Desert Beyond
ひさ



 風邪とラジオ

本格的な風邪をひきました。
こんなに寝込んでしまうような風邪は久し振り。
体が痛くて、「悪寒ってこんな感じを言うのか」と思う寒さに
参ってしまって今日は学校を休んでしまいました。

風邪で寝込んで、子供の頃の記憶が甦ってきた。
子供の頃、風邪などで学校を休むと、ただひたすら寝ていて、
寝飽きると、枕元に置いたラジオを聴いてました。
夜中の暗い部屋でひとりチューニングダイヤルを回す....

白色雑音。静かに流れるクラッシク音楽。
白色雑音。トーク番組。
白色雑音。韓国語。ニュース。
白色雑音。天気図用の長い天気予報。流行りのポップス。
そしてまた白色雑音....

音楽だけ流れるような番組や録音された番組は、何故か哀しくて
なるべく生放送でディスクジョッキーが話す時間の多い番組を選んだ。
そうすれば暗い部屋にたったひとりで寝ているのに
誰かと時間を共有しているんだという気持ちになって、
少し安心した。

寂しくなっている風邪ひきの子供が聴いて安心するような
真夜中のディスクジョッキーになりたいと思ったくらいだ。

あんな気持ちになっていた子供時代から
時間も空間も、随分と遠くに来てしまった気がする。
何だかこうして思っていると訳もなく
ふいに泣き出したくなるような
そんな気分になる。




2002年02月25日(月)



 魚の気持ち

今日は西の山へ行ってきた。
夕方になると綿のようにやわらかそうな雲が世界を覆って
夕陽が向こうに落ちるのは見えなかった。
それでも空はほんのりとした世界を作って
風は西から吹いた。
太陽は落ちてしばらくしてから雲を下から桃色に照らす。
桃色に、橙色に、優しく照らされて雲は波のようで
まるで僕らは魚で夕方の太陽でオレンジに染まった海面を
青い海の中から見ているようだと思った。



2002年02月23日(土)



 放心金曜日

今日は天文学のテストがあった。散々な結果。桜散る。
ううう(泣)。

帰り、キャンパスをとぼとぼとぼと歩く。
僕はT-shirtにウィンドブレーカーを着ていたけれど
それでも暑くてウィンドブレーカーを脱ぎたかった。
大学を歩く人の半分以上は半袖ピーポー。
僕はウィンドブレーカーを手に持って歩くのが嫌だったので
脱がずにとぼとぼと歩き続ける。
ちょっと放心状態気味で。

夜はレストランバー、アップルビーズへ。
友達4人に誕生日を祝ってもらった。
プレゼントを貰うとものすごく照れる。
僕はプレゼントを人前で開けるのはすごく苦手だ。
部屋に篭ってこっそり開けたいのは
きっと照れている自分を見られたくないんだと思う。
でも開けてみる。
ありがとう、友達。

BBSにもお祝いの言葉を戴いてとても嬉しいです。
皆さん、本当にありがとう。

こう書きながらGetz/Gilbertoのボッサを聴いていると
眠うくなってきてきた。
ので、そろそろ寝ます。



2002年02月22日(金)



 ラーメンヒット!

今日は昼間寝た。
起きると日は沈んでしまっていたけれど
西の山際はオレンジに染まっていた。

明日までにやることがあまりにも多過ぎる。
でもどれも避けては通れないので
頑張ってやるしかないのです。

とりあえず腹ごしらえ、とインスタントヌードルを。
中国語パッケージのXO醤海鮮麺。
久し振りのスマッシュヒット!!!旨い。
KUNG FUブランドの蝦味麺以来のヒット。
今度アジアンマーケットに行ったら買わなければ。
海鮮麺と言えどもちょっと違ったらトンコツラーメンの味っぽい。
もうひとつ食べたいくらい。

最近スティーリー・ダンにはまっている。
ドナルド・フェイゲンの声がなんだか好きで
ちょっとしたローテーション。

日本ではあまり気付かなかったので
事情がわからないのだけれど、
アメリカでは香りつきのキャンドルが色んな所に売られてます。
ろうそくに火を灯してしばらくすると香ってくる。
お香より香りは全然きつくなくてほんのり香る。
香りの種類も様々だけれど、
Monring due(朝露)の香りとか
Spring rain(春雨)の香りとかってどんなんだ?
春雨って書くと麻婆春雨の春雨みたいだなぁ。
でもネーミングとしてはフィーリング優先で良い感じです。
じゃ僕の今付けているキャンドルは何の香りなんだっけ?、と
調べてみたら「Rain Forest(熱帯雨林)」だって。
でもいい香りです。

