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2004年02月29日(日)
パパ・タラフマラ『ストリート・オブ・クロコダイル 計画2』

パパ・タラフマラ『ストリート・オブ・クロコダイル 計画2』@スパイラルホール

偶然ですがワニ続き。スパイラルくらいのスペースで観られるのっていいね!ステップのダン!ダン!って音が近いし、振動も伝わってきて迫力だった。

ブルーノ・シュルツの『大鰐通り(ストリート・オブ・クロコダイル)』、ヴィトルド・ゴンブロヴィッチの『コスモス』がテキストとなっていました。が、小池さんが言うには「あらすじを読みとるような物語ではありません」。戦争、家族、都市に生活する際の孤独、現代に生きるひとたちの闇の部分。それを感じつつ観る、聴く。それでいいんだと。それが心と身体に入っていけばいいんだろう。面白かった。

街の住人たちがケイオス状態になってどかどか切れ目なく踊る時の躍動感と言ったら。家族を家族と確認しあわなければならない、わざわざその方法を探さねばならない不安感と言ったら。生け贄を差し出さなければならない町の仕組み。ここに住まなければならないのだろうか?いや、どこに行っても同じだろう。舞台に出てきたねこのぬいぐるみのように、それを抱えた女の子のように、泣きそうになりながら町をうろつく。

「彼らは恐怖と、逃亡生活と、破綻した精神性を抱えている。だから、彼らの行為はきわめて単純ではあっても重くのしかかってくる何かを孕んでいる。」

SCAI THE BATHHOUSEでやった『計画1』を観られなかったのは残念。ここ雰囲気もいいんだよね、銭湯跡で。帰りに谷中墓地を通るとねこがいっぱいいます。

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■大丈夫かいな
といつも言ってるような気がする菊地成孔・ワーカホリック。パパタラ公演が終わって外に出ると、同じ建物の地下にあるCAYでスパンクハッピーがライヴするんで行列が出来ていた。点滴打ちつつやったそーですが大丈夫でしたでしょーか

■うさぎ(本物)
のいる呑み屋を表参道に見付けたー。看板にうさぎの絵があるから以前から気になっていて、この日やっと入ったのだが本物がいるとは!席に案内してもらった時お店のひとが「あの。うさぎはお嫌いですか?」なんて言うから「……うさぎ料理?」と思いつつどう返事しようかと足下を見たら、かわいいのが1羽!むくむくしたのが!耳のたれたやつが!ぎーやーかわいい!帰り際友人が、お店のおかみさんに「うさぎ料理が出るのかと…」と言ったら「ははははは!そうねえこの子、今が食べごろかもねえ!」だって(大笑)
料理うまかったーデザートもうまかったー。あとフレーバーティーがいろいろありました。飲食店に動物がいるのに抵抗ない方は是非

■と言えば
シモキタの茄子おやじ(カレー屋)んとこのねこもでっかくてかわいいよね。すんごい慣れてる(と言うか多分あの店でいちばん偉いんだよ…)

■『LYNX』千秋楽
確保出来ました……バタリ



2004年02月28日(土)
タ・マニネ『ワニを素手でつかまえる方法』

タ・マニネ『ワニを素手でつかまえる方法』@PARCO劇場

ひとは誰でも時間に縛られている。場所にも縛られている。そこから抜け出すか、とどまるか。動いた場合、それは前向きか、後ろ向きか。好転するか、ドン詰まりか。以下ネタバレしてます。

岩松さんの舞台には、必ず隠されているシーンがある。舞台上に姿を現さない、もしくは装置に遮られて見えない(階段を使うことが多い)女と、観客から見える位置に立つ男の会話。不可視の情景は、居心地が悪い。そこにいるのが分かっているのに、何をしているか、どんな表情でその台詞を喋っているのかが目に出来ない。表情から真意を窺うと言うことが出来ない。不安がかきたてられる。

そして、舞台上で起こらないこと=舞台の外で起こっていることに拘束される登場人物がいる。舞台上に出て来ない人物に縛られる。今回はそれは、主人公が殺した男、ヤクザの組長の娘、小説家と浮気をしているホテル従業員の妻、売春婦の母親の承諾無しに息子が養子縁組を決めたアメリカ人夫婦。会話の中にしか現れない彼らは、会話の中からしか窺えない波風をたて、直接は手をくださないのに、その相手を徹底的に破綻させる。

絶対心地よくは観られない芝居。笑うことにしても居心地が悪い。バツが悪い。どうしようもなくむず痒い。そこがいい。岩松さんの舞台を観ている時は、「自分ってマゾかもなあ」と思う(笑)。

ひとくせもふたくせもある役者陣がまたハマるんだよね!揺らぎの男・小林薫さん、壊れゆく女・片桐はいりさんがやっぱすごかった。緒川たまきさんも、時々見せるファナティックな面が怖くてよかったなあ。徳井優さんも切なかった。待つしかないって消耗するよ。

それにしても荒川良々くんが…(笑)岩松作品でこんなにシュールな展開って、最近のものでは珍しい。これは良々くんがいたからこそなんじゃないかと…当て書き?ストレートに解釈すれば、組長の娘さんが好きで好きで、娘さんが好きなものは自分も好き、娘さんが好きなもの(=ワニ)になりたいなと思ううち本当にワニになってしまう。うっわーすっごい純じゃん!この一見穏やかなふりして実は底はドロドロ(そしてそれを清々しいルックスのままで見せ切ってしまうとこが岩松さんのすごいとこだと思う)の話の中で、唯一の清涼剤!泣きそうになりましたよ…ワニになっちゃったのに…。

いやあ、しっかし田中哲司さんは格好いいね〜。ああいう悪意のひと(笑)で色気が出せるのが素敵です。『セカンド・ハンド』あたりを思い出した。

そうそう、薫さんと哲司さん宛に、大森くんから花が届いていました。哲司さん宛の花が、真っ赤なバラとカーネーションを組み合わせたものですっごい綺麗だった!かっこええ〜、哲司さんに持ってもらいたい!大森くん本人が見立てた訳ではないだろうけど、ちょっと嬉しくなっちゃった。

