よまた会おう(高橋+山田)
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・開演前、終演後にかかってた“YOU'VE GOT A FRIEND”は誰のカヴァーverだったのかな? キャロル・キングのオリジナルではなかったです
・近くの席の方が食べるカレーやクリスピーチキン&チップスのおいしそうなこと。いい匂いもして……終演時間が遅くなることを見越してか、いつもより食事をしているひとが多かったような。SPCはフードメニューも充実してるし、今度食べてみたい〜
・そうそう、chinacafeさんのツイートから知ったのですが、韓国のSSW/プロデューサーであるCLOUD KOHさんが高橋さんの「新しい世界」をカヴァーしています。高橋さんってギタリストのイメージが強いので、ピアノ弾き語りのアレンジがすごく新鮮。転調パート含めフルで聴きたいです…って、どういう経緯で今この曲を発見したんだろう? めちゃいい!
・この日「新しい世界」の前に高橋さんが「人気があるっていわれるとやらないとか、メジャー時代の曲はやらないって意地張ってた時期もあったけど、聴いて喜んでもらえるのはやっぱりうれしいし有難い。そう気づいてからは勿体ぶらなくなった」というようなことをいっていたのです。CLOUDさん3月下旬に日本にいたっぽいんですよね……レコード屋巡りしてる様子をinstaにあげてて。高橋さんのレコード買えたかなー、買えてるといいなーと思ってたけど、滞在延長してライヴ来ればよかったのに〜
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(20240404追記)
・monoblog:高橋徹也・山田稔明 友だち10年記念 “YOU’VE GOT A FRIEND”(2024年4月1日 @ 吉祥寺 スターパインズカフェ)【ライブ後記】 「カッコ悪いところを見せたくない」という発言もあったけど、リラックスしたなかにピリッとした緊張感があって、この日はふたりともずっと背筋が伸びていた気がする。
・尊敬とユーモア┃夕暮れ 坂道 島国 惑星地球 僕にとって山田くんの曲というのは、日常のシーンを精緻な言葉で描きながら、いつの間にかここではないどこかへと連れ出してくれる、そんなイメージ。反対に僕の曲は、いつか見た風景や断片的な記憶を呼び覚ますことで、それを日常へと感化させるイメージ、とでも言いましょうか。
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