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2008年04月29日(火)
『大谷能生のフランス革命』特別講義

『大谷能生のフランス革命』特別講義@紀伊國屋ホール

新宿セミナー@Kinokuniya、ゲストは菊地成孔。大谷さんと菊地さんの共著『M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究』と、大谷さんの『大谷能生のフランス革命』刊行記念特別講義。これらの本のトークイヴェントはかなりの数あったのですが、有料だし、紀伊国國屋ホールだし、一連のプロモーション最終日だからまとまった話が聞けるのではないかとこれをチョイスしてみました、が。

いちばんまとまってなかった……笑い疲れた………。

いやー…コアなマイルスファンと思われる年配の参加者も結構な数おりまして、そのひとらが「いい加減にしろ!ちゃんとマイルスの話をしろ!こちとら金払って来とるんじゃ!」と怒り出したらどうしようとハラハラしましたよ(笑)まあそうなったら菊地さんはうひゃうひゃ笑い乍らますますどうでもいいいことを話すだろうから、それはそれで面白かっただろうけどな、ははは。

冒頭から「いや今日のって紀伊國屋の2階の五木ひろしのポスター張ってあるようなとこ(CD売場)の一角を区切ってそこらへんでやると思ってたのよ、さっき聞いたよ紀伊國屋ホールだって!300人くらいいるよ!ここで天井桟敷観たよ!7割は寝たよ!YMOのデビューライヴここだよ!」て話だったし(笑)「何も用意してないよ、俺ん家背中にジェットついてればバヒューンて30秒で行けるところだから資料とってこようか?」とか。分かりやすく書き直してますが、実際はもうなんてえの、ハードコアな井戸端マシンガン会議のような話の飛びっぷり拡がりっぷりなので、上記の話だけで20分くらいかかってる。「ウチからここ迄(ジェットついてれば)30秒」の話の中に、歌舞伎町のすごいネーミングの寿司屋の話とか丸井とか新宿区役所の話とかいろいろ入ってる。日曜日その近所歩いてたからウケたウケた…すしまみれ、な!(大笑)

そんな訳で「これその(ジェットついてれば)30秒で行けるウチで話してるノリと全く同じだよな」「てかこれ迄のトークイヴェントで喋りまくったから、今更喋ることもないんだよなあ」ってことで、マイルスの話など殆どなくゲラゲラ笑って90分。しかし興味深い話は沢山聞けまして。それも「今日憶えてるのは、憶えられることは何もありませんでしたってこと!(笑)どうでもいいことばかり憶えてたりね。どこを憶えてるかによって、聞いたひと本人が何に興味があるかってのが分かるよね」ってことで。これも自分の解釈ですな。なんか先日の飴屋さんと石黒さんとオリザさんの鼎談(本編補足)を思い出したよ…。以下私が興味を持った箇所をおぼえがき。そしてこれも自分なりの解釈です。

・この本(マイルス研究)を読了したひと、10%、20%…読んだひと、を挙手させる。「多分この比率は今後も変わらないと思う。読み切れない本」
・でも「これをうまく編集して読みやすくまとめた新書を出してもそれは売れないと思う」

・「ローディングは出来てもリーディングは出来ていない状態」について
・「でも全てリーディング=理解してるひとじゃないとマイルスの研究本書いちゃダメってルールはないでしょ?」
・だいたい100%の理解は有り得ないからな
・そして理解と記憶は違うもの
・「そのリーディングってのも、イントロクイズみたいに1音聴いただけで誰のソロの何小節目!て判るのとは違うし」
・「でも50年前はチャーリー・パーカーのフレーズなんて憶えられないって言われてたけど今は憶えられるもんね。唄えるもん」「メロディーとして記憶出来る」
・「だからと言って50年後にマイルスのソロを記憶出来るひとが出てくるかと言うと…?」「メロディーかと言うと…?」
・ゴダールの映画のように何百回観ても“リーディング”出来ないものも。途中で必ず“落ちる”。目に映ってるけど頭に入ってこない状態

・KREVAと安室奈美恵の振り切りっぷりについて。m-floは違う次元に行っていると言うことについて
・ねこがにゃおーん、ぞうがぱおーん
・みんなのうたを目指してるのかそうでないのか
・KREVAには振り落とされないように着いて行かなきゃ!
・Jay-Zがどんだけふともも好きかってことについて

などなど。他にもいろいろ面白かったが寝たら忘れた。

えー私も当然のようにマイルス本読了しておりませんが、菊地さんの言ったケースのひとつとして(解りやすい…)ローザスんとこは読んでて、ここはもう腹がよじれて大変だった。よくもまあこんだけ……(笑)元々は代原としてのものだったそうですが、「〆切りが迫って切羽詰まれば詰まる程ああいうのが書ける」と言うことでしたあっはっは。痛快な頁。



2008年04月27日(日)
『トゥーランドット』楽日とか

盛り上がりましたねーいい楽日でした。カーテンコールでアーメイが舞台監督さんを袖から引きずり出してきたのにウケたー(そしてお辞儀をして逃げるように帰ったのにもウケた)。出演者も多く、段取りも多く、装置デカいし転換も多い作品だったので、裏方さんも大変だったと思います。キャスト側も頼りにして、感謝してたんだろうなあ。それこそ袖から引きずり出す程に(笑)

やっぱり裏方さんって大事だなあとしみじみ思った公演でした。おつかれさまでしたー。

まあ多少思うところはある訳で…豪華であればいいと言う訳ではないんだろうとか。ハコの問題とか。いちばん気になったのは歌い手にとってハードルを高くしたと言われる楽曲のこと。曲が難しい以前にキーが合ってなさげなひとが多くて…どんなに努力しても出ないもんは出ないだろと言う。がんばりゃ何でも出来ると思うなや…出来ないものは他のアイディアでカヴァーすればいいんだけど、そんな余地がないと言うのもどうかと……。曲自体は好きなものも多かったですが。新作で、あのメンバーで唄うことが分かっているのに(勿論各自の声域も分かっている筈)なんで?とどうにももどかしいと言うか疑問に思ったところもありました。アンサンブルはとてもよかった。

他にもいろいろ突っ込みたいところはあるのですがー、しかしそれをあのエンディングで見事に昇華してしまう力はすごいと思った。あのエンディングは本当によかったなあ。清々しい気分で劇場を出られるし。

****************

■『しおこんぶサマサマ! ―調味料としてのあたらしい使い方』塩昆布フリークの会
呑み屋で食べた、キャベツちぎったのと塩こんぶ和えただけのサラダがうまくてうまくてそれ以来塩こんぶにハマッたものの、レパートリーが拡がらないよーと思っていたところこんないいものが!パスタとかうまいでよ!あとキャベツ(相性いいのね)と梅と豚肉重ね蒸しにしたやつとか(本ではレンジでやってるけど土鍋に敷いて蒸してもうまい)。
しかも簡単なんだ…塩こんぶ自体にだしが入ってるようなもんだから、下ごしらえとかいらないんだ……。なまけものには便利なものですよ。
しかし大量に食べると後でモーレツに喉がかわきます。気をつけよう(自戒)
(追記:間違えた、本に載ってるのは豚肉、梅、大葉、かぶの重ね蒸しだった。かぶをキャベツや白菜にしてもうまいのです)

■そんで
相変わらずスンドゥブは外でもウチでも食べています。MIOさんに手作りタテギ(スンドゥブのもとみたいなの)売ってるお店教えてもらった。今日はそれで作る。
ここのデリカ部門。キャラクターがかわいいー。
タテギ作りは追究し甲斐があるんですが、じっくり炒めるのが面倒、すぐ食べたいんじゃー!て時は市販のがあると便利ー