あ、それから、タイトルのことは何ひとつ教えてくれません。ワニを素手でつかまえる方法なんてわかりませんでした(笑)

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■あったり〜
あの後気になって調べてみたら、携帯(FOMAだった)CMの音楽、イシイくんだった。小西康陽さんバージョンもあったらしい、こっちはオンエア終わっちゃったのかな、聴いてみたかった〜
「FOMA 900i featuring Kyoko Hasegawa and Ken Ishii」(TOP>CM Library>900i デコメール篇)

■大丈夫だよ!
俊太郎が「ケガが治ってない頃に撮ったんで、コルセットがチラチラ見えているのが気になる」と書いていたのでドキドキしつつ、AUTO PILOT「C-C-C」のビデオクリップ初見。大丈夫だよ、素人目にはわかんないよ!いやあ、大事に到らなくてホントよかったよね…

■げ〜!
フジロック、今年は7月30日〜8月1日。それはいい。それはいいんだ。問題は、今回チケット発売が3日間通し券のみってとこだよ!ちょっとそれは……き、厳しい!(泣)



2004年02月25日(水)
最近のヘヴィロテ

これもなんか思い出話に…なんですかね、燃えつき症候群ですかね(笑)デカいヤマを終えるといろいろ振り返りたくなるのかねえ。

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■AUTO PILOT『WHITE LIGHT RIDE』

数年前のある夜、聞き覚えのない男の声で電話がかかってきた。酔っ払っているようだ。イタズラ電話かなと切ろうすると「実はPOINTERのメンバーです」「…はぁ!?」ビックリするがなもう!

「な、なんでTEL No.知ってるんですか!?」「今飲みながらアンケート読んでるの」。…確かにライヴハウスでアンケートを書いた。当時はwebも発達してなかったし(笑)いちばんてっとり早いのは、アンケートを書いてインフォメーションDMを送ってもらう方法だった。そのDMがぱたりと途絶えていた頃だった。ライヴもしばらくやっていなかった。

「何でかけてきたの?」もうタメ口です。「う〜ん、えへへへへ」「…つうか誰?」俊太郎ではない。声が違う。「誰だと思う?」「わかんない。城くんじゃないし…瀬尾くん?」「ジミーでぇす」「あはははは!ジミーか!」「三木もいるよ」「ええ〜?…で、何で電話なの」「暇でさあ」「いやだからって。アンケートにTEL No.書いてるひと皆にかけてるの?」「そう〜。へへへへへ」「…暇だねえ」。

どうでもよさげな話をしばらくした後「ライヴの予定はないんですか?」と訊いた。途端に歯切れが悪くなった。「う〜ん、う〜ん。そのうちね」「うん、楽しみにしてるから」「うん」「待ってるよ」「うん」。

それからしばらくして、POINTERから俊太郎が脱退したと聞いた。そのまま解散、になったんだろう。

東京でのPOINTERのライヴには9割以上行っていたと思う。取りこぼしたのは3本くらい。それ程短い活動期間だった。ULTRA POPも突然解散したし、高畠俊太郎にはいつも危なっかしさを感じている。昨年の夏頃に彼はバイク事故に遭って、今回のアルバムのリリースが延びた。死ななくて本当によかった。こういうことをシャレじゃなく言うのってのは嫌なもんだ。ホント勘弁してくれよ、心配かけないでくれよ。

危なっかしいとは言え、このひとの作る音楽はいつも信用出来るし、好きな音が聴けるし、詞も好きだ(あんまり詞に耳が行く方じゃないんだが、彼のは例外だなあ)そして声が大好きなんだなー。ギターは轟音。絶対轟音。静かな曲でもギターは轟音。好きなひとは絶対好きな音。今回もそれは変わらない。変わらないけど、このアルバムにはタイトル通りの光をすごく感じたな。今聴けてよかった。今俊太郎がこういう音をやってるってのは嬉しい。それを聴けるのは嬉しい。

あ〜そうか、好きなことを好きな時に好きなようにやることに妥協しないから、結果として危なっかしいことになるんだな。それを続けられてるってのもすごいよな。そりゃ大変なこともあるでしょうが。うーん、やっぱ好きだ、このひと。

ところでこれのジャケットワーク、横尾忠則氏のY字シリーズだなあ、でも見たことないパターンだな、インスパイアされたのかなあなんて思っていたら、本人の描き下ろしだってよ!ビックリしたー!アルバム購入特典で、これのB1サイズポスターが貰えた。ラッキー、パネル買って来て飾ろう。

あ、あとオフィシャルサイトがグレードアップして、俊太郎の日記が読めるようになってるのも嬉しいです。ちょっとしたことで浮いたり沈んだり。その繰り返し。で、そこに光を見付ける。そういうのって大事大事。

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■坂本龍一『CHASM』

9年振りのオリジナルアルバムって…『SMOOCHY』以来ってことか!シェー!企画ものとかピアノものとかボサものとか、コンスタントにリリースはあったし、SKETCH SHOWにも参加していたので久し振りって気がしないなあ。きゅ、9年…。

久々に“坂本節”を満喫出来て嬉しい限りです。あ〜でも「SEVEN SAMURAI」のエンドテーマじゃなくて、CMに使われてた曲が入ってないのが残念!あれ好きだったのに〜ゲームの中では鳴ってるんでしょうか。ゲームやらないので聴けない(泣)

アルバムを購入したひと対象にアンケートサイトが出来ています。60数項目ある質問。教授らしくて面白い。「bridgeSKMT」と称して今後展開していくそうなので、楽しみ。

久々ついでにライヴも聴きたいなあ。しないかなあ。

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■KEN ISHII『INTERPRETATIONS』

CD&DVDの2枚組リミクス&クリップ集。teevee graphicsのやったやつが面白かった。この絵癖、どっかで…と思ったら、まりん(と未だに呼んでしまう)の「LOVEBEAT」のクリップ手掛けたとこだそうで!これは面白いよねえ、デジタル画像の展開だけでこんなに目が離せないってのが。

特典映像で、イシイくんの海外ツアーの様子が観られるのも楽しい。このひとはいつでもこんな感じだね。これからもこんな感じで行けるといいね。

そういや最近携帯か何かのCM音楽やってないか?ちらっとしか聴けてないんだけど、第九のリミクスみたいなやつ。あの音質、イシイくんだと思うんだけど。クレジット出てるかな?

