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2007年09月30日(日)
小ネタ

■おお早速
吉祥寺タワレコは、ヨドバシカメラ(あの近鉄〜三越〜大塚家具だったとこ)の中に移転したそうです。お知らせありがとー!

■今は何年だ
と言う訳で?ここんとこスティーリー・ダンとじゃがたらばっかり聴いている。いや今聴いてもすごい格好いいなじゃがたら…こことYMOはどんなにリミクスやカヴァー聴いてもオリジナルの方が格好いいんだよなあ

■あと
エディ・ヴェダーのソロアルバム『Into the Wild』OST。もうこのひとに関してはあの歌声が聴ければいいくらいの境地なので(なんだそれ)素晴らしい声の持ち主、それを結構無駄にしているひと(笑・ホントこのひとは喉を大事にしないな)、いい曲を書くひと、そんな感じで。いやあ、んもう、素晴らしい。聴けて幸せ。
映画、日本でも公開されるといいなあ、ショーン・ペン監督作ではあるけど、日本ウケしなさそうな内容なのでな…単館で地味にでもいいから来てくれ……。そんな訳で日本盤出るか怪しいんでさっさと外盤を買ってしまいましたよ…

■『en-taxi』AUTUMN 2007
まだサイトに最新情報載ってないな、『長塚圭史 映画に似た夢/想像力/歴史の夜』特集。
うーん……正直言ってこの観点はピンとこなかった。野田秀樹、鴻上尚史を否定するところから始めてる対談が特に。現在を描くものだからこそ、今は軽薄でいられないってことでしょう。それを「ずっと軽薄でいてほしかった」って、ねえ(これは長塚くんが言ったんじゃないよ)
そんな「変わらない」演劇を自分は観ようとは思わない。普遍とはそういうところとは別のところにある。
『ドラクル』評もなあ、そこを評価してもなあと言う。
テキストひとつひとつは興味深いものでした。
それとは別にこの特集、こうして掲載される迄にひと悶着ありました。その収拾のつけ方(つうか、ついてない)があまりにもあんまりで非常に後味が悪い。好き嫌いはまあひとそれぞれだけど、何故ダメかってことを「書く」って言ったじゃん、「書く」って!結局書かないし。なんだよそれー。13年前のことをいろいろ思い出しましたよ…。なんでなのよ、なんでそうなのよー(泣)
いろいろがっかりした……

■『Esquire』OCTOBER 2007
ベニー久々のカヴァーストーリー!いつの間にかゲバラは二部作になってるし。いつの間にか撮っていた(笑)『Things We Lost in the Fire』ともに、本国では今秋辺りからごそっと動きそうです。日本では年明け辺りか。
別項にライアン・フィリップが載っているのにもニヤニヤ(『誘拐犯』コンビだよー)
そしてちっちゃいコラムだけど、バトルスの「Atlas」解剖(秒刻みで構成を解説してるの)が載ってて面白いんだこれが



2007年09月29日(土)
うろっと

11月にメトロのライヴが決まって、よかったー今年も最低1回は観れるよなんて言ってて、でもまたHONZIさんお休みなんだねとか話してたんだよな。フィッシュマンズのこともあるし、ひとが死ぬことには慣れない。まあ、慣れたらいけないとも思うが。フィッシュマンズ、スカパラ、ここらへんにはいろいろついてまわる、何故か。なんでなんだ。

雨も降っているし、気温も低いし、なんとも秋らしい気分で新宿へ行く。久々に小林建樹くんのピアノが聴けるのだ。

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植村花菜 ミニライヴ&握手会@タワーレコード新宿店7F イベントスペース

『あなたのその笑顔はいいヒントになる』発売記念イベント。小林くんが楽曲提供していることは知っていたけれど、聴いたことはなかった。

いやーよかったです。普段はひとりでギター弾き語りのライヴをしているそうだけど、今回のデュオもいい感じ。言葉の使い方も面白いし、声も唄い回しも好きだなあ。今度出るアルバム聴いてみよう。小林くんのピアノ、やっぱり好きだなあ。めちゃタッチ強いのな。しかし彼のヴォーカルも大好きなので、また自分のライヴもやってほしい。

握手会には参加せず(笑)移動。それにしてもすごいひとだった、みやちゃん来てたらしいけど会えなかった。今度まぬるねこを見に行こうぜー。

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■その後
CDをいろいろと物色。じゃがたら再発がどどんと出ていて壮観。眺めているうちにアケミのことをいろいろ考え出してしまい。ここももう3人死んでるなあ

■タワレコと言えば
いつのまにか吉祥寺店がなくなっているのですがどこ行った。移転?閉店?



2007年09月26日(水)
かまくら

■書いてるのは28日
HONZIさんが27日に亡くなったとのこと。
ここ数年は療養中で、メトロのサポートもお休みが増えていた。ヨタロウさんが「元気になってきてるから、心配しないで」と言っていた。『THE LONG SEASON REVUE』でスキンヘッドになっていたこと、もともとスレンダーなひとだったけど、観る度に痩せていたこと、が気になっていた。
安らかにおやすみください。もう演奏、聴けないんだなあ

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恒例かまくらふらふら。ホントは年3回くらいは行きたい。冬にも行きたいんだけどなあ、1泊2日くらいでうろうろしたいんだけどなあ、なかなか。

ここんとこ似たようなルートになっていたので、今回は変えてみた。
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JRで鎌倉→江の電で由比ケ浜→歩いて長谷→歩いて鎌倉
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で、うろっとしたのは

・由比ケ浜のおそば屋さん
民家一軒まるまる改装してお店になってるとこ。天気よかったのでテラスで食べたーおそばもかきあげもうまかった…。そば湯がまたうまくて飲み過ぎてその後喉がからからに。
いぬ同伴OKで、すんごいかわいいしばいぬがいたーおとなしくておとなしすぎてお店のひとに足踏まれかけてぎゃんとなってた。かわいいそう

・長谷寺
彼岸花がいい感じに咲いてたーどこそこ改装中で経蔵の書架を回せなかった(普段はぐるぐる回せるんだよー)のが残念。茶屋が綺麗になってたよ!
・大仏(高徳院)
たまには胎内に入ってみようかと思ったが、外国人の団体客(その中にジャコ・パストリアスに激似の素敵兄さんがいた。嬉しそうに入っていったよ)がどわーっと入っていったので諦めた。なんか平日だったのにやたらひとがいたなあ。皆何やってんだ(おまえもな)