2002年02月21日(木)



 

鍵を失くした......。
アパートの横の道でインラインスケートに履きかえる時
鍵を何故か横に置いておいて、そのまま置きっぱなしで
学校に行ってしまった。
帰ってきて気がついて、見に行ったけどなかった。
家の鍵、友達の家の鍵2つ、メイルボックスの鍵、
それに一番まずいのが天文学のビルの鍵。
やばいやばい。
今日は気が滅入って、辛くなって、落ち込んで暗くなった。
でも友達のミャンマー人の所で話したらちょっと落ちついた。
彼は能天気な感じで、こういう時は良い薬だった。
ありがとう。

今日は夜アメリカ人の友達と武術の練習をした。
誰もいない広い公園で、半月の照らす中の練習。
砂漠の夜はとても冷える。
練習の合間に空を見上げると星が沢山煌いている。
昔の人は星の光を暗い夜空に開いた穴だと思っていた。
今日、僕もそう思った。



2002年02月20日(水)



 かりん

今日は僕の誕生日です。
カツカレーを作って戴いて美味しく戴きました。ありがとう。
誕生日に祝ってもらうのは照れ臭くて、はにかむ。
2月19日というのは星座的に微妙な日で
本によっては水瓶座。本によっては魚座なのです。
本当は一体どっちなんだろう。
星占いを見る時はいつも混乱してしまう。

風街茶房から嬉しい風の便り。
茶房から僕のページにリンクして戴けるとの事でした。
僕のページ、写真の更新が滞っているので
これを機会にもっと精力的にアップデートしたいと思います。

今日その風街茶房のチャットの過去ログを見ていたら
かりんの話をしていた人達がいて、
実家の庭にあったかりんの木を思い出しました。
そのかりんの木は小さくて、長細い。
僕が高校生の時だろうか、その細いかりんの木は
見事なかりんの実をたった一つだけつけて
ひとりぽつんと静かにたっていました。
かりんの木は虫がつきやすくて
家は消毒をしないせいで葉がほとんど食べられた中、実がひとつ。
つけていたというよりも掲げていたという言葉が合うような
そんな印象的な光景でそれを思い出したのです。
写真で残さなくても心に焼き付いて
ずっと鮮明に残る光景ってあるんだなあ、と思いました。



2002年02月19日(火)



 春の日

今日は可笑しな天気です。卸したばかりの白手拭いのように眩しいくらいの白い雲が、砂漠の空を往き来して目まぐるしい程に飛び交う。此方の雲は彼方の雲に濃い影を落として、突然暗くなってばらばらばらと雨が降ってきたと思った刹那雲は開けて大海のように青々とした空が広がる。雲も空に負けじとしてか太陽もいつもより数段眩しく感じます。

前触れもなしに急に気候が変わるとは、と一人思っているとそれはゆうべから訪れていたのだと思い出しました。今日は今日で可笑しな気候ですが、昨晩などは日本の春よろしく生暖かい空気が暗い砂利道を一人歩く僕の手足にねっとりとまとわりついて、何となく日本古来の妖怪などがひょっこりと現れそうな、若しくは池波先生の剣客商売中に出てくる或る春の夜のように何故か江戸を感じさせるような気候でした。

僕はしかと砂漠の「春」を感じております。



2002年02月18日(月)



 音楽音楽

ここ最近音楽鑑賞しすぎる。
いつでも音楽を聴いていたくて
もっともっと良い音楽を探したくて。
僕の音楽の幅がドンドン広がっていったのは
高校を卒業して新聞配達をやりだした年。
自分の自由に出来るお金が増えたのと
自転車で秋葉原の中古CD屋にすぐ足を運べたのが良かった。
それまでラジオを聴いて書き留めておいたメモを握って
CD屋に足繁く通ったものだ。
アルバムが手に入ると帰り道ウキウキする。
CDだけに「早く針を落としたい!」とは表現できないけれど
それでもそんな言葉が合うような高揚観だった。
お金があると3、4つのアルバムを買いがちだ。
特に中古とかで安かったりすると買ってしまったりする。
今はもうあまりCDは買わず、中古のレコードばかり買っている。
でもやっぱり理想的な聴きかたって
思い焦がれてやっとアルバム1枚手にして
家でライナーノーツを読みながら聴く。
さいだあなどを飲みながら。
そのアルバムを何回も何回も始めから最後まで聴くって事だなあ。
誰にでも経験はあると思うけど、
あまり良くないなと始めに思った曲が
ずっと聴いていると良くなったりする事ってあるし。
聴き込まないばかりにそんな良さに気付かないのって
あまりにももったいない!!
そんな訳で僕は時間のある限り同じものでも
何回も何回もぐるぐるぐるとローテーションするのです。