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■DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN『MUSICAL FROM CHAOS』

『STRUCTURE ET FORCE』は昨年聴き倒してましたが、ライヴ行くと燃えるものがまたふつふつと。先日のライヴはホントよかった、また聴きたい!でも当分ない!と来てライヴ音源のこれ。燃〜え〜る〜!!

「CIRCLE/LINE〜HARD CORE PEACE」ってパール兄弟の「地上げ屋ストンプ」を思い出す。曲調がって言うんじゃなくて構造に通じるところがあるような気がする。

ところで8月25日に新生新宿リキッドルームでライヴ決定だってよ!行けるといいなあ、行きたいなあ。もう年内は都内でライヴはないかも、って聞いていたからすごく嬉しい。

新生リキッドってどこに出来るんだろう。小綺麗なとこだったらどうしよう。リキッドと言ったら、ビルの7F迄の階段を息も絶え絶えになって上って、ロッカーに荷物を放り込もうとしたらもう埋まっててどうでもよくなってそこらへんに投げ置いてても不思議となくならず(これは単にラッキーだったのか?)、跳ねたら床がグッラグラに揺れ、空気が薄く、火事になったらきっと皆死ぬってな恐怖感を感じつつゲラゲラ笑って踊るとこってイメージがあるので、そのイメージを損なわないものを宜しくお願いします。…嘘です。出来れば消防法にひっかからない程度で、なるべく低い位置にあるのがいいです。天井低いのは歓迎。空気薄いのもそれなりに歓迎。うさんくさくて、ヤバげで、小汚くて、でもハッピーな場所になることを祈ります。



2004年02月24日(火)
早稲田劇研の思い出話(笑)

最近何をしているかと言うと、高橋洋くん出演作品のデータベース作り。いや、自分ではサイトは作りません(笑)が、資料を結構持っている筈なので、ひとさまのとこのお役に立てそうだなあと…東京オレンジの頃の配役表とか、探してみようと。高橋くんのプロフィールって東京オレンジ時代のことに触れられてないけど、お、オフレコなんでしょうか…だ、大丈夫だよね、書いても。

当時早稲田大学演劇研究会の活動は結構マメにチェックしていました。その頃の劇研は、双数姉妹がメインアンサンブル。活動拠点の大隈裏に足繁く通っていました。そんなある日、お世話になっていた某制作の方が「今度新しいアンサンブルが出来るよ」と、東京オレンジ旗揚げ公演の招待券をくれたのです。その後4作目くらい迄は観に行ってました。

しかしこれに高橋くんが出ていたとは…殆ど憶えてないんだよね!(笑)勿体ない!このアンサンブル、堺雅人くんが看板って感じでやっていたので、その対極の役をよくやっていたと思う。やっていた…筈。

数年後ニナガワカンパニーダッシュの『1998・待つ』を観て「なんかすごいのがいるなあ…誰だ、あの役者さん?」ってキャスト表調べる迄、同一人物とは気付かなかった。ホントビックリした。数年で急成長したってことなのかな…蜷川さんとこで自分のやりたいことがハッキリわかったってことなのかな。何かの記事で「ちゃんと演劇をやってみようと思って」ニナガワカンパニーに入ったと言っていたので、高橋くん自身は、自分の役者としてのスタートはここから、と思っているのかも知れないな。

早稲田劇研って今どうなってるんだろう。第三舞台、山の手事情社、大/早稲田攻社→ZAZOUS THEATERのあとに双数、オレンジって感じだったよね。どんどんプロになって出て行った。双数の『ソビエト〜マヤコフスキー生誕100年〜』の時だったかな、野田秀樹さんが観に来ていて客席が異様な雰囲気になったこともありました(笑)数カ月後、苅部園子さんが『キル』に大抜擢されて「ああ、苅部さんを観に来ていたのか!」と。その後、明星真由美さんもNODA・MAPに出演していた。苅部さんも明星さんも、今は役者業を引退している(明星さんは氣志團のマネジャーで有名ですな(笑))。どちらも素敵な役者さんだったので、やっぱり残念だな。いや、今やってることが自分で気に入っているのならいいんだけどね!こっちがとやかく言うことじゃないしね!

最後に大隈裏に行ったのは『コサックTOKИOへ行く〜featuring東京オレンジ〜』だったと思う。テントならではの濃密な空間を体験出来て楽しかったです。ここでしか出ない空気ってのはあるよね。う〜ん、また行きたくなってきた。今も面白いことをやっているかな。



2004年02月21日(土)
『Hamlet』

『Hamlet』@東京芸術劇場 中ホール

噂通りの画期的なハムレット。キャスト10人で全ての役を演じ、転換も舞台上の人物が行う。台詞劇の『ハムレット』をこういう風にもやれるんだなあと、翻案として楽しめました。ハム初見がこれのひとはどう感じるのかな。以下ネタバレしてます、注意。

音楽劇として、元の台詞をあまり変えずに歌にしていたのもすごいなと思ったが、興味をひかれたのが振付。出演もしている舘形比呂一さんがつけたもので、これが面白かった。踊りの部分だけでなく、所作ひとつひとつを振付しているんです。役者たちのスキンシップが殆どない。従来ではハムレットがオフィーリアを突き飛ばしたり随分乱暴な動作をすることが多い「尼寺へ行け!」のシーンも、ハムレットはオフィーリアには全く(確か)触れずに、彼女の持っていた祈祷書を奪って床に叩き付けると言う動き。終盤のハムレットとレアティーズの決闘シーンも、剣は一度も触れ合わない。

演者としての舘形さんもすごかった。メインクレジットはフォーティンブラスとなっていましたが、冒頭のハムレット(先代の王の方)の亡霊も彼がやっていて、どちらも顔は全く見せないんです。台詞も全くない。マントから出た腕の動きだけで、殺人を告発する先代の王の怨恨と、未来のデンマークを担うフォーティンブラスの不安(に見えた。不穏だった、あまり希望は感じなかった)を伝える。こ、これは鳥肌たった。先代フォーティンブラスは先代ハムレットに殺されているので、この先代ハム→今のフォーティンブラスが、先代のフォーティンブラスにも繋がってループしているようで、結局争いが絶えることは永遠にないんじゃないかと思わせられてガツンときた。

