|
|
■■■
■■
■ あたしの心の中。
あたしがあたしのことを、 きちんと考えたい。そう思ったきっかけ。
とある飲み会での他愛もない出来事なんだけど。
クラスのまあそれなりに仲のいい男の子がさ、 酒が入っていい気分になって愚痴りだしたわけよ。 「女にだまされた」とか言って、すっごい怒ってて。
どうやらこの夏に、後輩といい感じになって Hとかもしちゃってたらしくて。 その女の子もなかなか悪女で、好きとか言ってたらしく。
なのに。 つきあってると思ってたのは男のほうだけで 「付き合おう?」 って言ったらごめんって拒否られたらしい。
まあよくある話といえばよくある話だよね。
で、あたしもそれなりにお酒入ってたし、 いっかなー、と思って、 自分の話もちょこっとしたわけです。
「あたしも、そういう関係になったけど、 でも付き合えないって言われた人がいたよ」
そう、ゆーすけの話を、ほんのちょこっと触りだけ。
そしたらね、彼が言ったんだ。 「じゃあ俺らだまされた同士じゃん?」って。
家に帰ってきてからも その台詞がずっと頭から離れなくって。
――――それは違う。
他人から見たら同じでも、 少なくともあたしは、その彼とは違うと思ってる。
騙された、って言葉は好きじゃない。
だって、お互い楽しい時間もあったんでしょう?
あたしね、 恋愛って、お互いに楽しい時間もあれば 苦しい時間もあって当然だと思う。
恋愛は、2人でしかできないものだから だから片方に責任を押し付けるのは、フェアじゃない。
ゆーすけに好かれているかどうかわからないけど それでもゆーすけといるのを望んだのはあたしだ。
確かな言葉なんてひとつももらわなかったけど それでも一緒にいる時間が楽しくて幸せだった―――。
そのことだけは、確かな事実。
そして、恋愛において大切なのは、言葉や約束ではなく
そんな確かな事実の積み重ねや もっと感覚的な何かや、思い出や、時間の流れや
そういうものなんじゃないかと、思う。
あたしは、ゆーすけに抱かれた事を悔いてない。 あたしが、あたしの意思で選んだことだから。
愛されたから、あたしは抱かれたんじゃない。
あたしが愛したから、抱かれたの。
いつかその男の子に言ってあげたい。 「あたしは、騙されてたわけじゃない。 騙されてあげたんだよ」って。
昔好きだった人のことを愚痴るような 恋愛の責任を相手に押し付けるような 幸せだった思い出や、一緒に過ごした時間や、 何より、自分自身までもを否定するような そんな、子供みたいなことあたしはしたくない。
そしてゆーすけにも言ってあげたい。 「愛してたよ」って。
忘れられない気持ちを、無理に忘れるなんて あたしにはきっとできないから。
いつの日か、ゆーすけのことが思い出になりますように。
ゆーすけに、感謝してる。 あたしの知らない世界を、教えてくれたから。
ゆーすけからもらった何かを、 そして、一緒に過ごした思い出を、 あたしはきっと、これからも大切にしてく。
―――――それくらい、好きだった。
前に、進もう。 今すぐには無理でも、ちょっとずつでも。
2001年12月20日(木)
|
|
|