・長谷から鎌倉へ行く途中のケーキ屋さん
持ち帰ってみたらとけた。買ってから5時間は持ち歩いてたからな…保冷剤おつけしますがお持ち帰りのお時間はどのくらいと訊かれて1時間半で〜とホラを吹いたのが敗因。見掛けはべみょうになりましたが味はうまかったなあ〜また行きたい。店内でも食べられるみたいだったし

・長谷から鎌倉へ行く途中の衣料雑貨屋さん
いやーこれはビックリした、最近気に入ってちょこちょこ通販してるお店に通りかかった。鎌倉に直営店があるのは知ってたけど、場所とか全然調べてもいなかったのに!
そんな訳で予定外の買い物をする…あーやっぱ通販されてないものが沢山あるー!
しかしここは通販ものには珍しく、実物が届いた時「画面で見た時とイメージが違う…」ってことが殆どないんだよなー。また来よう〜、でもふらっと辿り着いたのでまた行けるか自信がない(笑)

・寶戒寺
ここに来るとだらーっとなる(ばちあたり)いや、本堂に靴脱いであがれてゆったり出来るので〜。萩が綺麗なとこなんですがまだ咲き始めだった、惜しい
・鶴岡八幡宮
うろっと。りす減ったなー「えさあげないで!」って看板あるしなあ。あんまりいても困るがあんまりいなくても寂しい
・小町通りの喫茶店
何か庭の眺めがいいとこらしかったが庭の見える席は満杯であった。平日なのに皆何やって(略)でも今時ミルクセーキがあってこれがまたうまくてのう

いちおう今回はこれをガイドにしてみたんだ…→『鎌倉スーベニイル手帖 ―ぼくの伯父さんのお土産散歩ブック』沼田元氣
普段行くとこ+この本に載ってるとこをまぜてみた。しかしこの本かわいくて面白いー沼田さん流石、凝り凝り。装幀も素敵です。

あーそろそろまた切通巡りをやりたい。しかしいるんだよねー前友達と行って写真撮ったら何か写ってたことがあったなあ。まあ、土地柄ねえ。いやそれに会いたい訳ではなく、景色が面白いから行きたいのです。



2007年09月25日(火)
『FOR CALLUM』

■『FOR CALLUM』V.A.

カラムくんのチャリティアルバムが出ました。2枚組。
カラムくんのことは以前ちらっと書いた憶えがあるけど、きちんと説明していなかったので(手が滑ってしみったれたこと書きそうだったのでリンクしか張らなかったんだ…)改めて。
ワシントンD.C.ハードコアパンクシーンで長らく活動、JAWBOX〜BURNING AIRLINES〜CHANNELSと自らのバンドを率いつつ、エンジニア、プロデューサーとしても数々のバンドを世に送り出したJ.ロビンズと、奥さま(CHANNELSのメンバーでもある)ジャネット・モーガンの第一子、カラムくんが昨年末に脊髄性筋萎縮症(SMA)と診断されました。カラムくんは生存率が最も厳しいタイプ1。保険でカヴァー出来ない部分が多く、莫大な治療費がかかります。

Amazon.com探してみたけど見付からなかった…試聴出来るといいんだけどな、いい曲沢山入ってます。メンツもええで〜。「Jさんとジャネットさんが困ってる!俺協力するっす!」なハードコア男前が(いや男だけじゃないけどね…)集っております。初聴のバンドも多かったけど、MEDICATIONSはギターがすげい好みだー。CAREERS IN MODELINGもいいなあ。JAWBREAKERの1994年制作のデモは初めて聴いた!ETERNALSも入ってる。勿論CHANNELSの曲も入ってます。
Zach Barocasのライナーが落ち着いてて好感持てます。

私は上記リンクのDischordから通販したけど、このアルバムをリリースしているレーベルCatlick Recordsでも通販受け付けてます。ワシントンD.C.エモシーンに興味のある方はこのアルバムから聴いてみてはどうでしょう(つうか私もエモシーンよく解ってませんけどね…)。ひとなつこそうなかわいいカラムくんそのものみたいなアルバムじゃないかしらん。聴きやすいし、バラエティに富んでいるし、繰り返し聴きたい曲満載です。あーこれを聴けば、聴くだけで、カラムくんが元気になればいいのにな。そんなマジックを信じたくもなる。でもそのマジックは、マジックでさえも、現時点ではありえない。忘れないでいよう、常に頭に置いておこう、今はただそれだけ。

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■関連記事、サイト
・カラムくんのブログ『For Callum』
Jが更新しています。ちょっと落ち着いてきたようで(それでも大変なことには変わりないし、ずっと続くことだけど)書き込み頻度が上がっていてホッとしている。それにしてもかわええなあ、カラムくん
・Dischord Records『"For Callum" Compilation Now Available From The Dischord Web-Store』
アルバム紹介記事
・Desoto Records『This is Callum Robbins. He needs your help.』
Jのバンドメイトだったキムのレーベルの募金活動サイト

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■それにしても
通販申し込んだの先週で、土曜日に発送しましたメールが来て、今日着いてるってどういうこと。通常送料で頼んだ筈だが。そして実際$4.50で届いているが。ちけーなアメリカ!

■そして
ありがとサイン入りカードが入ってたけど、誰のサインかわかりません。文字がうねうねしてて読み取れないのよ…いや別にディスコードの通販担当のひとのサインでもいいんですけどね……



2007年09月22日(土)
『ドラクル』『シェイクスピア・ソナタ』

ハシゴ。

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シアターコクーン・オンレパートリー2007『ドラクル ―GOD FEARING DRACLE』@シアターコクーン

ううーん過渡期かな?いろいろと惜しい作品のように思いました。意地悪言っちゃうと「長塚さんは血がいっぱい出るグロテスクな演出が得意だから、いっちょゴシックホラーやってみませんか?」と企画を持ち込まれて、がんばったんだけど…みたいな印象(鬼)。いや実際そうだったかは知りませんよ。

無宗教が多い(と言われる)日本人の宗教観を描いているとも解釈出来るし、いろいろと興味深い面はあったのですが……。登場人物全員にある種の決着をしっかりつけるのが長塚くんの作劇ポリシーのように思っていましたが、今回は投げっぱなしのものが多かったのも気になりました。それでも「許す!」があるところには救いを感じたけど。

美術はとにかく素晴らしかった!これは二階席から観てよかった。舞台と客席間を照明で遮る転換はコクーンでよく使われる手法ですが(蜷川さんがよく使うからそう思うだけか?天井高いから映えるってのもあるか)これも効果的。ただ、上手側のみやたら色を変えていたのが「舞台転換用に使っています」の域を出ていなかったようにも思います。逆に気になるくらいだったから。