■それにしても
れいさんのめし日記が毎回うまそうでうまそうで



2008年04月25日(金)
『ねずみ男』

青年座『ねずみ男』@本多劇場

パンフレットによると青年座には21歳から84歳迄の座員が在籍しているとのこと。これだけ幅広い年齢層がいると、書く側としては登場人物に制限を設けず書くことが出来る。プロデュース公演ではないので、出演者が既に決まっていることもない。

とはいえ、その制限のなさは、自分の得意技や作風を封じる懸念もある。例えば年齢が近い男優ばかりの劇団の座付作家は、「硬派な男芝居が得意」と言った「得意技」や「作風」だ。その枠が取っ払われることは、新しい可能性を見出す筈だが、逆に言えば“手癖”では書けなくもなる。

『ねずみ男』は、幅広い座員を擁する青年座と言う劇団に書き下ろす、と言う明確な狙いのもと、劇作家の色はどうしようもなく舞台上に溢れていた。赤堀雅秋はプロフェッショナルな劇作家だ。以下ネタバレあります、未見の方はご注意を。

一昨年青年座に書き下ろした『蛇』同様、家族の物語。しかし今回は妻が不在だ。スーパーで万引きをして店員に捕まり、警察に突き出されることなく家に帰された夜、住宅の屋上から飛び降りた。夫・稔はその妻を捕まえた店員を3年間つけまわし、妻の命日の前日に誘拐して自宅の部屋に監禁している。誘拐を実行したのは稔に好意を持つ近所の男・片岡。妻の命日の8月10日はとても蒸し暑く、店員を縛ったガムテープは汗でとれてしまう。しかし店員は逃げる気配がない。稔は、妻が飛び降りた21:22に店員を殺して自分も死のうと思っている。

家を出て行った娘が身重になって帰ってくる。荷物を運び出すためだ。稔が営む自転車店で働く石井は、折り合いが悪くなっている父娘の仲をとりなそうとし、同時に店員を助けようとし、稔を止めようとする。家にはボケかかっている稔の父がいる。稔は時々夢とも現実ともつかない、妻との最後の1日の光景を何度も目にする。

いつもの通り9割以上会話で進む。しかし自分の劇団に書き下ろす時とは違い、共通言語を極力なくそうとしている。はっきり言葉にしている。「とっても恥ずかしいことを言ってもいいですか」、とちゃんと登場人物に喋らせる。登場人物は自覚しているのだ。この言葉を臆面もなく平気で口に出せるひとは厚顔無恥なのだと。しかし言わずにはいられないのだと。そこ迄追い詰められている。「生きろ、生きろ、生きろ」と言いたかったのに言えなかったのだと。THE SHAMPOO HATではその気配をさせつつも(羞恥心が強過ぎるあまり口に出せないままの人物が多い)行動は突然のことが多く、それがカタルシスをも感じさせるものなので、この辺りは意識的に書いたのだと思う。親切でもある。

妻と店員の名前は同じ「キョウコ」だと終盤に判る。ふたりは「お友達」だ。店員は妻が万引きをしたから捕まえた訳ではなかった。「このままどこかに消えてしまいそうだったから」心配になった、そしてそこに自分を見たような気持ちになって手を伸ばしたのだ。店員のキョウコは生きて家を出る。稔は生きる道を選ぶ。

鼻っ柱の強い娘が、両親の交換日記を茶化し乍ら読み上げる。「今日のお昼は何がいいですか」「ナポリタン」「長崎屋で梅にんにくを買ってきてください」「トイレで煙草を吸わないでください」…ふたりがけんかをした時に、チラシの裏を利用して書いていた伝言メモだ。強気で、「こんなことで動揺しないから」と言っていた娘が泣き出す。家に帰ってきた時は母親のことを「松田京子さん」と呼んでいた娘が「お母さん」と口に出す。

どんなことがあっても赤堀雅秋はこちらに手を伸ばす。「とっても恥ずかしいことを言ってもいいですか」、“こちら”とは“希望”のことだ。

今自分が持つ身体=年齢、外見を活かした出演者皆が素晴らしかったです。長い脚を小さく小さく折り曲げて体操座りをする山本さんの姿はしばらく忘れられそうにない。稔の父親が言ったとおり「忘れることは人間の特権」なのだろうけど。

****************

■それにしても
2作連続で(『東京』は改訂再演なので)妻が不在の話なんだよね…やっぱりいろいろ考えてしまいますよ……それを簡単に反映とは言い難いが

■そんで
またプリンが出て来ました(笑)



2008年04月24日(木)
いろいろ

■昨夜の『週刊真木よう子』
すごくよかった…(「中野の友人」)クレジット見たら脚本が赤堀だった!いやー好きだ好き過ぎるあかほり。誰が書いたか知らないまま観ていたが(原作はいましろたかし)!
そして台詞がないところがまたよくて…演出は山下敦弘監督。あー!(納得)デコラティヴな真木さんもいいけど、シンプルな格好で少年みたいなルックスの真木さんもいいな。雄弁な無表情と無感情の目ぢから。そのびみょ〜うな変化を繊細に捉えるカメラ。それは井口さんの表情も同様。横断歩道のラストシーンはもうもう素晴らしかった!エンドロールに切り替わる直前の一瞬音が消えるような間とか、絶妙!

■あかほりといえば
明日『ねずみ男』観に行くんですが、数日前新聞に主演の山本龍二さんのインタヴューが載っていて「稽古初日に届いた脚本は全体の1割」だったとバラされていた(笑)あかほり……

■で、
先日井上ひさしの遅筆について語り合っていたんだが(某劇場は1日キャンセルすると損害額が1,000万とか)「劇作家は『初日迄にあげられませんでした。延期させて』と言うのが通るけど(まあ通らないこともあるけど)役者は『初日迄に出来上がりませんでした。延期させて』って通らないよね」と言う話になり。役者ってやっぱり超人じゃないと務まらんなあと…。山本さんも「先がわからない方が面白い」と楽しんでるようでしたし。さてどんな仕上がりなのか楽しみです

■勿論
作家にかかるプレッシャーは想像もつかない程のものなのでしょうけどね…今となっては何故彼がそうしたかを知る由もないが、そして書けなかったことが原因だったのかも判らないが、3年前の4月に亡くなった劇作家のことを思い出した

■NINの新曲が出たぞー
ここにメルアドと郵便番号を入力すると、ダウンロードサイトのアドレスとキーが届きます。フリー配付。
リミクスサイトの方には既にマルチトラックも公開されています。
「Only」ぽいな。ドラムの音に特徴がある、『WITH_TEETH』辺りな感じ。
で、ダウンロードしたデータには「5月5日にnin.comに来てね」とメッセージ。新譜かな?ツアーかな?歌詞テキストも同梱されています

■と言えば
iTunesから直接購入した楽曲、ちゃんと歌詞情報入れるところあるんだからテキストデータ入れといてほしいけど入ってないよねー。邦楽はまだ買ったことないからわからんが、洋楽はほんと入ってない。まあ洋楽はパッケージ版にも歌詞カードないことも多いが。
CD読み込んだやつならまだしも、直接データを買っているのだからそういうのも付けてほしいー。パッケージがないのだからそれくらいしてほしいーと常々思っていたのですが、そういうコマかいところにもトレントさんは手が行き届いてますな。やっぱ性格……(笑)



2008年04月20日(日)
『ザンジバルナイト in 野音』

『ザンジバルナイト in 野音』@日比谷野外大音楽堂

「加齢臭漂うイヴェントにようこそ〜」とボーズが言ってましたが若い子もおったでよ。遠足気分でおやつを買い込みまったり6時間のイヴェントです。ナイトと言っときながら真っ昼間にスタート。セットチェンジの流れがよく退屈しませんでしたが、個々の演奏時間が短かったのはちょっと残念。エンジンかかってきた!と思ったら終わりなんだもん。でも普段はなかなか観れないであろう編成や演奏が盛り沢山で面白かったです。