舘形さん同様、役者は全員メインの役を演じる時以外はフード付きのマントを着てコロスに転じ、個を消します。フードをとったら役に戻る。えっ、今迄どこにいた?と次のシーンにすっと入れる。これが舞台転換の混乱を感じさせず、非常に効果的だった。初演はマントではなく仮面のみだったそうなので、これは改良されたってことなのかな。とても観やすかった。

あと植本潤さんのオフィーリアが!かっわいい〜かわいそう〜!笑わすところは思いきり笑わせてくれるんですが、狂気のシーンとの振り幅がデカくて。ヅラとかひっぺがしちゃってすっごいおかしいんだけど、その後の花言葉のシーンでは、スキンヘッドのままなのに客席が静まり返った。植本さん、夏にハムレットを演じるのですっごい楽しみ。

ハムレットとホレイショーのやりとりがモロ宝塚調だったので、正直序盤はとまどった。切り替えれば気にならないんだけどね。あとホレ好きとしては、彼の位置がちとひいてる台本になっていたのが寂しかったわ。ハムは今迄観た中でもズバ抜けて男前でしたが、その分ちょっと、王子としての悩み、復讐へのゆらぎが弱く見えてしまったのが残念。

コロスの設定がとても面白かったし、フォーティンブラスが去って行くラストシーンがとても印象的だったので、本音としてはここで終わってほしかったのですが…うう〜ん、最後の歌はどうなんだ?やっぱりフィナーレとして楽しく終わらせなければならないのだろうか、そのままカーテンコールに繋がったし。ミュージカルに関してはホント不勉強なので気になって…こういうものなんですか?個人的にはあのぞわ〜と来る雰囲気のままで終わってほしかった。

とまあぶつぶつ書いてますが、面白かったですよ!

あ、あと映画版の『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』を観ているひとにはニヤリとさせられる部分があります。偶然らしいけど、ちょっとビックリした。あの旅役者たちはいろんな解釈がされているが、やはり不吉なものなのかも知れないな。彼らはあのあとどこへ行ったんだろう。

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■こんなにいるのか
ニッソーヒ『ドライブイン・カリフォルニア』先行発売のため、ローソンへ行ったらロッピーに行列が出来ていた(笑)私は3番目だったんだけど、並んでる5〜6人全員が『ドライブイン〜』のDM持っててさ!自分ちの近所にそんなに大人計画観てるひとがいるんだ…とちょっと怖くなった(笑)
チケットは1番目のひとしかとれませんでした。マジかよ…本多狭過ぎるよ…

■連敗
翌日『LYNX』先行。ロッピーで1番、おっしゃ!と思ったのもつかのま、千秋楽は完売。どうなってんだ〜やっぱりジャニーズファンの人口ってすごいんだね…その規模の強大さを今回まざまざと思い知りました。いや、普段あまり縁がないのでね…

どっちも一般がんばろう。がんばってとれるもんならがんばるけどねえ、もう運だからね〜(泣)

■QOTSAその後
なんかニック、クビにされたって言ってますよ…もう〜ドロドロしてきた〜(泣)



2004年02月20日(金)
というわけで

joyrideに来てくださった皆様、2年間お世話になりました!長いような短いような、いやしっかしすっごい濃い〜2年間でしたよ…いろいろあった。

サイト自体は残すそうですので、データベースやコラム等参考になさってください。うーんと一応リンクは外さないでおこうか…先日、初めて「大森南朋」で検索した時、ここがまずひっかかってそれでjoyride知ったって方からメールを頂いたので…いやはやその節は。見付けてくださって嬉しいですよ。

ほんと有難うございました。この言葉この数日で何回言ったことか(笑)一生分言った気がする、まあこの言葉は何度言ってもいいもんですな。

ここはまだ当分やります。今迄通り節操ありませんので、何か被るキーワードがあったらご覧になってみてくださいな。それではまた!



2004年02月15日(日)
DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN

DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN@SHIBUYA-AX

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セットリスト

01. CATCH22
02. PLAYMATE AT HANOI
03. 構造1
04. STAYIN' ALIVE
05. HEY JOE
06. CIRCLE/LINE〜HARD CORE PEACE
(MC)
07. 構造5

encore
08. 構造4
09. MIRROR BALLS

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チケットを家に忘れてきた…QOTSAショックですかね…まあ他にもバタバタしてたしね、トホホ。呆然としたままサガラさんに促され、とりあえず受付で「…と言う訳なんですが、やっぱりダメですよねえ…?」と訊いてみる。ダメでした(笑泣)芝居だったら大丈夫なこともあるんだけどなーとボヤいてる暇はない、当日券が出てるんで、それを買ったら入っていいよと言われる。家にとりに帰るか?菊地成孔に計¥7,500払うか?……DCPRGって1曲単位もいいけど…いやでもライヴとなると流れが最高なんだよ!ためてためてドカンと来た時のハイっぷりがさ!途中からなんて…途中からなんて。てな訳で当日券購入。ホントはこれでTシャツ買う予定だったのさ。ああ、自分のバカバカバカ。

負け惜しみじゃないぞ、トップから観てよかった!これこれ、これですよ!満喫しました約3時間。不協和音が絶対音感の和音に聴こえる瞬間みたいなのがあるんだよ、この瞬間を逃せないわけですよ。インプロでアタックがガッチリ合うんだよ、剛腕揃いのプレイヤー集団だからな、この瞬間がたまらないわけですよ!