昨日はまたダウンしそうになった。
というか正確にはダウンした。
頭がキリキリと痛くて、寝るはずじゃなかったのに寝てしまった。
でも幸い良くなった。ほっ。

僕の部屋は西向き、夕暮れ
ブルーベリーヨーグルトの青
ストロベリーヨーグルトの赤
溶け合って沈む
日も落ちたというのに
橙くちばしの君は寝癖がついているの
きぃ、と小さく鳴いた



2002年02月16日(土)



 熱唱

今日はバレンタインデー。
アメリカでは男の方が薔薇を買ったりして
それに「I love you!!」とか書いてある風船をつけたり。
今日なんか朝から大学の構内でバラが売ってたりした。

夢を見た。
宇都宮隆と西城秀樹と五木ひろしの三人が
カントリーっぽい帽子、バックルつきのベルト
無精ひげ、ジーンズという格好で
ユニットを組んだという。
目の前で彼らが熱唱しだして
「ハア、やっぱ流石だなあ。カッコイイ。」
としみじみ思う夢。

最近色々あってあまり日記が書けない。
来週からちょっと楽になるかもしれないけれど。

2002年02月14日(木)



 顎筋肉痛

今日は一日なんか顎の筋肉が疲れていて痛くて
なーんでこんな所が筋肉痛なんだろうなあと思ったら
昨日やたらと固いガムを噛んだのを思い出した。
「これは顎の練習になるぞぉ」とか
「最近の若者はパンばかり食べてるから....」
なんてひとりごちながら。
大学の本屋の中にあった25セントのガチャガチャガム。

僕はパンクとブルース以外は大体聴く。
パンクは聴きたいけれどあまりパンク好きの友達がいないから。
ブルースは何回もトライしたけれど泥臭さが好きになれなかった。
自分でどんな音楽が本当に好きなのかと模索してみると
やっぱりフリーソウルに入っている
ソウルよりの曲みたいなのが好きだなあ。
ボッサも好きだけれど。

この前の金曜の夕食パーティで友達のチョンイーから
鉢に入った黄色のガーベラをもらった。
引越し祝いという事で。
女の人にもないのに、男に花をもらったのは初めてで、
何だか不思議な気分だった。
花をもらってぎこちなく喜ぶ僕。
黄色いガーベラは僕の部屋に映える。



2002年02月11日(月)



 土曜日、昼。

ああ、今日は良い日だぁ。
「今日は楽しい日曜日」って感じの土曜日。

午後からベーグルサンドイッチを食べに行って
スターバックスの珈琲を飲みながらユックリ。
輸入雑貨のようなお洒落なお店に行った。
日本だと高そうなものが安くて欲しいなあと思ったり。
大学の本屋に用事があってキャンパスを歩いたら
インラインスケートをしている人達とか
一人でローラースケートしてるおじさんとか
小さな息子とフリスビーしてるお父さんとか
日向ぼっこして本を読んでいる人とか。
空気は少し冷たいけれど、日にあたると暖かい。
うつらうつらとしてしまう感じで。
ポカポカ土曜日。

昨夜は友達5人を呼んでその3人が料理して
音楽を聴いて、話をして。楽しい金曜の夜だった。




2002年02月09日(土)



 春よこい

風邪が戻ってきたかもしれません。
それもその筈。生活メチャクチャになってきたので。
今宵ももう午前2時半だけれどこれから図書館に行ってきます。

さっき外に出て夜空を見上げると
オリオン座が西に沈んで行こうとしていて
ああ、もう春なんだなあと思った。
オリオンの右上に見える明るく光る星は何なんだろう。
木星かなあ。週末に調べてみようかな。

僕のページからもリンクさせてもらっている風街茶房。
カフェのお客様に藤井隆が。
松本隆との対談がかなり面白い。
バレンタインの日に発売される藤井隆のファースト「ロミオ道行」。
詩とプロデュースは全て松本隆。
曲は筒美京平、田島貴男、堀込高樹などなど。
僕としては当然堀込高樹(キリンジ兄)の作曲した
「未確認飛行物体」と「代官山エレジー」が聴きたい。
いつ聴ける事になるのかわからないけれど
とにかく期待大のアルバムだと思います。



2002年02月07日(木)