それにしても贅沢な役者の使い方だったなあ。

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シアターナインス『シェイクスピア・ソナタ』@PARCO劇場

いんやーこれは面白かった!悲劇を書いたのに喜劇になる、もしくはその逆。先週観たチェーホフによく例えられる岩松了(敬称略が敬称)の魅力がふんだんに堪能出来ました。いやもう最高です。だいきらいでだいすき。あ〜ホント腹がたつな〜(笑顔で)人間のどろどろした部分を美しい言葉に置き換え、なおかつせつなさ、はかなさをも感じさせるような香しきものとして立ち上がらせる。愚かで、滑稽で、人生と言う舞台上でこどものようにおろおろする大人たちに、憎らしさと愛おしさを同時に感じさせる。

シェイクスピアの四大悲劇を上演する一座、と言うフォーマットを巧く使い、バックステージものとしても面白く(やはり『ドレッサー』を思い出したなあ)、劇中劇がそのバックステージの合わせ鏡のようになっている構成もスタンダードな発想であるのにスリリング。「嘘でしょう、嘘でしょう」と死んだ妻の声が聞こえる。役者は演じるからこそ役者。演じることはそのまま嘘。しかしそこに真実がにじみ出るからこそ、役者は役者なのだ。

で、あんまりにも話運びが巧過ぎるとそれが鼻につくこともあるんですが、そうならないのは役者陣がまた巧過ぎるからで。巧過ぎるってのは、巧いと思わせないくらい巧いと言うこと。登場人物そのものにしか見えないと言うこと。無駄なキャストがひとりもいない。シアターナインス=幸四郎さんの座長公演ではあるけれど、それすら感じさせない。誰が欠けてもダメ、他の誰が演じたらとすら思わせないキャスト。すごい座組。右往左往する男も、演じることが当たり前の女も、ここにしか存在しえないもののようだった。

全くタイプの違う作品を比べるのも意地悪ですが、そして同じ日に観ちゃったごくごく個人的な感想ですが、『ドラクル』との体感時間のあまりの違いに愕然とした。一幕70分、休憩20分、二幕70分と言うコンパクトさであり乍らあまりにも濃密。集中力を自発的に使うと言うより、使わされた、使わざるを得ないところ迄持ってかれたと言う感じでした。終演後はドッと疲れた。爽快感すらあった。目を耳を離せないストーリー展開、登場人物の台詞ひとつひとつが気になって仕方がない。言葉にならない部分は仕草のひとつひとつで意味を感じさせる。ここらへんは岩松了の得意とするところですね…まんまと乗せられてるのが悔しいなー!(笑顔で)

『船上のピクニック』もそうだったが、今年の岩松作品はこれ迄と違い“階上”が舞台になっている。これ迄は階下が殆どだった。階段は必ずある。その“見えない”空間で何かが起こっているのは毎度のことだが(そう、岩松歌舞伎と言える程のお約束)、この変化にはどういう意味があるのか。そういうところも気になって仕方がない。あ〜にくらしい岩松了!年末の『死ぬまでの短い時間』も来年の『恋する妊婦』も楽しみだ!

最後にひとつだけ突っ込ませてください。長谷川くんが「そのまんま東に帰るんですかね」と言ったのは「そのまんま姫路に帰るんですかね」の間違いでは…それとも故意?狙った?ホントにこういう台詞だったの???(この後長谷川くんがカミカミになってちょっと我に返った(笑))録画用のカメラが入ってましたがここどうなるんだろう。

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■どうしてくれよう
帰りに寄った呑み屋でマンゴージュースを頼んだのにマンゴーカクテルが来て、喉渇いてたから一気飲みしてあっと思ったけどもう遅い。みるみるじんましんが出て今全身がまだらです

■よ、よかった……
12時からのNODA・MAP先行電話、繋がらない繋がらない。13時には家を出なきゃいけなかったので、半ば諦め気味に帰宅後またかけたがやっぱり繋がらない。話中にすらならない。26時過ぎにようやく通じた。土曜ソワレがとれた。回線少ないんだろうなあ。それにしてもこれ迄にないくらいかからなかった…これが転売防止に繋がればいいのですがねえ(どうしても観たいひとしかこんなにしつこくかけない(笑)ってことで)



2007年09月17日(月)
『THE LAST FIVE YEARS』楽日

『THE LAST FIVE YEARS』@東京グローブ座

いやあ、よかった…自分の気持ちのもちようもあるとは思うけど、今回の再演は、作品の芯みたいなものが観ている方にぐっと届いたと言うか…。

なんだろなー。初演の時は、ふたりの身勝手さばかりが気になったのです。ジェイミーは浮気を正当化するし(苦笑)キャシーはこんな人生は違う、これも違う、と駄々をこねているようにも見えて。お互いがお互いの本質ではなく、自分の願望や夢を投影した姿を見ているような感じがして。実際そうなんだけど。それをお互いが許せないのも解るけど。

本質、と言うのは弱さでもある。ジェイミーにはエージェント(実務的な面でも、精神的な支えとしても)が必要だった。キャシーはそれを引き受けようとはしなかった。キャシーは「自分を見てもらうために」自分を変えようとする。でもジェイミーはそれに気付こうとしなかった。

この作品はとてもデリケートなもので、「弱さ」がしっかり描かれないと、作者のナルシストな面ばかりが目立つ。寛容が愛情になるかは判らないが、理解する努力はやっぱり必要。それが忍耐になったらどうなるかな。

ふたりは5年でダメになった。でも人生は続く。別々に歩いていく。

で、何度もしつこいが曲がいい。そして今回は、歌詞がとても伝わりやすくなっていたように思う。ちょっとした訳のなおしや、唄い回しの違いでテキメンに変わるなあ。詰めはきりがない、奥が深い。またの上演がありますように。そしていつかはオリジナルの編成(チェロ×2入りの)で聴いてみたいです。
オリジナルキャストによるサントラはこちら→『THE LAST FIVE YEARS』Original Off-Broadway Cast

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■チラシ出来てた
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『VIVA! Forties』@博品館劇場
2007年12月21日(金)、22日(土)
出演:浦嶋りんこ
ピアノ:深沢桂子
演出:鈴木勝秀
チケット一般発売:11月3日(土)
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恒例になるといいー



2007年09月16日(日)
森村泰昌と面影ラッキーホール

共演した訳ではなくて、ハシゴ。

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森村泰昌『美の教室、静聴せよ』展@横浜美術館

横浜美術館を教室に!いたるところに机と椅子、黒板、チョーク。これさえあれば、どこでも教室になる。『美術史シリーズ』がメインの約80点。自画像、ものまね、笑いを通して美術と教育について考える。