インプロに次ぐインプロで演奏時間が長くなり、当初のセットリストから何曲かスッ飛ばしたそうですが(笑)万事快調。菊地さんのロングコート(毛皮)姿にも笑わしてもらいました(愛だよ、愛!)あんな長いの着てライヴすな!暑かったか途中で脱いでました。

そしてここでもチェックミス(泣)この日のライヴはViewsicで生中継だったそうで。ああ録画しそこねた…。それもあって菊地さんの毒舌もそこはかとなくソフトです。サガラさん(10数年前PIT INN通いをしていた猛者)曰く「菊地くんが喋らないで演奏続けるから気持ちが悪かったわ」。ははははは!そして「こんな音楽がAXをいっぱいにするようになるとはねえ…」。思わず年寄り談義です。ははははは、最高だぜ!世の中捨てたもんじゃないぜ!と必死に思ってみる。この必死さが、DCPRGを聴く時には頼りになる、個人的には。

以下菊地さんのソフト毒舌(自虐含)MC抜粋。

■ヘアコンタクトはすごいんだよ、どんなに水かぶっても女にひっぱられてもとれない。かつらが飛ぶとこ見せたかったんですけどね
■(客から「ドイツの話ー!注射針ー!」と声がとんで狼狽)ばっ、ひゃはは、何言ってんだ!
■夏はまたフェスに出ますよ。どのフェスかはまだ言えないの。…ちょっとつっこめば言うと思ってるだろ!言わねえぞ!フジロックは出ません!3年連続出場の夢はついえました。あのねえこれは大友良英のせいなんだよ!(笑)いやいや、ONJQのツアーが先に決まっててね
■クレイジーケンバンドのおかげで、ウチみたいな、移動だけで何百万もかかるような、穀潰しバンドに予算が出る訳ですよ。P-VINEはねえ、ホントクレイジーケンバンドで…クレイジーケンバンドに拍手を!
■(もたもたCD-ROMを探してて、客から「早くしろー!」と声がとぶ)はっ、ごめんね。基本的に…ノロマでさあ…
■この曲を、死んだパパに捧げます

最後のはシャレに聞こえなかった。菊地さんの日記(じゃないんだっけ、今は)を読んでるひとは誰でもそう思うだろう、フロアがしんと静まり返った。このあと彼は、ロイ・オービソンの「夢の中に」と言う曲をかけた。

客層は広かった。日曜、しかもオールじゃないと言うことで、普段来れないジャズ好きの大人が来たって感じかな。50代だろうひとも結構いた。メンバーにも50代いるしね。ホント格好いいオッサンたちです。

音はあんまり良くなかったですな…AXはほぼそうなんですが。リキッドがなくなったのはやはり痛いな。

それにしても菊地さんて格好いいよね(笑)サガラさんとも話したが「超文系なナリなのに兄貴度高いよね」「今堀恒雄(呼び捨てかい)が兄貴度高いのはわかるんだけどさあ」「『キクチー!』って怒号が飛ぶもんね」「大学でレコ評ミニコミ作ってる先輩って感じなのにね」。あはははは!若者からは兄貴と慕われ、大人からは「洋輔のとこにいた小生意気な小僧」ってかわいがられてるのかもな。ははははは!うーん、こういうこと書くと菊地さん怒りそうだな、ごめんね。私はティポグラフィカのお兄さんってイメージです。歳がバレるな(笑)

****************

■こういうことってあるもんだね…
帰り道『カメレオンズ・リップ』の話になって、「槍ちゃん(生瀬さん)がさ〜」と言いつつ信号待ちをしていたら隣にスレンダーな男性が。見上げてみたら手塚とおるさんだった……うわ〜聞かれちゃったかな(恥)夕方NHKで『マッチ売りの少女』やってて、観てきたばかりだったんで尚更ビックリした

■そういや
AXでMAGIC ROCK OUTのポスターをぼんやり見てる時気付いたんだけど、THE DISTILLERS来るんだよな。QOTSAのジョシュって、今THE DISTILLERSのツアーに付いて回ってるんだよな。MROも来るのか?QOTSAがあの状態の時に来るのか?来るのか?………うえーん(泣)



2004年02月13日(金)
『紀雄の部屋』

『紀雄の部屋』@TOLLYWOOD

高岡蒼佑くん初の主演映画。これがメジャーデビュー作となる深川栄洋監督は、この公開で動員が4割行ったらポレポレ東中野で長篇デビュー!って企画も組まれてます。がんばれー。以下ネタバレしてます。オフィシャルサイトはこちら

やー…なんか、よかったわあ。愛らしい作品だわあ。また観に行きたいわ。多分今迄女の子と付き合ったことがないだろうプロレスオタクの薬学部生・紀雄が、大好きなんだけどなかなかそれをうまく綾子に伝えられなくてな。でも何とかつきあうことになって、でもつきあい方がわかんなくて、恋愛シミュレーションのゲーマー・森下先輩に、どうすればいいか聞いてばかりでな。その時点で間違ってるんですが(笑)初めての彼女(多分)をどう扱っていいかわかんなかったんだろね。

その不器用さにちょっとかわいさを感じてるであろー綾子もアニメオタクで、『未来少年コナン』の台詞を暗記してたりする。未来少年?名探偵じゃなくて?…そう、21歳と言っていた綾子は実は27歳なのでした。彼女も歳下の紀雄とどうやってつきあったらいいか微妙に迷っている様子。そこへ「ハタチになったばかり」の森下先輩の妹が現れ、綾子のことを「オバサン」扱い。紀雄にもその秘密をばらしにかかって…。紀雄、モテモテじゃん!しかもこんな美女ばかり!

そーなんですよ、紀雄って「キモイ!」「キショイ!」って言われるようなオタクくんで(ええと〜これからオタクへの偏見をいっぱい書きますのでごめんな。まあ自分もある意味オタクだけどなー)綺麗好きではあるものの、服にも髪にも気を遣ってないし、女の子と話すと挙動不振になったり、大好きなレスラーさんをカメラ持って出待ちしちゃうような子なんだけど、優しいやつなんだなあ。綾子が自分との歳の差のことを告白した時も、責めたりしないでうまく流しつつ聞いてあげる。綾子も「あなたと歳が離れてたんでつい嘘ついちゃって!」なんてことは言わないんだな。ここらへんのやりとりは面白かったなあ…深川監督ってこういう機微を書くのが得意なひとなのかな。うまいなーと思った。じわっときた。