序盤は数珠繋ぎ気味。ハマケンがシーケンサーとサンプラーの押し語りをした後星野くんが出て来て弾き語り、ハマケンに帰らないで後ろで踊っといてよとか言う。ハマケン踊る。ちょうキモい。星野くんいい歌唄ってるのに、どうしても後ろのハマケンに目が行く…耳は星野くん目はハマケン。素敵な歌を聴き乍らキモいダンスを観る。拷問だ!そんなことやりつつ本人「星野のファンに、ブログに『ハマケンいらない』とか書かれるんだ」と気にしていた。よく解っている。

そんなハマケンも見慣れてくるとキモ格好いいと言う新しいジャンルの開拓者としてかわいらしくも見えてきます。ああキモい。そして自分の出番後は関係者エリア(近かったのでよく見えた)でマメに他アクトを観たりデジカメ撮影したり寄って来たファンにニヤけつつ気さくに対応するいいヤツでした。キモいー(復唱)

星野くんが「川辺さんに『ハマケンの後は焼け野原になってるから』(復興して)って言われた」と言っていてウケたー。もっと焼け野原になったような気がしないでもない。「(eyの)吉野さんと作った」って曲がよかったなー。でももうそれにはハマケンの変な踊りがヴィジュアルとしてくっついて来ます。どうしてくれよう。

で、キモいハマケンと入れ違いに中納良恵さんがやってきて、星野くんと「スーダラ節」のデュエット。すっっっっっげえよかった!声マジック!星野くん退場後は中納さんの弾き語り。1曲目にやったループとディレイ使ったひとりリアルタイムアカペラはすごかったー。使ってる機材や操作はハマケンとさほど変わらないだろうにこうも違うとは!(この日のハマケンはいじってこそなので存分にけなします。これが愛情に変わる時も来るかもよと期待すればいい)いやーこれは鳥肌ものでした。天からの贈り物声だな〜。

そんで同じく天からの贈り物声の持ち主ハナレグミ。変則編成で、永積くんと、ブルースハープの曽我大穂さん、タップに熊谷和徳さん。タップがリズムセクションなのです。よかったー面白かったー。

スライマングースが登場すると和みの場は一転、ド硬派!永積くんヴォーカルの「ハンキーパンキー」格好よかったーうひーん。

ソウルセットはアッパーセットな上、ヒロシくんが出てきた途端に拳を突き上げて手を振りビッケは走り回りビッケと俊美の衣裳がお揃いで(そもそも揃いの衣裳て!)おわっなんじゃこりゃ!と思ってる間に終わってしまった。酒止めてアクティヴになったねービッケ。ワンマン楽しみにしてますよい。

峯田くんもよかったー。体調崩してライヴをキャンセルしたばかりだったそうで心配でしたが歌はよかった。声がガラッとなっていたけどそれもよかった。

SDP久々に観たけど今はロボ宙を加えた3MCs+1DJ編成なのね。新曲「ライツカメラアクション」がすごくいい。シリアス顔のSDP。これはリリースされたらヘヴィロテだ。

オーラスは出た、ハローワークス!このメンツが集まっててやらない訳がない。「今夜はブギーバック」をやりました。え、LBネイション……!当たり前だがオザケンは不在。きっとこれからもずっと不在。

9miles、ままどおるず、みうらじゅんさん、ムードパンクス、幕間の(苦笑)ゾノネムも面白かったです。思えばはなちゃんはスライマングース、ムードパンクス、ソウルセット、ハローワークスと4つも掛け持ち。おつかれさまでした。



2008年04月19日(土)
『49日後…』

『49日後…』@PARCO劇場

古ちんと成志でやりたい芝居やろうぜ〜シリーズです。今回成志は演出兼任だったので、ちょっと出番が少なかったかな。以下ネタバレありますので未見の方はご注意を。

脚本はデス電所の竹内佑さん、大抜擢だったのではないでしょうか。古田さんの推薦だったそうですが、ホント古田さんて芝居観てますよね…若手も常にチェックしているし。竹内さんのテイストを活かしつつ、出演者の個人技も堪能出来る面白い舞台でした。悪ふざけギリギリの部分もありましたが(笑)「ギリギリ」ってところが大事ですな。締めるところはきちんと締めます。

ご紹介頂いて過去何度かデス電所は観ているのですが、ひきこもり、オンラインでしか生きている実感がない、人間とコミュニケーションをとるのが苦手、監禁、家庭内暴力と言ったモチーフは頻繁に出てきていました。ミステリ仕立てで謎解きの構成にしたことで、今回そのモチーフがよく活かされていたように思います。ひとが亡くなった場所を清掃して片付けると言う職業に着目したのも効果的。どんな霊よりも、どんな超常現象よりも、いちばん怖いのは生きている人間ってことです。でも今回の話は、それにも理由があったってところが悲しかったな。兄の人格はあんまり知りたくないが。しかしそれは考える余地を与えないように描いているんだと思います。兄の心情は竹内さんがいちばん理解しているのではないだろうか。

ストーリーは正統派でしたが、これをここ迄笑えるものにしたのは役者陣の力。しかも皆さん自分の持ち芸をよくわかってらっしゃる(笑)ハイテンションバカのオカマ=成志、むちむち美肌ボディは嬉々として晒す=古ちん(なんか最近PARCOでは古田さんの裸ばっかり観ている気がする…)、大柄の天然=松重さん、ウザい=八嶋さん。しかし全員が本気出すとマジで怖い。一触即発の緊張感が常に舞台上にありました。これくらいの人数で、実力のある役者がぶつかる舞台はやはり楽しい。そんな魑魅魍魎に囲まれた小田茜さんも健闘。ガラス割った時スカッとしたわ(笑)

個人的には久し振りに松重さんを舞台で観られたこと、その役柄が落ち着いた影のある天然だったこと、が嬉しかったです。

えーと余談ですが、風呂からあがった成志はタオルの下ノーパンじゃありませんでしたか(笑)前張りはしてたのかも知れないが。そういうことPARCOでも平気で(と言うか故意に)やりそうなところ大好きですわ。アホだな〜。

余談2。小田さんが「娘」に電話してる時、古ちんが後ろでごちゃごちゃ言うのは日替わりみたいですね…友人が観た時は中華の出前だったそうで、私が観た日はベトナム料理だった。小田さん半笑いになってた。なんか久し振りに小劇場な芝居を観られて面白かったです、それをPARCOってハコで観られたのもな!



2008年04月18日(金)
METROFARCE『春雷のわななき』

METROFARCE『春雷のわななき』@O-WEST

カ●ここ迄降らさんでも
サ●ほんっと雨男だよね
カ●ホントに砂漠でライヴをすればいい
サ●律儀に毎回
カ●バカボン来てた
サ●え、そうなんだ
カ●バカボン来てるし、ベスト選曲だし。まあこれは新譜も出てないからいいんだけど、エラいやる気だし。アレンジ変えてるの多かったし
サ●「譜面台があるなんてロックバンドじゃないよね」(笑)自分で言うな
カ●間違えて相談してやりなおしするし
サ●秋にまたライヴあるって言うし、メトローマンスホテルもあるし、いつになくハイペースだよね
カ●やっぱりHONZIのことがあったからかななんて思っちゃうんだよね…
サ●うん…19年前の芝浦インクのライヴ映像出てきたって言ってたじゃん。それ多分私行ってるんだけど
カ●ははは!いいな!芝浦インクつったら『鉄男』公開記念イヴェントやって、筋少とばちかぶりとメトロがライヴやったね(笑)
サ●あったね〜(笑)で、そのライヴってさ、確か三原重夫が辞めますって時で、「三原くんはスターリン高校に転校しま〜す」つったんだよ(笑)
カ●ふはははは。思えばなんで三原さん、メトロにいたんだろう(笑)
サ●で、その時はそんなに応えてなかったっぽかったけどさ、すぐバカボンも辞めたじゃん。それから結構活動出来ないって言うか…動きづらくなってしばらくお休みしてる感じになったでしょ
カ●ああ…ガンちゃんベースにコンバートしたりね……。今日「帝国狂乱」やったでしょ。今日は当然ガンちゃんが弾いてるんだけど、うわあバカボン!て思うフレーズが端々に
サ●あっそれ思った!バカボン辞めたのはやっぱり痛かったなあって
カ●横川さん抜けた時もキツかったしね…でも横川さん辞めなかったらHONZIがサポートに来ることもなかった訳だし
サ●うん……メリィさんとガンちゃんとヨタロウでメトロって感じではあるけどね
(HONZIのディープな話に)