ホームルーム、1〜6時限、放課後の8セクション。卒業試験コーナーもあります。5問中4問正解だったけど修了バッジを貰ったよ〜。昨年話題になっていた三島由紀夫の演説『なにものかへのレクイエム(烈火の季節)』も観られたよ〜。美術館内のカフェでは「給食」メニューもありました、食べたかった〜。牛乳と焼きそばパンと何かだった。

時間の都合でゆったり観られず(ねぼうした自分がわるい)イヤホンガイドを使えなかったのが残念。講義を聞きつつ観たらもっと面白かったし、踏み込んで観ることが出来ただろうなあ。テーマが教室だし、各セクションの配置、構成を考えている上でガイドも作られていたようだ。つまり、キュレーター任せではなくて、企画からガッツリ森村さん本人が噛んでいたと言うこと。それを含めての作品展だから。

しかしガイドなしでも作品はどれも面白く観られた。来てよかったなあと思った。

喜劇の在り方についての舞台を観た翌日に、森村さんの(記憶で書いてるのでおぼろ)「怒りの核ではなくて笑いの核(=笑いを搭載したミサイル)を発明すれば、戦争なんて起きないのに。そしてそれを発明出来るのは、政治家ではなくて芸術家なのかも知れない」と言う言葉に感じ入ったり。続けて観られたのはよかったな。

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面影ラッキーホール VS サイプレス上野とロベルト吉野@duo MUSIC EXCHANGE

どちらもDCPRGと対バンしている…そして面影は観たら絶対気に入ると言う変な予感がありつつなかなか観れずにおりまして。あれだよ、突然段ボールとか突撃ダンスホールとか引っかかるんだよ!サガラさんと「好きなにおいがする…」と言っていて、でもフジでも観逃して(笑)

そしてサガラさんはこの日は東京ザヴィヌルバッハ(復活!その寸前にザヴィヌルが亡くなるとは…)の当日券並びに。ポンチさんに連れてってもらいました。

で、やっぱり大好きだった。どろい!泥臭い音にどろどろの歌詞!ファンキーでじっとりですよ!アルバムは未聴だったけど、タイトルがことごとくあれなもんで歌詞聴いてればどれがどの曲が即解る(笑)むちゃ歌が伝わりますねー痛い、痛いよー。

と言う訳で次のライヴも行こうと思いました。

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終わった後阿佐スパ話を熱く語る。ながつかくんいろいろがんばれ!っつうか気にせず自分の書きたいものを書けー!とここで言わんでも書くだろう、このひとは。あなたがこれからどんなものを書いていくのか、楽しみにしているひとは沢山いるよ。



2007年09月15日(土)
『ロマンス』

こまつ座&シス・カンパニー『ロマンス』@世田谷パブリックシアター

初日が遅れなかったのに驚いた。これはプロデューサーの力ですか?(毒)

それはともかく、すごくよい舞台だった。うまいうまいうま過ぎる。そつがなさ過ぎる。笑いに対する真摯な思いと、命懸けで笑いを創るひとたちの姿と、それが受け入れられない環境への皮肉とどうしてだ!と言う叫びと諦めとそれでも諦めてはいけないと言う思いと。喜劇作家が描く、喜劇を書きたかったチェーホフの物語。

『かもめ』『三人姉妹』『桜の園』は何度もいろんな演出で観ているが、喜劇だとは思ったことがない。しかし人生ってこんなに情けなくて滑稽なものなんだ、と言うことは毎回ひしひしと感じる。スタニスラフスキーとチェーホフの確執は有名なものだし、今回のストーリーには出てこなかったが、テネシー・ウィリアムズとチェーホフはお互いをとても意識していた。現役のうちに認められ、作家としての地位も得、嫉妬も羨望も数多く向けられているチェーホフは、どうしても自分の作品が理解されていると思うことが出来なかった。

その「理解者」はオリガかマリヤか。と言う視点からのエピソードもとてもうまいうまいうま過ぎる展開とうまいうまいうま過ぎる女優ふたりの素晴らしい仕事っぷりが、愛情と憎しみの奥にあるせつなさを引っぱり出していて気持ちがけばだたずに観られた。本当はもっとどろんどろんだと思うんだ、こういうのは。それを敢えてどろんどろんに描かず、真正面から口論させる、チェーホフとオリガがお互いのいいとこ探しをして笑い合う場面をマリヤに見せて、マリヤの深い敗北感と絶望感を見せる。しかしチェーホフが死んでしまえば笑顔しか残らない、いい思い出が笑顔を呼ぶ、時は過ぎて憎しみも薄れる、そしてマリヤは自分がやるべきことを判っている、と言う終幕に持っていったところにも好感を持った。

それは劇中にもあった(記憶で書いてるので微妙なニュアンスが違ったらお許しを)「人間は笑いを持って生まれては来ないから、自分で作り出さねばならない」と言う台詞から、どろんどろん(これはオリガとマリヤ、スタニスラフスキーとの確執に限らず、自分と向き合うことに関しても)に気付いていない訳がないけど敢えて笑顔を選び、喜劇を書く覚悟を持った作家を、『ロマンス』の作家が描こうとしていたからだ。やはりすごい喜劇作家。

出演者はこの6人でなければどうなっていたことか、と思う程の素晴らしさ。全員出ずっぱり。演じる役柄も多い。その切り替えの早さ、的確さ、軽妙さ。あと全員空気の読みとその対応も早い。もう、中途半端な気持ちで舞台に立ってるひとはこれを観て打ちのめされるがいいよと思った(だれのことだ、それは・笑)

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■よだん
久々に生瀬さんを舞台で観たけどやっぱり映えますなあ。最近サラリーマンNEOでばっか観てたからはっとしたー

■フィーゴたんが帰ってきたよー
初期化もされず!よかったよかった



2007年09月14日(金)
小ネタ

■投票〆切りは今日の正午
東京ネットムービーフェスティバル『三日目の7人。』
アパッチ総出で(南場さんも出てる・笑)音楽がおーもりくんです。投票するかどうかは自分で決めよう〜

■カラックス短編(01:15)
Carax's『My last minute』
Vienna Film Festival用に撮ったものだとか

■High fashion 2007.10.
北村くんのインタヴュー。スズカツさんの話も。永島さんとはそういう縁だったのねー

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絵本もマンガもデザインからの視点がないとなあと常々思うところであります。最近同業者と話すのは、Mac=画面上で簡単に配置や線を変更出来るようになった分、制作にとりかかる前に全体像を頭に思い浮かべるのが下手になった、と言うこと。それはすーごい実感としてある。手間ひまが全てではないし、カットアンドペースト=即興的に断片を繋げていける便利さは勿論重宝してるんだけど、それ一辺倒になるのはマズいとも感じている。