それにしても高岡くんのオタクっぷりは見事だった…もともと顔の綺麗なひとだけど、それを割り引いても気持ちが悪かった。声も高めで、いちいち癇に触るようなキンキンした喋り方するしさー。殺せもしないのに「殺すぞ!」って連発するしさー(笑)いや、お見事。森下先輩役の菅原永二くん、同じく先輩(同級生だったかな?)の六角慎司さんのキモさもお見事でした。

そしてつぐみちゃんはかわいかった。いいやん27歳!悪いか27歳!こんなかわいい27歳!つうか歳をとらない人間はおらんのだよ…そうやって若さに頼ってたら後で大変だぞ森下先輩の妹よ!(笑)森下先輩も「30過ぎたら更年期障害」とかゲームで得た知識を鵜呑みにしないように(笑)ま、若いうちにしか出来ない言動ってありますからね、歳とってからは通用しないぜ〜。



2004年02月12日(木)
マジすか…

QUEENS OF THE STONE AGEからニックが脱けた〜。

つうかマークも脱けたらしい………。

ジョーイも脱けた、いやいるよ!とオフィシャルの掲示板も大混乱しています。その後オフィシャルに繋がらなくなったので(おいー!)真偽は未だ判らず。早く発表してくれよー。

いや…もともと道場みたいなバンドだと思っていたけど……あのメンツでのライヴはもう観られないのか…あああああ。ショックでしばらく立ち直れません。



2004年02月11日(水)
『パルプ・フィクション』

『パルプ・フィクション』@ヴァージンシネマズ六本木ヒルズプレミアスクリーン

過去ミニシアター系で上映された作品を、4つのテーマに分けてセレクトした企画上映『VIRGIN CINEMASセレクト2003』、『パルプ〜』は“クラシック・セレクト”。クラッシック!?と驚いたが、考えてみればもう10年も前の作品なのね。うひーもうそんなに前なのか!フィルムも心なしか傷んでいたようで、ノイズが結構出てました。

とは言うものの。

" everybody be cool, this is a robbery! "
" any of you f**kin' pricks move... and i'll execute every mother f**kin' last one of you!! "
ベェン!ベケベケベケベケ…♪ぎゃー!!!

「ミザルー」がかかった途端にもうブルブルブルっと身震いですよ。ほ、ホントに震えた、物理的に。これと言い『レザボア・ドッグス』のオープニングと言い、もう〜これはずっと変わらないですよ、条件反射ですよ。初めて観た時の衝撃も忘れられません。何度観ても155分の上映時間があっと言う間、いつ観てもホントに面白い、ワクワクする、ゲラゲラ笑う。大好きだー!

今回改めて思ったのは、ハニーバニーのワンピース丈が絶妙だと言うこと(笑)長過ぎず短過ぎず。キュートなのにちょっとエロい。あとユマ・サーマンをこの作品で知ったので、しばらくブロンドの彼女に違和感があったんだった…それにすっかり馴染んだ今、またブルネットのミアを観るとね〜、いや〜ほんっと格好いいよね。いやブロンドもいいんだけど、この黒髪のボブスタイル、ほんっとゴージャス。ツイスト踊る時のシャツの丈も最高。オーヴァードーズでゲロまみれの顔もいいよね…って言うと語弊があるか?レストランで飲んだ$5のシェイクをだらーっと…リアルでさあ。いやODのひとを実際に見たことはありませんが!あのゴージャス女優がこんな〜!鼻血で!ゲロで!

『KILL BILL VOL.1』を観て、「これといい『パルプ〜』のODシーンといい…タラちゃん(敢えてこう呼ぶ)容赦ないなあ(笑)でもそれをガッツリやってのけるユマも度量がデカいなあ」と思ったりもしてたんですが…ホント、ユマはタラちゃんのミューズだねえ。

と、他にも観るとどうにもハンバーガー食べたくなるとかジュールスかっこええ〜とかヴィンセントの踊り最高とか金時計のエピソードはいつ聞いてもおかしいとか、何度も観てて感想なんて出尽くしてるだろーに語りたくなると言う。今回もこんなに書いてるし(笑)それだけ好きなんですよ。

それにしても今観ると、ブッチが日本刀手に取るとこが笑えるわ…タラちゃんの魂百まで。

い〜や〜久々にスクリーンで観られてホント嬉しかった。『KILL BILL VOL.2』の予告も観られて楽しかった〜。

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六本木ヒルズのプレミアスクリーン、初めて行きました。快適ですなあ〜!椅子ゆったり、列間ゆったり、段差大きい、音いい!

しかしこれ、「並ばず買えて楽々!便利!」と言うふれこみのweb予約チケットだったんですが、その予約チケットの発券機が長蛇の列でした…おい。「指定席だから開演ギリギリでいいよね」なんて言ってたけど何とな〜く嫌な予感がして…早めに行ってみてよかった。行列のところどころから「意味ねえな〜」と言う声が飛んでました(笑)



2004年02月08日(日)
『カメレオンズ・リップ』

シアターコクーン・オンレパートリー2004『カメレオンズ・リップ』@シアターコクーン

堤さん久々の舞台、ケラさん初のコクーン、豪華キャスト…そりゃ期待も高まりますよ。ホンットに今回チケットが取れなかった…と言う訳で当日券並び。ケラさんの舞台はなるべく後半に行った方が賢明なんですが(苦笑)ただでさえ今回チケットがない上、日が進むにつれリピーターが増えるだろうから今のうちに行っておこうと言う狙いだったのですが…まさに!これ絶対リピーター増えるよ!以下相当ネタバレしますので未見の方は注意、ほんっとに注意。これから観る予定のひとは読まない方がいい!