 Taco bell

うう、明日からテスト二連日。

タコベルというメキシコ料理のファーストフードがある。
メキシコ人のいないメキシコ料理屋。
メキシコ人にきくと誰もが口を揃えてタコベル駄目と言う。
彼らに言わせるとタコベルのものはアメリカ料理だと。
そんな訳で僕はタコベルは一回も食べた事がない。
これを言うと大抵は仰天される。
タコベルと言えばメキシコ料理のマックみたいなもんなのに
何で一回も食べた事ないの?と。
今日、タコベル初体験して参りました。
僕としてもやっぱりアメリカナイズされたメキシカンって感じで
メキシコ料理の形をしたアメリカンだな、と思った。
でも特に不味い訳じゃないし、安いし、まあまあでした。
ちょっと言わせてもらえば、しょっぱすぎ。
食べた後、舌がヒリヒリとするくらいの塩がきいておりました。
採点てきにはBという感じです。
でももう行かないと思う。

今日夕日が沈んだ後に図書館の五階から西の方を見ると
ずぅーっと向うの方まで地球が見えて
空はびわの色をしていて
できる事なら屋上かなんかに行って見たかった。


2002年02月06日(水)



 午後まで。//また麺!?

今週はテストが二つ。大変大変。

今日のお昼は蕎麦を食べた。
何も入れずの素蕎麦。
茹で具合が丁度良くて美味しかった。
野菜なら少しあるんだけれど
自分の為に昼から手の込んだものを作るのは気が進まない。
あったかい蕎麦も好きではないのでいつも盛り。
昼間だと葱臭くなったら困るので入れたいけど葱もなし。
随分と前の話だけれど、しばらく自炊をしなかったために
「もっとカッコイイ人かと思った」、と言われた事が過去にある。
あの時は「ご、誤解だよぅ」と(ちょっと必死に)言い訳したけれど
今思うとそんな自分は少し笑える。
昨日はちなみに即席中華蕎麦だった。
KUNG-FUブランドの鶏汁麺というもの。
昨日はあまりにもお腹が空いてたので二袋も戴いた。
二袋目の調味料の袋が開かなくて、
一生懸命やってる間に麺が少し延びてしまった。
延びたらあめんというのはちょっとまずい。
こんなに書いたら僕がまるで麺好きみたいだ....。
特にパスタは好きだけれど、他の麺類はどうでも良くて
パンとかご飯の方が好きかも。

先程学校から帰って来る途中でムバラクさんと出会った。
ムバラクさんとは同じアパートの一階に住んでいる
クゥエート出身の好青年だ。
引越しの時、どこからともなく現れて
いきなり手伝い始めてくれたのが知り合ったきっかけ。
今は好青年とか言っておきながら、
あの時は荷物泥棒だな、と思った。
僕はクラスが終わったけれど、ムバラクさんはこれかららしい。
頑張れ、ムバラクさん。
ムバラクと言えば、ムバラク大統領。偉い人みたいな感じで。
僕はムバラクさんを呼んでみた事がないのだけれど
何だかムバラクって名前は呼び捨てにしづらいものがある。
かと言ってムバラクさん、と「さん」付けにするのは
あまりにもジャパニーズスタンダード過ぎる。
今言ってみたらミヤギさんみたいだった。
「ダニエルさん」みたいな。
果たして僕は彼を「ハーイ、ムバラク!」と呼び捨てにできるのか。

ムバラクさんついでに小池さん情報。
と言っても、あの寒い冬の日から小池さんに出会っていない。
12月の事、一人でチェンズ・カフェにて中華麺をすする小池さん。
話しかけられたにもかかわらず、僕は冷たくしてしまったのだ。
あれから2、3度チェンズ・カフェに出向いたものの
再会の兆しは見えない。

今日は蕎麦を食べながらサニーデイを聴いた。
下の階からはギターの音が聞こえてくる。
じゃあ僕も、と食べ終わってから「シルバー・スター」を弾いた。
簡単なコード。ユックリ和んだお昼休み。
シャワーを浴びて、用意をしながらAphex Twinを聴いた。
冬に友達が持ってきてくれたSelected Ambient works。
僕は一曲目が好きだな。

............................................

夕方から二時間昼寝をした。
起きて何か外で買おうかどうしようか迷っている内に
9時が過ぎてしまって、行って閉まっていたら嫌なので
結局家で食べる事にした。
家で食べると言っても煮物くらいしか今は出来ない。
でもその時間が惜しくてまた即席韓国蕎麦。
その名も「泡菜麺」。ようはキムチラーメンです。
辛いものをあまり食べたくない時に
至極辛いものを食べるとどんな気持ちになるのか、わかった。
食べ終わった今も胃が辛さで熱いのです。
水を飲んでうすめようかな。
さてこれから勉強しに行こうかな。

2002年02月05日(火)



 何故にカレー南蛮?