■『ディック・ブルーナのデザイン』芸術新潮編集部/編
今年80歳のブルーナさん、グラフィックデザイナーとしても素晴らしい作品を多数発表しています。シンプルな線、厳選した色数、考えに考え抜かれた配置。その工程と理論、制作の裏側を楽しい誌面で紹介。図版多数。
基本は手作業。鉛筆で何度も何度も下絵を描く。あの主線もひとふでがきではないのです。何度も何度も塗り重ねて、あのがびがびした線を出している。色紙をはさみで切って、何度も何度も並べて、主線を焼き付けたフィルム(これが綴じ込み付録!ニクい!)と重ねて様子を見る。
いやーそれにしても若い頃のブルーナさんの写真が載っていてちょっと驚いた(笑)知った時にはもうすっかり綺麗な白髪白髭のおじいちゃんだったもんでね…ちっちゃい頃は作者のことなんか考えずに読んでたし。しかしこっちが歳をとればとる程そのすごさと言うものをひしひしと感じるようになった。
いつでもぱらぱら見れるように、近くに置いておこう。
余談ですが、ブルーナさんってうさぎ年生まれなんだって。おおお!

■『ちむちむ☆パレード』鈴木志保
わーコーヒーとたばこがいるよ!元気にしてたんだー!(泣)
描き下ろし新作。画面構成といい描線といい白と黒のバランスといい!にぎゃー。
でもやっぱり話ありきなんだー。この話を紙面に起こすためにはあそこ迄つきつめたものでなければならないんだろうなあ。
全体の画面構成もすごいんだけど、この物体をこの角度から描くか!=この角度からの視点を使うか!ってコマが沢山ある。パッと見も美しいけど、何度読んでも発見がありそうです

■『船を建てる』上 鈴木志保
新装再発。初版で全巻持ってるけど買っちゃうよー装丁かわいいしー。全6巻を上下巻にしてあるので厚いし、紙の色も重さも違うし、てざわりも違うし。ぎゃひんぎゃひん。
今の描線に行き着く過程も目に見えるのでそこらへんも興味深い。
好きなエピソードは沢山あるけど、ブロマイド売りと野球カードとプレスリーとロータスは何度読んでも怖せつなくてもう大好き。
そういえば数年前にゴセッキーが、廃刊になってて全巻揃えられないって言ってなかったっけ。出たよ!下巻ももうすぐ出るよ!(ここで叫ぶ)

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■『エレンディラ』ガブリエル・ガルシア=マルケス
自由だなー。で、ホントに現実のことでいいんだ。2mのみみずがいる南米だもんな。事件は忘れられる、伝承は歴史に残る。それを文学にすると、ひとの心に残る

■ひょっとして私は
『アメリカン・タブロイド』を読んでないんじゃないだろうか…と『アメリカン・デス・トリップ』を読んでる最中に気付く。
いや…よ、読んだと思う……思うけど……うわーどうすんだー(バカ)

■ジョー・ザヴィヌル
亡くなってしまったよ…安らかにおやすみください



2007年09月09日(日)
『怪獣と美術 ―成田亨の造形芸術とその後の怪獣美術』

『怪獣と美術 ―成田亨の造形芸術とその後の怪獣美術』@三鷹市美術ギャラリー

今年はセブンが40歳なのよー。ウルトラマンは秘かにチェックを続けています。でっ、近場の三鷹で展覧会があると言うので観に行ってみた。そしたらオープンして2日目だった。な、なんかすごいファンみたいだ…(前日と同じパターン)。

しかしこれ、かなり充実してました!ギャラリーと言ってもスペースかなりある。展示数も多い。デザイン画だけでなく立体作品も多数。成田亨さんの作品を中心に(青森県美所蔵の作品も来てました)、高山良策、池谷仙克、原口智生等ウルトラマン製作、現在の怪獣製作にあたっている美術家たちの仕事がどどんと観られます。

シュヴァンクマイエル展と2日連続でキメラちゃんを沢山観た…(苦笑)でも成田さんの怪獣はグロくない。それは成田さんが怪獣を創るにあたって「1:動物をそのまま巨大化しない。2:動物同士を合体しても、奇形化はさせない。3:身体に傷をつけたり血を流させたりしない。」と言う三原則を立てていたからでしょう。どっかしら愛嬌がある。カネゴンとか、口ががまぐちですよ!カネゴンが土管のある空き地にぽつーんと座ってる油絵とかあってかわいいやらせつないやら。

どうでもいいが土管のある空き地って、ドラえもんでも定番でしたが実際に見たことがない。都市開発が進んでた頃の東京周辺には沢山あったんでしょうか。ウチの田舎の空き地には野犬とかがいたよ…(本当)。

「怪獣の皮膚を触ってみよう!」ってコーナーに、ぬいぐるみの切れ端が展示されていました。べたべた触る。ニヤニヤ。

それにしても大人の客が多かった。自分の怪獣をねんどでつくろう!ってワークショップも行われているようです。『三鷹大決戦』ってタイトルとかついてんの(笑)こどもも行けばいい!

■関連記事:
・asahi.com『怪獣生んだ絵心 成田さんらの作品展』
・SankeiWEB『クールな怪獣アート いまも色褪せない斬新デザイン』

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三鷹はおまつりで、ギャラリー下が丁度おみこしが出発するところだったのでにぎわってました。見物出来てちょっとラッキー。ムーバスに乗って吉祥寺へ移動したらこちらもおまつり中。秋だー!はよ涼しくなってくりー。



2007年09月08日(土)
『ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展』『KURT COBAIN About a Son』とか

『ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 ―アリス、あるいは快楽原則』@ラフォーレミュージアム原宿

エヴァが亡くなってからもヤンは精力的。新作『人間椅子』(乱歩のあれですよ)を完成させたようです。その原画を含む200点の作品を一堂に展示する大型企画展。『アリス』も『ファウスト』も『ルナシー』も『悦楽共犯者』も!アニメーション用の原画から、独立した絵画作品、コラージュ迄多種多様。勿論立体も多数。実際に触れることで成立する作品もありました。