え〜と結局、父親と愛人を殺したのは誰だったの?台詞上で明らかにされているのは以下。

・姉(ドナ)が殺した(世間的な見解)
・母親が殺して、姉に罪をなすりつけた(弟談)
・弟(ルーファス)が殺したのを姉が庇った(姉談)

ええと、これだけだったよな…つまりは誰がいちばん嘘つきだったのかってことなんですが。観終わった時点では話の流れにのったまま「姉が殺したんだよな…?いやでもやっぱ弟か…?」とモヤモヤしてたんだけど、帰り道つれと話しているうちに、やっぱり弟がいちばんの嘘つきだったんじゃあと…つまり犯人は弟で、母親が姉に罪をなすりつけたと言うのも嘘。冒頭、姉が生まれながらの嘘つきだったと言う話も弟の仕掛けで、生まれながらの嘘つきは実は弟の方だったんじゃないかと…メディア情報で「堤さんは嘘が下手な詐欺師の役、深津さんは生まれながらの嘘つきの役」って出ていたのも狙ってのことだったんじゃないかと〜。ち、違うか?違うか?ドナが生きてんのか死んでんのかも微妙なとこですよ。明解さはない。

ケラさん曰く「文系のコン・ゲーム」。確かに!騙される面白さもあるけど、正解がなくても構わない=割り切れない=やりきれなさ満載です。真実と事実は違うってことかな。『フローズン・ビーチ』を思い出した…このやりきれなさ。最近のケラ作品は、すっごい笑えるんだけど絶対最後はやりきれない思いを抱えて劇場を出るんだよなあ。『三人姉妹』の挿入も効果的でした。

AがBの問題を解決するために奔走してる間に、その問題を片付ける迄もない結果が出てしまったりってパターンもよくある。その結果ってのがBの死で、それをAは知らないまま幕が降りるとか。今回Aは生瀬さんなんですが。もうこれすっごー切ない。こういう展開、好きなんだけど痛いです。あと弟は姉のカラダを知ってるのに夫は知らないとかさあ、ここらへんも生瀬さんの役回りがさ!もうさ!(泣)あ〜もうどうネタバレすればいいかも判らなくなってきた。

そういや隣の席のひとが「生瀬さんてさあ、あんなだけど格好いいよね〜…」だって…。「あんなだけど」て!あんなだけど…そうね、あんなだけどね……(笑)いやマジで格好いいです。声も立ち姿もいいんだよね〜。

ケラ演出で中越さんの装置が観られたのは新鮮だった。雨使いが美しかった!ストーリー的には中盤ちょっとユルいところがある(まあこれはケラ作品では故意のものなんですが。ユルいのが故意ってんじゃなくて、本筋と関係ないと思われるエピソードがてんこもりのとこがね。で、後述するけど、ナイロンでやったらこう言う部分も間延びしないじゃないかな)んだけど、この雨のシーンで帳消し。こんなに美しいのに悲しいキスシーンはもうね〜、もうね〜!(泣)もうすげえやりきれなかったよ…。

役者陣は流石のメンバー、1週目とは思えないくらいの出来。ナイロンの役者さんだったらこの台詞もっと笑える(役者の見せ場に持ってこれる)よなあ、と思う箇所もあるにはあるけど、そうではないところの見せ方がやはりいい。う〜ん、やっぱり今回は、よりほろ苦なストーリーだな。切ない。切ないばっかり言ってますが。

最後に気になるところをひとつ。最後のシーン、ドナとエレンデイラはどうやって入れ替わった!?ドナになってからの女性は深津さんのダミーだったのかなあ…顔見せなかったし。あの早変わりは1人じゃ出来ないよね?気になる!ここだけでももう一度観て確認したい〜!

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■ちなみに
当日券は、発売1時間ちょい前から並んで補助席でした。最後の2席だった(2階席最後列)…すべりこみセーフ。3時間↑の上演なので、立ち見のひとはキツいかも。体力つけて行きましょう(笑)

■あと
セットの配置上見切れる箇所が多いです。物語の展開に関わるような、すっごい重要なところが見えない、と言うことはないと思うけど、小ネタが見えないのは寂しいかも。生瀬さんがぬいぐるみを人質にとるシーンまるまる見えなかったよう(泣)

■それにしても…
最前列4席も空いてやんの。転売で浮いちゃったんだろうなあ、勿体ない…

■いきなり本チラシかい!
仮チラってあったのか?『ダム・ウェイター』。いい感じの宣美よ〜。演出以外のスタッフはどちらも同じメンバーなので、基本的にセットは同じなんだろう。演出ふたりはどちらも装置にかなりのこだわりがあるだろうひとなので、この縛りは興味がある



2004年02月07日(土)
『3 exhibitions』

『3 exhibitions』@ワタリウム美術館

4Fで有馬かおる展、3Fでロトチェンコのプロダクト・デザイン展、2FでI Love Art <7>。上の階からなめていきました。

有馬氏は、前回ここでやっていた伊藤存氏と何か通じるところがあるような筆致で、奇妙だけどなんかかわいらしい、ギリギリなんだけどこのひとキチガイではないな(失礼)と感じたり。このシリーズをどのくらい続けるかは判らないが、これが生業となるか仕事となるかで変化が出そうな気がする。

ロトチェンコ氏のが今回いちばんの楽しみでして。と言うか、ロトチェンコデザインの『労働者クラブの読書テーブル&チェア』で、ロトチェンコデザインのティーセットで茶を飲むつもりで来たわけですよ!ええこれがメインイベントですよ!(笑)毎週土曜日は、+¥500でロシアンティーとクッキーのセットが出るのです。うへへへへ、楽しかった。お茶もうまかった。しかし本来機能美を考えてつくられたこのデザイン群に「お茶こぼしちゃったらどうしよう」「食器割っちゃったらどうしよう(美術館のショップでも販売されている再制作品だけど、価格みちゃってたんで…(笑))」とえっらいビクビクしながら接したのでちょっと疲れた…それはどうなのか。そりゃ美術品としてもすごい価値のあるものだと思うんですが、プロダクトデザインへの接し方としてはある意味失礼だったかな。小心者です。

『I Love Art』はナム・ジュン・パイク氏、キース・へリング氏、ファブリス・イベール氏の3人展。前者2人はワタリウムでは馴染みのひとですな。やっぱりここで観るとホッとすると言うか…。当時ヘリングが、ワタリウム向かいにアトリエを構えて(現在は子供服店になっている)、来日期間中に個展の作品を全て描きおろした時のVTRも流れていた。イベール氏は初見。噴水が面白かった。

地下のオン・サンデーズでセールもやっていたのでこれも楽しみで。が!前回来た時とても気に入って、でも予算の都合上1個しか買えなかったリング(ここが作ってるらしい…けどカタログがないよ〜)がなくなっていた…ノー!(泣)再入荷するかなあ。