サ●やーでも長いこと観てるなあ。細々とかも知れないけど(笑)こんなに長く観てるのってあんまりないわ。あとは解散しちゃったりしてるし
カ●なんかさヨタロウさん丸くなったよね(笑)
サ●ははは!客に優しくなった!前はあんなこと言うひとじゃなかった!(笑)
カ●やたらと「『ファントム』観て今回初めて来たひといるかな〜」とか新規のお客さんを意識した発言が
サ●やー、確かに『ファントム』のよっちゃんはよかったからね…でもさ、あの歳であんだけ動けて声もすげー出てたじゃん。「『ファントム』で低いキーでばかり唄ってから声が低くなっちゃって」なんて言ってたけど高音もすげー出てたじゃん。あれは絶対影で努力してるよね。ジムとか行ってんじゃないの。前はそういうの嫌いだったじゃん!「あんな箱の中で身体を鍛えるなんてさ」みたいなさ!
カ●あはははは、いやでもホント声出てたね、すげー。でさ、やたら今後のリリースについて希望を募ったりさ、アンケートもちゃんと書いてほしいから撤収するって早く追い出したりしないでねなんてライヴハウスのひとに言ったりして…いや、あのね、今日バカボン来てるし、やたら健康について話すし、HONZIのこともちょろっと話したしで……「誰か具合悪いの?」なんて思っちゃって。もう最近すんごいそういうの気になる!(泣)
(上田現のディープな話に)

サ●あれくらいの歳になってくるとどうしても「残り時間」のことは意識するようになるよね。でもまあ今日観た限りではよっちゃんは元気そうだった
カ●そだね。そういえば『道元の冒険』の音楽ヨタロウさんなの?知らなかったよ、ビックリした!蜷川さんとの仕事かよ!
サ●迷ってたんだけどやっぱり行こうかなあ
カ●ねー。7月でいろいろ立て込んでるけど何とかねじこみたい

「さまよえる楽隊」大好きだ〜。最後にやってほしかったのでドンピシャ。嬉しかった。



2008年04月17日(木)
『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』2回目+小ネタ

『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』@新宿FACE

そんな訳で立ち見でリピートです。ここがリキッドだった頃は関係者以外立ち入り禁止になることが多く、くう〜あそこに入れればすっごくよく見えるのに!と歯軋りしたエリアだった。わーいすげえよく見えるよ!嬉しい!

それにしても山本ヘドの生きっぷりは本当にすごい…こんなん毎日やってたら燃え尽きちゃいそうだよ、肉体的にも精神的にも。危うくて繊細な仕事だなあ。勿論舞台としての段取り等はありますが、『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』って舞台作品の公演じゃなくて、ヘドとそのバンドがこの期間FACEでライヴやってるよ、って状態になっているような錯覚すら起こる。ヘドもイツァークもフリーなところが多い。今回初演にはなかった、イツァークが1曲まるまる唄うパートがあるんですが(こーれーがーもうたまんねーぞ!)、その間ヘドが「けっ」って感じでステージから降りてフロアをうろうろしてるのがおかしい。イツァーク扮するルーサーも日々変わってて、それに対するヘドのレスポンスも面白い。

ドイツ人とユダヤ人の生き残り、のシーンは何だかデジャヴュ感があるんだよな…何だろう。あれは誰だったかな。ふたりですみっこに小さくなって座ってる、世界にいるのはふたりだけ、みたいな。今回のイツァークはとにかく強い。抑圧に対しての歯の食いしばりが見えるよう。それがヘドとの意地の張り合いに見えたり、ヘドを守るおおらかさにも見えたりと、「見えない部分を見せる」効果になっているように思います。

それもあって最後のあのトミーとの歌のとこは、すごい高揚感があるけど同時にゾッとする程の寂寥や孤独も感じる。初演の時大好きだったと同時に寒気がする程寂しくて怖かったラストシーンの暗転も。

あーあーこのキャストレコーディングのサントラ出ないかなあ。

ステージにいる山本くんはヘドにしか見えないしこっちも入り込んで観ているんだが、10cmヒールでうろうろしているヘドが段差で一瞬ガクッとなった時にはヒヤッとして我に返った(しかしそこで酔ってるんで〜て雰囲気を仕種で表現するプロ魂にも脱帽)。山本くん腰痛持ちだそうなんでキツいだろうな。今回マチソワ連続公演はないけれど、疲労は相当なものだろう。6月のファイナル迄続きます。お大事に!

****************

■これもサントラ出してほしいけど
更新され続けていくものなので、ステージで聴き続けるのもいいかと。歳とらない人間はいないもんね。
深沢桂子さんのブログで、これ迄の『VIVA! Forties』の動画が観られるようになっています

■英米くま対決
フーファイメルマガより。
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Manic Street Preachers Added as Special Guest on Manchester Show!
Manic Street Preachers will support the Foos at the June 2nd City of Manchester Stadium show in Manchester, UK! Tickets are on sale now.
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いいな〜

■くまといえば
『くまとやまねこ』湯本香樹実、酒井駒子
うえーん(泣)
酒井さんの『よるくま』大好きなんだけど、『ビロードのうさぎ』はちょっと絵が怖いな…と思って手をだしそびれていたところこれが出てました。怖い方の絵柄だったんだけど、それがまたいい…。
こどもにはおっかない絵かも知れないが手元に置いておくといいんでないの…トラウマになるかも知れないので保証は出来ませんが。遺されたひとはこんなに悲しむものなのね、その周りのひとはそのひとにどう対応すればいいのかね、そして喪の仕事ってのはこういう段階を踏むものなのねって学習は出来るのではと。で、学習は出来てもそれにはきっと慣れることはないだろうってのも。
つうかやまねこがちょう格好いい。惚れる

■どうぶつつながりから
ごはんつながりに(笑)
羽海野チカさんの『3月のライオン』、よしながふみさんの『きのう何食べた?』も読んでると食生活描写に交流がある感じで面白い。底値!(笑)

■うはは!
鈴木さんのレヴューがジュビリーのマイスペに掲載されてる!グッドレヴュー言われとるで。
ブログ記事『New "Press" section added to the photo albums + some news』てとこの「Click HERE to head on over to the new "Press" photo album.」のリンクを踏むと、『Press from Japan's "Rockin' On" magazine. A review of the Rebel Hiss single.』てのが出てきます。リンク部分はログインしないと見れないとこなんで、ID持ってるひとは見てみてください(笑)日本語わからんーてコメントも付いてるんで誰か英訳したって!

■The NIN Hotlineに
『THE FRAGILE』のジャケ弁が紹介されてる。「NIN」でサイト内検索すると他にもいろいろ出てきます。『broken』『the downward spiral』弁当もあります。
このブログ、以前レイジ弁当があるよ!と教えてもらったとこだ…すごいですよねー。
「bento」て単語は英語圏でも通じるものなの?