エグいーエロいーエグいーと言いつつ皆半笑いで、そしてワクワクした顔で観ている。やっぱり何か、楽しい。どこかでこういうのを見たいと思っているんだろう。「何考えてこんなの創るんだろうね」「どうしてこんなの思い付くんだろうね」と話しつつ、「信じられないこんなの創るなんて」とは思わないんだよね…キメラ的なもの、怪物的なものは、実はとても身近なのではないかと思う。単に目にする機会が減っているだけで、目を凝らせば日常生活の中に転がっているのではないだろうか。

それを普段から見ている、見ることが出来て、作品化出来る。これは出来るひとにしか出来ない。シュヴァンクマイエルの世界は、あのふたりにしか創ることが出来ない。

名前が別々に描かれているものもあったけど、殆どは無署名。ヤンとエヴァの長年の共同制作を目に出来て嬉しくもあり、これからヤンはどんな作品を創るのかなと楽しみでもあり、せつなくもあり。

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■フィーゴたんをアップルストアに
一週間程で帰ってくるとのこと。バックアップとってなくて、「初期化する可能性もありますがいいですか?」と言われて「いいっす」と言ったら笑われた。誓約書にもサインしたし、ギャンブルのりです。今度帰ってきた時フィーゴたんが私のこと忘れてたらせつないが一からやりなおしだ!

■菊地さんのチケットをとりに文化村に
ポスターすごい格好いいのにフライヤーがイケてないよ!(笑)同じ写真使えばいいのに!
日曜日発売の『カリギュラ』徹夜組がすごいことになっていた。文化村徹夜組があんなにいるの初めて見た。とれない訳だ…と言う訳でとれてません。リネさんとれました?

■『たとえ世界が終わっても』トークショウの整理券をとりにユーロに
おーもりくんが出ると言うので。もうなかった。人気者!

そんじゃ何か他の映画観るかねー何やってるかね、とうろっとしたらシネアミューズにカートのポスターが。あ、これいい?とサエキさんをつきあわす。すまん。しかも初日だった…な、なんかすごいファンみたいだ…いや実際そうでしたけどね。過去形か。いや、今でも勿論好きだ。忘れないよ。

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『KURT COBAIN About a Son』@シネアミューズ WEST

当時邦訳されていた唯一の公式バイオ本『病んだ魂』はよく読んだ。その作者、マイケル・アゼラッドの手元に遺された25時間に及ぶインタヴューテープで構成。よって語っているのはカート本人。最後のインタヴューから約1年後にカートは亡くなった。インタヴューではこれからやりたいこと、新しい曲作りやバンドのプラン、将来のことを沢山話している。これを話し終えてから、1994年4月5日の間に何が起こったかは解らない。報道として伝わってきた状況は知っているが、そのさなか、彼の中にどんな思いが芽生えたのか、それは知ることが出来ない。そしてそれが彼の口から語られることはもうない。

“Just I have to keep going.”

なんて言っていたのにな。

ニルヴァーナや周辺バンドの画像はちょっとは出るが、殆どが風景とイメージ映像。カートがこんな風景を目にしていたんだなーと思えるのは楽しいが、眠くもなる(笑)サブポップオフィスが見られたのは嬉しかったな。あとキャピトルの宣伝担当のひとがレイカーズの話に夢中になって、会話についていけなくなって疎外感を感じたって話をしてる時にイギーの「The Passenger」がかかったのに微笑。



2007年09月07日(金)
『THE LAST FIVE YEARS』初日

『THE LAST FIVE YEARS』@東京グローブ座

真ん前のひとの背が高く頭がデカく(お前は池田成志かと言いたくも…いやっこれは愛故の暴言よ!許して成志!)ステージ中央が全く見えないと言う席運の悪さ。ジェイミーとキャシーを同時に観られたのって数える程しかなかった…全ステージにしても4割見えてたか怪しい!なんてこったい。そんな状態で観たもんでかなり偏った見方になってるかも知れません、ご了承くだされー。

いやしかし、自分の席運を除けば(…)いい再演ではないですか!おぼえがきをちょこっと。

・基本の演出、美術は同じ。衣裳はキャシーは勿論ジェイミーも変わっていた
・ミュージシャンの位置は初演と逆、上手側
・歌詞は日本語訳も変わっており、英語部分も増えていた。特にジェイミーパート
・拡がりのある劇場なので、バックのスクリーン映像が映える
・キー一緒だっけ?ちょっと低くなってる気がしたが〜井手さんの声がハスキーだからそう思っただけかな
・その井手さん、初舞台の初日で緊張していたか初っ端の歌がぐらついてヒヤリ
・しかしエンジンかかりだしてからの中盤以降の歌は素晴らしかった!
・「Climbing Uphill」「I Can Do Better Than That」での迫力はすごかったな…歌そのものの力もだけど、キャシーの「私を見て!」と言う叫びと焦りが切実で
・これはキた!キた!痛い!茶化す意味ではなくホントに痛い!
・山本くんが「Nobody Needs To Know」で感情が入り過ぎたか声を詰まらせる場面も

いやー今回はキャシーの切実さがすっごいキますわ…すっごいバッサリ言うと、これってジェイミー側から書かれたもので(作者ジェイソン・ロバート・ブラウンの実体験に基づくものだそうなので)、ジェイミーは才能があって成功して、キャシーは才能がなくオーディションに落ちまくってオハイオに巡業に行ってジェイミーには見てもらえなくて猜疑心がつのり結局ふたりはダメになるって話な訳ですよ。なんつうしんどい話じゃ。つうかブラウンさんすごいよこんな身も蓋もない話書いて。

そんな訳でこれは初演時にも書いたと思うけど、その「才能がない者」として描かれるキャシーを演じるのってすごく難しいと思うんですよ。華があったらまずかろう。でも役柄、じゃなくて役には華がなければ舞台としては成り立たないだろう。ではどこを前面に出すか。今回はそれがとてもハッキリしていた。「私を見て!魅力的でしょう?」と唄う自己顕示欲、なのに認められない焦り、「どうして?」と言う思い。ジェイミーを独占出来ない怒りと独りよがりの悲しみ。個人的にはこの手の人物は苦手なのだが、今回のキャシーは憎めないな。いや初演のキャシーが憎かった訳ではないが。なので最後のシーンで、ジェイミーにまた会えると明るく「Good-Bye」を唄うキャシーには胸がつまった。

役柄と役、は山本くんが声を詰まらせて一瞬唄えなくなった時にも感じた。舞台、としてはあそこは唄いきらねばならないと言われても仕方がないが、それでもあの場面は感動的だった。ジェイミーは声が出なくなるような状態だったんだ。

それにしても改めて、楽曲がいい…そしてプログラムにもあったけど、実はすんげい難しい。これをテクニカルに唄いこなし、なおかつ役の感情も込めねばならないってかなり大変だと思います。あー次に観れるのは楽日だ。多分もっともっと化けると思います、経過を観たかったー!