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■訂正ですよ
もう何度もすみませんね…『BENT』初日に舞台にあがったのはやはりパテル氏の模様。でもシャーマン氏も来ていた(らしい)と。しかしこれ、どこから情報得てるのか見てるひとにはバレバレですな(苦笑)



2004年02月05日(木)
小ネタです

こ〜んやでおわか〜れ ベ〜ルリ〜ンよ〜♪

のメロディーが頭からはなれません。まわる〜…。

■おつかれさまでした
佐藤誓さんの日記
あの紙吹雪ってハート型だったのか!終演後ステージに近付いて見てみればよかった。持って帰ってたひと結構いたな。
それにしても誓さん、スズカツさんとやるのそんなに久し振りだったか…。『セルロイド・レストラン』以来ってこと?『セカンド・ハンド』は1日だけのゲスト出演だったか。『LYNX』楽しみです、誓さんのイタバシ先生、素敵だろうなあ

■初日に来ていたらしい
原作者のマーティン・シャーマン氏、来場されてたって噂が…ホントかな。観たとしたら、あの変更されたラストをシャーマン氏はどう思ったのかな。訊いてみたい気もしたな

■ちょっと望みが出てきた?
『LYNX』、ジャニーズFCでの取り扱いはないそうだ。が、がんばるぞう。がんばってとれるものなら。なんかもー必死ですよ!

■「僕のおしりを見てください」
ブラピの出ているEDWINの新作CM、ディレクターがガイ・リッチーだそうで!素っぽいブラピが観られて楽しい。リッチー監督、次の映画は頼んまっせ!(…)

■1日で
ねこを10匹とか見るとなんかいいことがある気がする。ねこをそんなに見たってこと自体がいいことかも知れないが。しかし「にゃー」とか言うから遊んでくれるんかと寄って行ったら逃げるってどういうことやねん。ねこの気持ちはわからんよ…



2004年02月01日(日)
『BENT』楽日

『BENT』@PARCO劇場

楽日です。またもやおぼえがき。

■ええと〜芝居的にはボロが出た部分がありました…
■気が抜けたってのとはまた違う(そういうのは第三者が指摘してもどうしようもないことなので)だろうけど、最後ってことで力が入り過ぎたか、空回りしたか
■オランダで花を2回買ったり、ローゼンが家賃未払いのことを話さなかったり(…)
■ハプニングとしては、落とした石がごろごろ転がってステージから落ちそうになったのを、マックスがダッシュでチャージしたり
■スープの具でもめたホルストが、地面にこぼれたスープを這いつくばって舐めるってパターンは初めて観た
■『戦場のピアニスト』でもこういうシーンあったなあ。エンケンさん、観たのかな。それとも偶然だろうか
■もしくは“ホルスト”そのものの行動が自然に出たか。すごいお腹を空かせているもんね…
■そういや他の収容者が、ホルストとカポがもめてる隙に、勝手に鍋からスープつまみ食いしてるパターンも初めて観た
■最後の最後迄変化し続けるってことでは、観ていて面白い舞台だったし、もっと長くやればもっともっと成長するカンパニーだったんだろうなと思わせられて、名残惜しかったな
■個人的には、スズカツさんの演出でベニサン・ピットあたりで観たいなあと思った。フリースペース使いが得意なひとだから、あの空間をすっごい緊張感溢れるものに作り上げるのではないだろうか
■それは一昨年PARCO劇場で上演した『動物園物語』の時にも感じたことで、PARCOでやるには広過ぎるかな、と思ったんだ
■あれかな、対岸の火事として観られるのはPARCO。引きずり込まれるのはベニサンとか、スズナリくらいのキャパのとこ
■これは相性みたいなもんなので、良い悪いでは言えないことだ

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千秋楽と言うこともあり、カーテンコールも盛り上がりました。4回くらいやったかな、スタオベも満開。紙吹雪とテープが天井から落ちて来て、皆笑顔。でも高岡くんはボロ泣きしてて。も、もらいなきしてしまった。エンケンさんが「あおいさーん!」と大声で客席に呼びかけて、青井さんが笑顔でステージに上がってきました。篠井さんたちに手招きされてスズカツさんも壇上に。

高岡くんはずっと泣いていて、深いお辞儀を何度もしながらステージ後ろにだんだん下がっていっちゃってて。そこに桔平さんが来て、高岡くんの手をひいて前に連れて来たりしてた。これにはぐっときたよー、ルディ、よかったな!って思っちゃった。ルディは舞台上で死んでしまって、マックスに名前も忘れられてしまうけれど、その後のマックスの心にずっと残っていたんだと思ったんだよね…ホルストだけでなく、ルディもいたから、マックスはひとを愛した、愛された記憶をとり戻すことが出来たんじゃないかとか。

そうだな、だからこそマックスには死んでほしくなかったんだ。愛された記憶が戻ったのに、そのまま死んでしまうなんてあんまりじゃないか。ええ甘いですよ、私は!高岡くんようがんばった!これからもがんばれ!いやこっちが言わなくても当然がんばってるだろうけど!技術的なことは努力すればいくらでも伸びるんだ。技術だけでは出せない一途さ、やるせなさが彼のルディにはあった。

壇上にあがったスズカツさんはまず桔平さんとガッチリ抱擁、その後メインキャストの皆と握手。高岡くんには優しく手を伸ばしていた。しかしこういう場になると控えめなひとなので、端に、後ろにって感じでどんどんハケてってた(笑)何度目かのカーテンコールで、篠井さんに肩を抱かれて退場して行った後ろ姿と、高岡くんと全く同じタイミングで(位置は離れていた)深い深いお辞儀をしていたのが印象的だった。

全てが終わったあと、ステージ裏からスタッフの歓声と拍手が聞こえてきたのにもジーンときちゃった。

多分この話には、私は折り合いが付けられないだろう。やっぱり死んでほしくないんだよ、マックスには。これからもいろんな演出、いろんなキャスト、いろんな空間で観てみたい。いつかは原作(=戯曲)のラストに納得させられることがあるだろうか。…ない気がするな。