2008年04月16日(水)
Jubilee Interviews

元イカルスラインのメンバーで、昨年はNINのライヴメンバーとしても来日した暴れん坊ギタリスト、アーロン・ノースの新バンド=ジュビリーのインタヴューが鈴木喜之さんのサイトにアップされています。本邦初、しかも全員インタヴュー。有料版無料版があります。まあ、試しに有料版踏んでみてくださいよ(笑)危険なことはありません、保証します。真顔でユーモア。でも肝心なところには勿論賛同します。格好いいですな!

インタヴュー本編でトラヴィスが語っている、インディペンデントレーベル運営の今後はとても興味深いものです。マージンを発生させずに全て自分たちで動かせる、と言うのはパンクのDIY精神を上手に使えるものですが、それが村社会にならないかと言う懸念もある。門戸を広く開きつつ、その負担をどれだけ可能性に変えられるか、不安乍らも楽しみなことは多いです。

それにしても、イギリスの秋田と呼ばれるグラスゴー(「秋田は日本のグラスゴー!」って誰が言ったんだっけ。NME?トモ平田?「新潟は日本のマンチェスター!」「静岡は日本のデトロイト!」)でお披露目ライヴをやったのにはそういう理由があったのか…インタヴューでも端々に警戒心が窺えます(苦笑)面倒くさいよね、そういうの。しかしなんつうか、昨今の「周りがうるさい」ってのはwebの発達に伴い絶対付いて来る=本人の耳に入る環境が整い過ぎているものなので、それに付き合って行くのはタフな作業だと思います。うまくバランスとれるといいね。

そしてどうでもいいが「アメリカではシャーラタンズなんて誰も知らないから」発言にガーン(笑)ティム今L.A.に住んでるのに!…と思ったが、あれこれひょっとしてアメリカのシャーラタンズ?と思ったり。でも新譜を無料ダウンロードで配付したのはUKの方だし、文脈からしてこっちでしょう。てか誰も知らないって言うなー!(笑泣)



2008年04月13日(日)
FOO FIGHTERS

FOO FIGHTERS@幕張メッセ国際展示場

はんにゃーすっかりスタジアムバンドみたいな貫禄ついてたー。ここ数年UKですっごい人気出てデカいとこばっかでやってるもんなあ。こんな感じ。



日本ではいつもあまり埋まらないので(何故だ!)来てくれなくなったら寂しいようと思っておりますが、フーファイはどこでも「絶対楽しませて帰らせまっせ!」みたいな大阪芸人魂を発揮してくれます。大阪出身じゃないけど。

で、こっちもいい大人なんでおとなしくじっくり観よう〜前怖いしね、レイジのトラウマがね、いやフーファイでも骨折したひと目の前で見たことあるよ!怖い怖い、なんてにゃむさんと話してたのに、始まったらふたりとも前につっこんでしまい散りぢりに…その自分の反射が怖いわ…アホだわ……。気付いたらすぐ目の前に柵がありましてん。あれ?て感じ。近くにデイヴが寄ってきたらきゃー!と両手を挙げてしまった後我に返ってそんな自分に笑ってしまいましたよ…何この反射…いぬ並……。すごいなーフーファイ!(バンドのせいにする)

A1ブロックだったので近い近い。でも端っこにいたから花道(!)があるって気付かなくて、オープニングでデイヴがひとの頭上をす〜っと歩いて行くのが見えて「ええ!?ナウシカ?」と思ったら花道でやんの。ビックリだ!もともと花道がなくてもフロアの遠く迄行ってしまうひとですが。花道の突端でギター弾いて、ステージにいるクリスとソロ合戦したりなんかして、こういうとこがおお〜スタジアムでやるハードロックのひとみたい、大きくなりましたねえと思ったり。テイラーのドラムソロがなんかフュージョンのひとみたいになってて(高音チューニングのタムが沢山あるんだよね。そのちょっと前にあったメンバー紹介で、Keyのひとがジャズげなフレーズを弾いたらデイヴがそれを「ファッキンジャズ(笑)」って言ったのでなんつうか皮肉っぽく感じて)面白かったりしました。

フロアは女の子も多かったし、アホ暴れするひとも少なくおお皆いいヤツに見える!と言うフーファイマジックでいい雰囲気。で、若い子も多いんだー。デイヴが「初来日観てるひと?」て訊いたのでハーイ!なんて手を挙げてしまったら(反射)周り誰も挙げてなくてこっ恥ずかしい思いをしたが、なんつうかそれも嬉しかったりしましたよ…どんどん聴き継がれていくといいよ。

しかし続けてデイヴが「初来日の時はショウ前にいつもユンケル飲んでた〜」とか話したんですが、あっそれミュージックライフの記事で読んだよ!と思い出してしまう辺り隔世の感が(笑)そんで帰り道「ミュージックライフってそういう裏話とかオモロ記事よく載せてたね〜」「休刊前は迷走してたよね〜」「サイズもころころ変わったね〜」なんて思い出話をした(笑)初来日から13年。早いものですなあ。

隔世の感と言えばデイヴが「とーっても古い曲だよ」と始めた「Marigold」はおわーって感じでした。基本バンドの4人で、曲によってG=パット・スメア(うふふーうれしいー)やKey、Perc、Vn=初来日ジェシー・グリーン(かわゆい。男性客に大人気(笑))等のサポートも参加、総勢8人の演奏陣。前回のツアーでは別々のショウでやった、アコースティック+エレクトリックセットが一挙に観られる構成。「Marigold」はニルヴァーナ時代の曲ですが、いやはやなんか…やっぱ曲がいいんだな。どんなアレンジにもすんなり馴染む。感慨深くもありましたが。

クリスが参加してからギター多くてもいいもんだな、と思うようになりましたが、もともとの曲の人なつこさに加え、根っこに強靱なものがあるんだろうな。どんな構成でやっても楽しいしグッとくる。それには勿論、デイヴの歌の力もある。

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セットリスト。マジソンスクエアガーデンと全く同じだったかな。

01. Let It Die
02. Pretender
03. Times Like These
04. Breakout
05. Learn To Fly
06. Cheer Up Boys
07. This Is A Call
08. Stacked Actors
09. Skin+Bones
10. Marigold
11. My Hero
12. Cold Day in the Sun
13. But Honestly
14. Everlong
15. Monkey Wrench
16. All My Life
encore
17. Big Me
18. Long Road To Ruin
19. Best Of You

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前回武道館でのライヴの1曲目で、遅刻したので(泣)逃した「All My Life」をフルで聴けて嬉しかった。「This Is A Call」「Stacked Actors」「Skin+Bones」の流れはよかったなー!

また来てねー。フーファイとは一緒に歳をとるぞ!じじいになったデイヴが声が嗄れても唄うのを、ばばあになっても聴き続けていきたいものです。

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■余談
鍵付き傘立てがないかも知れないから、なくなってもいいようにビニール傘(目印つけといた)持参したら案の定ここらへんに置いといてって状況で、あーこりゃきっとダメだな〜と思ったのにちゃんとあった。あーフーファイのファンは皆いいヤツマジック!