スズカツさんはこれからもどんどん恋愛ものをやればいいじゃなーい(笑)期待してますよん。

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■これ本チラ?
もうヘドのカラー版フライヤー配布されてた。ソムン・タクさんと山本くんのツーショットも載ってます

■本チラと言えば
『L5Y』の本チラ、何げに2種ありますね

■これで今年の舞台仕事は全部出たかな?
メルマガが来たけどweb上にまだ見付からないので載せない方がいいのか?

■明日からフィーゴたんが病院行きです
CDRを食べたくないらしくペッて吐き出しますよ。まあ短期間で相当喰わせたからね…よくがんばりました。
そんな訳で明日から家でメールチェックが出来ませんー緊急な用事は電話でよろしくです



2007年09月06日(木)
ボーダーレスつづきですよ

■祝祭音楽劇『トゥーランドット』@赤坂ACTシアター
・@ぴあ
・webザテレビジョン:エンターテインメントニュース
・赤坂ACTシアター公式

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2008年3月27日(木)〜4月27日(日)
原案:ジャコモ・プッチーニ
演出:宮本亜門
音楽:久石譲
衣裳:ワダエミ
脚本:鈴木勝秀
作詞:森雪之丞
出演:ケリー・チャン、岸谷五朗、安倍なつみ、早乙女太一、小林勝也、北村有起哉、中村獅童 他
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脚本のみときた。ななななんかえらいことに…てか内容もどうなるのか混乱中だ……ええと、これ、何語で上演?日本語?歌も日本語になるのかな?
『ファントム』『ヘドウィグ』ときてこれ。こういうことかーと思ったり自然な流れなのかなと思ったり。楽しみにしています。チケットとれますように

■余談だが
ウチの姉が2001年9月11日に前のACTシアターで串田さんの『セツアンの善人』観て、帰ってきたらWTCがなくなっていたので、赤坂ACTシアター=9.11、セツアンの善人=9.11、になってしまったと言っている

■ボーダーレスと言えば
「ああ土俵で妖怪ジャンプ。ステージで四股。」@れいさん
[Connect '07]KOKUGIKAN
ローソンで早割チケット¥2,000発売中(限定1000枚)!
新譜発売日も決まりましたし、そっからの曲もやるんじゃないでしょか。
ライヴも楽しみですがちゃんこ販売とか出店とかが気になりますよ…



2007年09月03日(月)
『極東最前線 ―どこへも帰らない』とか

『極東最前線 ―どこへも帰らない』@SHIBUYA CLUB QUATTRO

ぐはあ、THEピーズとお手合わせですよ!意外にも一緒にやるのは3回目らしい。3年前にフェスで一緒になったことをお互い忘れていて、「20年振りだねえ」と話していたとか(笑)20年…長い短いあっと言う間ようやっと?はるさんもアビさんも格好いい〜。喋りは老人のようなのに(失礼)

で、お互いよる年波とか敬意を表したりとか、いいライヴだった。しみじみしつつも熱い思いが胸につのりますよ!そういえば10年前(もっとか)くらいにライヴでよく見掛けたひととか(憶えてるもんなのよ…)知人とかを見付けてこれも長年やってるバンドのライヴだなあと思ったり。年齢を重ねてもずっと観ていけるバンドがあるって、いいなあ。

eyは昨日と全く違うセットリスト。多分1曲も被ってなかった。「雨曝しなら濡れるがいいさ」の時、あーこれどうやろっかなーと考えていた仕事の組み立て方がスパーンと閃いた!ビックリした!仕事のことを考え乍ら聴いてた訳じゃないのよ、なのに何故かスパーンと!わあ有難う有難う!そんな効果もありました(どんな効果)、素晴らしい。

ぐぐっとくる場面の連続でホントにまー素晴らしくて鳥肌たてたりぎゃーと言ったりニヤニヤしたりで忙しかったんですが、終わった時にはなんかもー言葉に出来なくて「タモさんが眼鏡を!」「しかもオシャレ眼鏡!」「老眼?(おい)」「吉野さんがさっき仕事で行った会社の下に繋がれてたいぬに似ててかわいくて!(おい)」「あのTシャツ弘前でも着てた!」とか喋っていた。

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■いぬと言えば
最近どハマリしているCM
セコムCM『番犬篇』
最初は「???」、だんだん意味が分かってきて笑い乍ら観ているうちになんかもー泣けてくる。やーんこれすごくいいー!いぬ好きにはたまんないんじゃないの…ねこ好きですらこうですから……。
加瀬くんが出てる『BIG TRAP篇』も面白い。セコムて長嶋さんやペ・ヨンジュンを起用してたのに、今シーズンはガラリと変えてきましたね

■こ、ことだま!!!
『ハゲタカ特別編 NHKを買収せよ!』(02:00)
わしづとセクスィー部長がニアミス!!!爆笑。
アランが髪短くなってる。NHKの自虐の詩〜
関連記事:
・ハゲタカPRプロジェクト『Buy NHK out!?』
・『NHKイメージアップの切り札は橋本会長!ビル磨きCMに出演』

■もめとるー
昨日書いたNIN@Rock em See、イヴェンター側が「天気悪くて停電になったんだヨ!」と反論しています。あらら。お互いとことん話し合うがいい!



2007年09月02日(日)
芝居ネタがどどんときたよ+NAHTだよ+NINだよ

芝居って秋〜冬にどどんと来るよねーいっぺんに。まあ夏にどどんとやられても身がもたんので丁度いいのか…。

■コクーンかよ!
まずそこにおどろきだ!て言うのは小泉さんのことではなく、岩松さんのことでもなく、このふたりがおーもりさんと組むってことではなく(これは待ってましたと言いたいくらいだ。『シブヤ〜』も『隠れる女』も『隣りの男』も好きだったし)、おーもりさんがコクーンて大丈夫かよ!ってことだ!(暴言)
まあ大丈夫でしょう(と言ってプレッシャー)
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シアターコクーン2008年2月公演
『恋する妊婦』
作・演出:岩松了
出演:小泉今日子、大森南朋、鈴木砂羽、荒川良々、姜暢雄、平岩紙/風間杜夫 他
チケット一般発売:2007年11月下旬(予定)
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メンツもいいですな〜

■ヘドウィグ再演
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2008年4月4日(金)〜5月6日(火)@新宿FACE
チケット一般発売:2007年12月15日(土)
ヘドウィグとバンドメンバーは続投、イツァークはソムン・タク(SEO MOON TAK)
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おしゃー!!おらおらおら!!