■余談2
スマッシュ仕切りの割に入場がエラい手間取ってましたね。なのに開演はキッカリ定刻通り。おいおい

■余談3
本編前ジェーンズ・アディクションがかかってたー

■余談4
何故デイヴは胸毛にこだわっているのだろう(笑)



2008年04月12日(土)
『I LOVE THE MODERN WORLD』『どん底』

STANLEY DONWOOD『I LOVE THE MODERN WORLD』@東京画廊

レディオヘッドのアートワークを長年手掛けているスタンリー・ドンウッドの個展。3セクションで手法はスクリーンプリント、エッチングとその銅版(凹の方)、アクリル画、ミクストメディア。

エッチングと銅版は対ではなく、別々なものが展示されていました。つまり、紙に刷られたエッチングの銅版の展示はなく、額装された銅版作品には刷られたものがない。銅版があるとどうにも刷ったものも観てみたい欲求にかられるのですが、これが不思議な喪失感を感じさせる魅力になっていたように思います。どちらも緻密で面白かった。刷られた方に「SALARYMAN」と言うタイトルのものがあったのですが、これは日本での展示だから、なのかなあ。

個人的にはアクリル画のセクションがいちばん好きでした。全て2008年作。今回の展示用の描き下ろしかな?会場で配布されていたパンフレットにも、このシリーズがメインで掲載されていました。吸入器のモチーフって昔からよく使ってますよね。『THE BENDS』の頃からだから…結構長いなあ。でも以前見た同じモチーフ採用の作品とは違い、フォーカスも色使いもハッキリしたヴィヴィッドなものでした。
(帰宅後気になって検索してみたら、ドンウッドは子供の頃喘息持ちだったとのテキストが見付かりました。生涯通じて興味を持ち続ける、馴染みあるものなのかも知れません)

トム・ヨークのソロアルバム『THE ERASER』のジャケットアートもありました。ジャケットとは違う、墨と金色の2色刷り。ちょっとゴージャス。ギャラリーですから販売も行っており、これがいちばん売約済みのシールの数が多かったです。雑居ビルの7階にある小さなスペースには、ひっきりなしにひとが訪れていました。エレベーター動きっぱなし(笑)

ご本人も来日されているそうですね。まだいるのかな?以前あまりにも裏方に徹していたので、スタンリー・ドンウッド=トム・ヨーク説ってあったなあ(笑)見ている風景は似ているのでしょう。それを音で表現するか画で表現するか。

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『どん底』@シアターコクーン

「『わが闇』で生きることを肯定しちゃったからなあ…」とインタヴューで答えていたケラさんですが、思えばこれ迄全滅ものの作品多かったですよね。『すべての犬は天国に行く』とか『消失』とか。その流れから思うに、今回『どん底』を演出したってのはなんだか納得の流れだなあ。狙ったことではないのかも知れないけど。

ひとの命がどれだけ軽いか、しかしその軽さにはどれだけのひとの思いが含まれているか。そしてああいう状況の中でも、「シマウマ一族とライオン一族」の恋愛が成就したことにほんのちょっと救いがある。それが役に立つかは判らないが、それでもそこに笑顔が生まれる。

それにしても美しい台詞が多かった。「あの世はこの世の休息所だよ」。そしてどん底には音楽がよく似合う。音楽には笑顔を誘う力がある。パスカルズの音楽よかったー。公演期間の前半後半で演奏メンバー変わるそうです、両方聴いてみたかったなあ。

役者陣は充実、皆さん達者な方ばかり。今回2階席の後ろから数列、と言うような位置で観たのですが、風や雨の音響がかなり大きい中でも皆台詞が通る通る。舞台が2度目の江口さんですら、です。池谷さんなんて死にかけてる役だからとても弱々しい声を出しているのにしっかり台詞は伝わるんだなー。単に発声技術だけの問題じゃないと思う。本来これがあたりまえだと思いたいんですがね…。いいカンパニーです。そして大森さんがサックス吹けるのは知ってたが、段田さんがフルート、三上さんがサックス吹けるの初めて知った。すごいー。

マギーがいいアクセントになっていました。ブレーキにもなりアクセルにもなり。山崎さんはああいうアホの子のふりしていちばん危ういものを背負っている役をやると輝くひとだなあ。黒田くんはアホの子そのものだったなあ(笑)段田さんの巧さは言う迄もなし。

演出は手堅いと言うか、ケラさんの得意な部分をそつなく使った印象でした。もっとすごいこと出来るひとなのになあ、もうちょっと時間があればなあなんて思ってしまうのはファン故期待値も高いと言うことで。今回が悪いと言うことではないです。でも実際、ナイロンでの演出はズバ抜けてる感じがするので、外部でのプロデュース公演だといろいろ条件や制約が厳しいのかもな、とも思う。しかしこれだけのキャストを群像劇に使える贅沢さはプロデュース公演ならではのものなので、どちらがいいとは言えないなあ。難しいところです。

それにしても警察の前で女が激情にかられて真実ともなんともつかないことを口走って男がエラい目に遭う、てな流れは『カラマーゾフの兄弟』もそうでしたよね…ロシアって……。



2008年04月11日(金)
『スプリング春祭り』とか

YO-KING/男・桜井秀俊/真心プラザーズ『スプリング春祭り〜桜(井)前線北上中!YO(要)-KING(緊)急配備!!〜』@SHIBUYA-AX

長いタイトルだ…お誘い頂き行ってきました、有難うございますー。久し振りに真心観た。なんか元気出た。

YO-KINGのソロ、真心、男・桜井の順。遅刻したのでYO-KINGは3曲くらいしか聴けなかった。いい声ですねえ。なんつうか枯れ切って空っぽと言うか、邪気がないんだけどそれは無邪気のそれとは違うような。だからどう聴いても悲しいし、どう聴いても突き抜けてる感じ。真心パートはベスト選曲かっつうセットリストで、「スピード」とか「空にまいあがれ」が聴けて嬉しかった。「どかーん」迄聴けた。

で、男・桜井ってのは数年前から出来たコーナーらしいんですが(笑)今回それを前面に出してイヴェントにしちゃおうてな趣旨だったようです。男・桜井がセンター。男・桜井が男らしく唄います。で、「初めてライヴでヘアメイクが入った」とのことで、髪型も衣裳もビシッとキメて出て来たら失笑を誘うと言う面白いことに…。でもなんかそれも暖かいのね。「秀俊は出来る子!」と皆笑い乍らも思ってて、本編に入ると聴き入ってましたよ。でも何パーセントかはハラハラしてんの(笑)桜井さんもYO-KINGとはまた違ったいい声。男・桜井が唄う「BABY BABY BABY」はよかったなあ。

それにしてもおふたりともあんま変わらないなあ。40前後にしてシャツがインでノータックのパンツ履いてるのに腰回りの薄いこと。腹が出てないよ。これはすごいなーとか妙なとこに感心してました(笑)

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■がーん
帰りにザリガニカフェ行ってそこにYELLOWのスケジュールがあったんで持って帰ってさっき読んでたら、今!まさに!LOOPAやってる…9年振りだそうで。うわーん多分YELLOWでのLOOPAはこれが最後だ!(泣)

■で、
そこにBILLBOARD LIVE TOKYOのスケジュールもあったんで読んでたら、6月に石川セリさんのライヴがあるそうで、サポートメンバーが窪田晴男、横山英規、ASA-CHANG、エミ・エレオノーラ。うおおおい

■がーん2
新生ペペ・トルメント・アスカラール、デビューライヴは8月10日@日比谷野外音楽堂。対バンは東京スカパラダイスオーケストラ。サマソニと被った……

■『週刊真木よう子』
大根さんてTVでギリギリどこ迄やれるかってのをチンピラの手法でやるとこが面白い。で、何に影響を受けたかがよく見えるのも面白い。世代が近いせいもあるかな。たまにそれが鼻につく(笑)けど、同属嫌悪みたいなものかしらん。いや〜、これはいいわ。2話ともガツンと来ました。あと11話も楽しみ。赤堀のが特に楽しみ。スタッフもキャストも曲者揃いです。
何故か公式が2つある。
http://www.tv-tokyo.co.jp/makiyoko/
http://www.starchild.co.jp/shuukan-maki/

■『VIVA! Forties』VOL.4@スパイラルホール
2008年8月29日(金)〜8月31日(日)
これもエンドレスツアーな感じですな。深沢桂子さんのブログで発表になっています。
これで今年のスズカツさんが手掛ける演出作品は全部出たかな?



2008年04月10日(木)
クリスピンの話とか

■『MAYONNAISE II』HOWIE B, CRISPIN HUNT & WILL O'DONOVAN
いつの間にか出てたー。クリスピンは半分程ヴォーカルとってるかな。昨夜はこれに続けてLONGPIGS聴いてたんだけど、唄い方がなんだか穏やかになったように感じました。どっちも好き。
今のところiTunesとアナログのみの販売。CD出ないのかなあ。歌詞がかわいらしーと評されてるので訳詞はともかく歌詞が欲しいのね…そんな聴き取り出来ませんのでテキストでね……こういう作業も楽しかったりするのです。
あとやっぱり楽曲ごとの細かいクレジットが知りたい。バックトラックはHOWIE Bが作ってるのかも知れないけど、メロディーは誰がどうやってんのかなとか気になる。
やっぱり好きなアーティストの作品はパッケージで手元に置きたいなあ…ってアナログ買えばいいのか。でもウチアナログプレイヤーないんだ(泣)

■それにしても
上のサイトに載ってるレヴュー、調味料のマヨネーズに掛けたこと書いてるひとが多いのがおかしいな(笑)
でもあながち冗談でもなく、柔らかくて、ほの甘いけどちょっと酸っぱい、って印象は確かにあります。バックトラックも歌声も。今日みたいな雨の日に聴くのもいい感じ

■ところで
これ、MAYONNAISEってユニット名だと思ってたんだけど何が何やら判らなくなってきた。1枚目はiTunesのアーティスト名にMAYONNAISEって表示されるんだけど、今回はHOWIE B, CRISPIN HUNT & WILL O'DONOVANで出るのね。まあ単にこのユニット名じゃ誰がやってるのか判らんって言う理由からかも知れないけど(笑)

■で、そのMAYONNAISE
LUNATICWORKSてとこから出てんですが、クリスピンもそこ所属ってことになってるらしい。オフィシャルサイトも2005年に始めた筈のGRAMERCYのサイトもなくなってますが(苦笑)マイペースで活動されてるようでよござんした。
クリスピンのマイスペはこちら

■結局
GRAMERCYの音源ゲット出来なかったんだよなあ。その時の話はこちら
たま〜にeBayとかに出品されてるようだが、それを落とすのも癪だー。それこそmp3とかで散らばってるのかも知れないけどやっぱりパッケージでほしいんじゃー

■マヨネーズと言えば
最近これにハマッている。
加藤製菓のマヨネーズおかき
伊勢丹にあるので欠かさずストック仕入れてますよ。たまにないとうあーってなる。入荷する迄通いつめる(笑)

■阿佐スパ
やはり「あともうひとり」は奥菜恵さんでしたか。これは話題になりそうですねえ。長塚くんと伊達くんは『胎内』でも組んでますから、ここに中山さんがどう絡んでくるかが見どころで…といいつつチケットまだとれてないんだ(泣)



2008年04月06日(日)
『四月大歌舞伎』とか

『四月大歌舞伎』@歌舞伎座

夜の部、『将軍江戸を去る』『勧進帳』『浮かれ心中』。

先週狂言観た時に歌舞伎も現在を取り入れて云々てな話を書きましたが、正にそれ!なモダン歌舞伎と、一般的なイメージのド歌舞伎が同時に上演されていて面白かった…でも『勧進帳』も、初演時は能素材な上に能舞台を模した松羽目で、なんつう大胆な!と言われたんだそうです。そういう繰り返しで続いてるんだなあ。

『将軍江戸を去る』は地味ですがいい話だったー。彌十郎さん素敵ー。三津五郎さん格好いいー。終盤の書き割りと照明がすっごく綺麗だった。本当に川向こうにはあの街が…てなリアルさと、早朝の霧を思わせる柔らかいけどひんやりとした照明。

『勧進帳』の弁慶は仁左衛門さん、富樫左衛門に勘三郎さん、源義経に玉三郎さん。いやはや素晴らしかったです…3階席でも気圧された!仁左衛門さんの貫禄もすごいが、出た時点で大向こうと拍手が飛ぶ勘三郎さんもがっぷり組んでいた感じがしました。仁左衛門さんが相手だと勘三郎さんも若手の部類なんでしょうが、なんかもーバチバチっと火花が目に見えるような役者バトルっぷりで鳥肌たったー。何でも仁左衛門さんの弁慶を歌舞伎座でやるのは20数年振りとのことで、つれてってくれたタさんも「初めて観れたわ!本当素晴らしかった!私は仁左衛門さんは歌舞伎界きってのハンサムだと思っているの!素敵だったわ!」とめろめろでした。あーなんか背筋が伸びるというかシャキッとさせられるご利益があると言うか、観てるこっちがありがたいーと思ってしまうような舞台でした。すごかったー。

で、この時の左衛門勘三郎さんもめっさ格好よかったのですが、最後の『浮かれ心中』での勘三郎さんは出オチで笑われていた(笑)同じひととは思えん。井上ひさしの『手鎖心中』を歌舞伎にしたもの。売れない戯作者・栄次郎は有名になるために様々な茶番を仕掛けます。わざと事件を起こしたり、それを金払ってかわら版に書かせたり。最後は茶番の筈の心中がもとで命を落とし、ねずみに乗ってあの世へ旅立つ(画像)んだけどそれがむちゃかわいい…しかもちゅう乗り(ねずみのちゅうと宙乗りをかけている)……たまらん……3階席だったからすごい近く迄来たよ、ねずみに乗った勘三郎さん。かわゆい。てかホント勘三郎さんはディズニーがお好きですねえ。三味線とおはやしの「イッツ・ア・スモール・ワールド」の演奏に乗ってちゅう乗りだよ!紙吹雪とかまくよ!

しかし笑いの中にも「茶番は現実に勝てないのかねえ」「いや、茶番だって捨てたもんじゃない」みたいな台詞があって、こういうとこは流石井上ひさしだなと思ったりもしました。命懸けで芝居を書いてるひと、やってるひとってのは現実にいるものです。だからこそ現実を凌駕する演劇ってのは実際にあるんだと思います。

あと余談だけどちゅう乗りしてる時勘三郎さんが「澤瀉屋さん早く元気にならないかなあ〜(宙乗りと言えば猿之助さんなので)」と言ったり、七之助くん演じる帚木に栄次郎が「最近めっきり老け込んで!」と言われたりとしみじみするとこもあった。個人的にはねずみに乗って楽しそうにあの世へ行く栄次郎が上田現みたいだと思ったりした。さくらの美術も綺麗だった。苦しまないでこんなふうに死ねてたらいいのにな、そう思わせたかったところも現ちゃんにはあったんじゃないかなと思うので、後になって訳知り顔でいろいろ書いたり言ったりしてるあのひとやあのひとには本当に失望してる。

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■風呂で読むとおぼれる
と言われた意味を今実感している『電気グルーヴの続・メロン牧場 —花嫁は死神』。たすけてー!
新譜たまらんなーたまらんよ、ジャケも見慣れてくると違和感なくなってくるわ(慣れるのもどうかと)

■帰って来たぞ
ロビンがNINに。今思うと当時のあれって労災認定出来るもんなんですかね。
ケガに気をつけてーまあそんなトレントも当時のように暴れたりしないと思うが(笑)

■そういえば
ヘドウィグ初日、開演前に地震があったんだよ。旧リキッドで地震や火事があるとシャレにならんくらい怖いわ……だってあそこだよ!?(知ってるひと察してくれ)
しかしヘドがあまりにも素晴らしかったので終わった頃にはすっかり忘れてて、さっき思い出した



2008年04月04日(金)
『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』初日+MUTE BEAT補足

『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』@新宿FACE

身長約190cm(ヒール込み)の山本ヘドが新宿に帰って来たぜ〜。いやもうすげいよかった。感動したあまり家迄歩いて帰った(バカ)