■横浜・マシュマロ・ウェーブが震災時帰宅を描いた作品で体験ハイクを次々実施
相変わらず面白いことをやっている。復活してから逃し続けているのでこれは観に行きたいなあ

■蜷川演出で『ガラスの仮面』
脚本は青木豪さん@グリング。
…こ、これは……マヤと亜弓さん(どうしても亜弓さんにはさんを付けてしまう)はオーディションってのもかーなーりーギャンブルですな。でもまっさらのコがやる方がいいかも知れん、あの役の訳だから。
しかし…音楽劇……?

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NAHT『IN THE BETA CITY』Release Tour 2007@UNIT

開演時間を間違えてDischarming manは観逃した…。そして絶不調だったのでまあ半ばぼんやりと観ましたがeyもNAHTもいいライヴだったー。
カワイ“ダンディマン(吉野さんが言った。喋り口調も真似して大ウケ)”セイキさんはダンディであった。ダンディな声でダンディなことを話していた。ダンディな声だけど唄う時は高い音域ばっかり使うのは何故?低い歌声も聴いてみたいなあ(ぜいたく)
それはともかく新譜からの曲も昔の曲もダンディで格好よかったです。ふらふらしつつ踊って楽しかったー。丁度前日『極東最前線』聴いてて(なんかAmazonでは結構な価格になってるけど、普通に定価で新品売ってるの最近見たぞ)あー斉藤さんがいる時のライヴ結局観れなかったなあと思ったんだけど、サウンドチェックの時ステージに出てきていたので「!?」となってたら、1曲ゲストで演奏してくれた!嬉しかったー

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■おこっとるー
相変わらずツアー中のNINですが(来週にはもうアジアに来てんだよね…)ドイツのRock am Seeフェスでトラブってレズナーさんご立腹です。ブログにF**Kと8回も書いてる(苦笑)
持ち込んだ機材に必要な電力をフェス側が用意しきれなかったようで、その準備が出来なかったことに対していろいろ弁解を並べられたと。そういうのは事前に打ち合わせしとかんのか。きっちり詰めときましょうよ…規模は違うけど似たような事例をこないだ聞いたばかりなので、しっかりしてよと思いますね…。
呼ぶ方は「ウチに好意を持っているから来てくれるんだし、ギャラも払うし」だけじゃいかんですよ。来てくれるひとに対して敬意を払い、それに叶う環境を揃えないと

■ジョシュのひとがらがしのばれるー
で、オフィシャルにその時の様子の動画があがっています。むちゃ怒っとる。その後のツアーバスで文句言ってる(と言うか、観客に対してきちんと説明したかったんでしょうな…ここらへん人柄が……)の迄あがっとる(苦笑)。で、そこでトレントが「ほんっとにこのフェスは云々最低云々どのくらいクソだったかと言うと」と喋ってたら、横からジョシュが出てきて「『キングコング』観たー?あれは最低だったねー!」とか言いだすの(笑)

■ドイツといえば
次のライヴって、アレック帝国とやるんですよね。おおう



2007年09月01日(土)
『金刀比羅宮 書院の美』+ちょっと芝居ネタ

『金刀比羅宮 書院の美 ―応挙、若冲、岸岱』@東京藝術大学大学美術館

いんやもう応挙のとら(『遊虎図』)がかわいくてかわいくてきゃわゆい!きゃわゆい!ばかり言っていた。なんか虎の間(=表書院の障壁画)だけ空気が違う感じだった(笑)かわいい〜かわいいね〜とちいさな黄色い声がとびまくってましたよ…そりゃグッズも大人気ですよ……。ところでこの虎の間、一匹だけひょうがいましたよね。あれひょうですよね。

この虎の間は全てホンマモンが来ていたのですが、複製ものも結構あった。しかしその複製っぷりがすごくてですね…いやホンマモンと見比べた訳ではないけど。キヤノン協力で撮影スキャン→インクジェット出力してるものだったんですが、こういう技術が発達して、重要文化財を広く展覧会に出せるようになったのはいいことですねえ。勿論ホンマモンが観られるのがいちばんですが。

で、若冲の『花丸図』は原画が相当傷んでいるようで、その傷みともどもガッツリ複製。描かれているものは植物の細密画200点あまり。花がしおれたものもあるし、葉が変色していたり、虫喰いも描かれている。これがなんだか画の傷みと似合っていた。描きあがったばかりの頃はどんな感じだったんだろう。240年の時を経た今、また新しい魅力も出てきているのではないかと思った。

岸岱は『富士巻狩図』が素敵だった!鹿狩りの図なんだけど、ひっくりかえってるしか迄細かく描いててかわいい。いやしかはかわいいとか言われてるどころではないのだが。色数は少ないんだけどとてもカラフル。地色に金色を使っているものが多かったので、背景が白一色だったこの絵の間はひときわ明るかった。

かなりの動員な上、襖絵メインの展示なので各間がパーテーションみたいになっていて、会場が入り組んでおり相当混雑していました。まあこれは、書院通りの間取りにしようと考えた末のレイアウトなのだろうから仕方ないかな。

同時開催のコレクション展『歌川広重《名所江戸百景》のすべて』も面白かったです。グラデがすごい綺麗だったー。

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■この話が通じるひとは少なそうだ(笑)
帰りにタイスキ食べに行ったんだけど(上野=タイスキみたいになってる)、隣の席のひとが『ラフカット』について熱く語っていてビビる。'97〜'98年くらいに脚本書いた女のひとって誰だったっけーって話をしていて、それは飯島さんか鷺沢さんだよ…と思ったけど言えなかった。いや、言うと気味悪がられるだろう。
あとどっかの劇団のチケットノルマの話をしていてこれにもビビる(笑)

■papyrus14号『阿佐ヶ谷スパイダースの存在理由』
特集されとりますがな。写真もいい感じでした。演劇誌とはまた違った視点からのテキストで面白かったです。と言うか、最近の演劇誌はどちらかと言うと情報誌なので、公演前の作品についての記事が多くなっちゃうから仕方ないのか?しかしここらへんは、長塚くんの「演劇界は産んでから育てない」って言葉にも繋がる感じがする。現代のストレートプレイで四演、五演されてる作品ってどれくらいあるだろう?
にゃきゃやまさんフジ行ってたんだ。何日目に来てたんだろう。フジと言えば善ちゃんに遭ったことがあったなあ。
さて、某誌の特集はどうなることやら。これは阿佐スパ側からはどうしようもないことなので何だか嫌な感じですな