えー具体的なところとしては(ネタバレあり。未見の方はご注意を)

・構成演出若干変わってます
・LEDの映像とか、トミーとヘドの紆余曲折が長くなっていて、そこが山本くんのひとり芝居になっているところとか
・すげーなソムン・タクさん!存在感といい歌唱力といい男前っぷりといい
・いやタクさん女性ですけどね…もうジェンダーフリーダムなステージですわよ
・初演の中村中さんもよかったが、また違うイツァークを観ることが出来ました
・下ネタがより具体的になってたかな。しかも何度もやるのな(笑)
・ヘドの弱さがより見えるようになってる。それぞれのエゴも

この1年の間に『ヴォイス・オブ・ヘドウィグ』を観たんですが、その時フランク・ブラックの唄った「Sugar Daddy」がオリジナルとは全く違ったアレンジ、唄いっぷりですごく面白かったんだけど、今回ストーリーの流れでこの曲を聴いて思い返すに、フランシスちゃんのルックスをルーサーもしくはくまさんグミに被らせるとすごく面白いな(笑)両方観てるひとにはわかるかなこの説明…。このシーン大好き。ヘドの語りから歌に入って、また語りに。歌と台詞で、ヴィジュアルがぱあっと拡がる。地面に落ちたくまさんグミ。散らばった色とりどりの甘いグミ。アメリカの味。LEDの画面もかわいいー。笑えるのに泣けてくる。

全編英語で唄うことに関しては、全面的に支持している。どんなところにも拒絶や否定はあるし、その反面、共感から依存が膨らみ排他的になることもある。「絶対的な権力は、絶対的に堕落する」。再演もまた全編英語で唄ったことには馴れ合いは感じない。それは権力の行使ではない。

エンドレスツアーのバンド。またいつか会える日も来るだろう。とりあえず立ち見でリピートしたいな。場に居合わせたと思わせられるステージ。

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■この物持ちのよさ
ANIKIがYouTubeのレピッシュ動画沢山あげてくれたんで延々観てるんだが、何にビックリしたかって、増井くんが一昨日のミュートのライヴの時と同じ迷彩パンツを15年以上前に履いている映像があったことだな…お、同じだよなこれ……。それともオバQみたいに同じのいくつも持ってんのかな……

■そのミュート
ダブマスターXがブログでおこっとるー(笑)頼もしいことです。納得いかんてことならまたやっておくれよ、フジとかで

■YouTubeにあがってる!
Mute Beat One Night Live
いやはや我乍らよくチケットとれたな……と今になってビビッている。本当によかった



2008年04月02日(水)
MUTE BEAT ONE NIGHT LIVE

MUTE BEAT ONE NIGHT LIVE@LIQUIDROOM ebisu

激混み!皆笑顔。150分間がこんなに短く感じるとは。で、また隣の男性客に泣かれた(苦笑)私も泣いたけどね。PA卓前のオーシャンヴューポイントに潜り込めました、ラッキー。ダブマスターXのボヤキ丸聞こえ(笑)こだまさんが「ノスタルジーはありません」と言ったら「ノスタルジーまみれじゃねえか」、こだまさんが「ここ(の喋り)リヴァーブ入れてくんねえかな」と言ったら「はー、忙しい忙しい」だって。

彼らが一緒に演奏するのを観られる日が来るとは思ってなかった。このメンバーで活動していた時は宮崎人でした。こだまさんソロじゃないよ、ミュートビートだよ。ノスタルジーは……あるよ。このタイミングで観たと言うことも。しかしそこにあるのは“現在”そのものの音だった。

1曲目(SEから続けて)は「After The Rain」。うわー、もう泣く。続けて「Metro」!ちょ、待ってくれー!(泣)「Organ's Melody」ではアケミのことを思い出したり。「Dub No.5 [Take 5]」はこだまさんの入りがグダグダになってやりなおし。他にもやりなおした曲は数曲あった。中盤に差し掛かってやりなおした曲もあった(笑)トーンミスもあったし、ちょっとヘロヘロだった。でも、こだまさんの音はやっぱりこだまさんで、ノスタルジーはないと言いつつ悲しみに満ちていて、それでも日々を大事にして前に進むんだって音だった。強い。

こだまさんは呑んでた…と言うか、もう出来上がっていた(笑)同じこと何度も言ってた。豪太さんや朝本さんの脱退に対しては相当根に持っていたようでボヤくボヤく(笑)でもそれも過ぎたことだ。何度も何度も同じことを言った。「20数年振りのミュートビートです。結成25周年です。ノスタルジーはありません。ただ言えるのは、この20数年間経った今、僕らも、あなたたちも、生きていると言うこと、そしてここにいると言うことです」「僕らがここで一緒に演奏出来るのは、皆音楽を止めないでいたからです。皆それぞれ、自分の音楽を続けています。嬉しいことです」「全ては縁です。僕らがここで演奏しているのも、あなたたちがここで観てくれているのも」「日々の暮らしが大事です」。何度も何度も、過去の在籍メンバー、演奏したクラブやライヴハウス、学祭で行った学校、関わったひとたちの名前を言った。ピテカン、クロコダイル、インクスティック、アートマガジンTRA……。

昨年観たエスケンも似たようなこと言ってたな。レッドシューズ。現ちゃん、告別式の後お骨になってレッドシューズ行った(3月15日付)んだってねとか思い出したりして。

そしたらこだまさんが「僕はメンバー皆の個々の活動をずっと観ています。増井は、現ちゃん、先月亡くなった上田現ちゃんとずっと一緒にやっていて…」と言い出した。それだけだったけど。先月。もう、先月になるのか。早い。何もしなくても時は過ぎるなあ。そうだ、日々の暮らしを大事にしなければ。会場にはタツがいた。

なんか…こだまさんを観るのは誰かを見送る時のことが多いなあ。いや、今回は違うけど。

皆すごく楽しそうだった。豪太さんはずっとニコニコしてたなあ。朝本さんは演奏途中にデジカメでフロア撮ってて、自分のパート入り遅れそうになってた。カメラチェックあったのに背後でフラッシュ光ったのでなんだよと振り向いたらダブマスターXが携帯で撮影してた(笑)そんな宮崎さんは「FREE BURMA」Tシャツを着ていた。

「Coffia」で本編終了。アンコール1は「Still Echo」。やりなおした。こだまさんは「気持ちが昂り過ぎて」と言った。アンコール2でやった「Summertime」〜「Frozen Sun」は凄まじかった。豪太さんと松永さんのリズムの切れ、ブレイクで拡がる爆音のダブミックス。肌に触れるような低音。潮がひくようにエコー音がすっと退いたと思った途端、強烈なキックの一撃。間を空けずホーンが切り込んで来る。一音一音が突き刺さるようだった。底力を観たと言う感じ。

アンコール3、オーラスは「What a Wonderful World」。ノスタルジーに浸りきりではいけない。それを背負って、前に進むんだ。

メンバー。
こだま和文:Tp、増井朗人:Tb、朝本浩文:Key、松永孝義:B、宮崎“DUB MASTER X”泉:Dub Mix、屋敷豪太:Drs

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サ●ピテカンは敷居が高いイメージでオシャレしていかないとって感じだったんだよねー
カ●TRAって実物見たことない(笑)インクはギリギリ行けたんですよねー
サ●いやーよかったわ…うん、よかった……
カ●フジに出ればいいのにね
サ●ホントだよ!……しかし、スカパラも時々「What a Wonderful World」やってさ、昔はナーゴが下手くそでさ(笑)こだまさんを見習えとか思ってたけど、今はもう多分ナーゴのが上手いんだよ。でも…やっぱりこだまさんの音は……貫禄と言うか、風格と言うか……
カ●ナーゴもいつかそうなるよー(あんた何様)