深夜、キャンベルのとろみのついたスープを飲んで
思い出した高校生二年生の時の記憶。
修学旅行は北海道だった。
無理矢理バスで釧路や摩周湖や旭川なんかに行って
一日でバスに乗っている事が一番多かった旅行。
釧路の市場の飯屋で、皆はうに丼やいくら丼を頼んだ。
僕は何故かカレー南蛮うどん。
その時分、うにには全く興味がないどころか少し嫌い気味で
イクラとてイクラがどうしたくらいの勢いの僕だった。
カレー南蛮だけに出てくるのが少し遅かった。
どろりとしているのでなかなか冷めず
猫舌の僕は食べ終わるのに随分時間がかかった。
いつか釧路に行く事があったら、今度は海鮮ものを。

今日の朝、夢の中でポツポツポツと雨の音がした。
学校に行くために外に出ると、乾燥しているはずの空気が
日本の春のように少し湿っていて、道路の脇が少し湿っていた。
やっぱり雨が降ったんだ。そう思った。

学校が終わっててくてくと歩いて家に帰った。
スティーリー・ダン、フレンズ・フロム・リオ、U2
そんな感じでレコードを聴いて、何の気なしにドアを開けた。
僕の住んでいる所はアパートの二階。
西側で、朝日は入らないけど、ドア・窓を開けたら
綺麗な夕焼けが見える部屋だ。
ドアを開けるとぼってりとした雲が沢山垂れ篭める中
沈みそうな太陽だけが眩しく金色に輝いてアパートを照らしていた。
ポツリポツリと雨が降っていたけれど
通路には入ってこないのでてすりの所まで行って暫く見ていると
角からもさもさの猫が「にゃあ」と出てきた。
隣の住人の部屋の前には猫用のフードディスペンサーがあって
毎日餌が入っているのだ。
少し僕に警戒しながらも隣の部屋の餌入れまで猫は来たけれど
餌がないらしくて、またひとつ鳴いた。
僕も「にゃ」と言うと、少しずつ寄ってきた。
どこが鼻なのか、口なのかわからないくらい黒い顔。
でも身体は黒と金のもさもさの毛をしていた。
少し撫でてあげて、部屋に入った。


2002年02月04日(月)



 パームトゥリー

昨日の夜は天文学のビルに行ったものの
人がいないどころか使いたいパソコンは全部とられていて
諦めて帰ってくる始末。
自分のパソコンからではできない宿題なので
とてもとても困って眉毛が「八」の字になった。
それでも諦めてたまるかと、朝早くまた行った。
すると今度はコンピュータールームのドアが閉まっていて
暗証番号を知らない僕はドアの前でただただ途方に暮れた。
トボトボと家に帰る。
数時間してまた行ってみると、今度はドアもパソコンも開いていた。
カール・セーガンの名前から取ったシステムの
「セーガン」にログインしようとしたけれど
今度はログインできない。
誰かにパスワードを変えられてしまったのだろうか。
結局ログインしなくても出来る事だけやって
またションボリと帰ってきた。
メインである宿題に手をつけるまえにこんなに苦しんで。
困った困った。

表紙の写真を変えた。
パームトゥリー。
日本語では棕櫚(しゅろ)という。
昔から家の庭に棕櫚を植えるのはよくないという。
棕櫚が屋根の高さを越えたらその家の誰かが死んでしまう。
そういう言い伝えを信じて
母は父が棕櫚を庭に植えようとしたのを嫌がった。
結局知らないうちに父は家の庭に棕櫚を植えてしまったのだが....。
そんな事を聞いていたので僕の棕櫚にたいするイメージは悪かった。
それでも棕櫚はこの街に沢山植わっている。
スラリと綺麗にのびた棕櫚。
僕の棕櫚にたいするイメージは随分変わった。

この前夜中、星を見上げようとすると
星よりも、月のシャワーを浴びたパームトゥリーが綺麗で
しばらく立ち止まって見ていた。
リゾートチックなある夜の光景。
昨日は夕暮れの時、夕日のシャワーを浴びたパームトゥリーを見た。
月を浴びて光る色は銀色だった。
夕日を浴びて光る色は金色だった。

どうやら風邪をひいてしまったみたい。
頭ががんがんと痛くてとにかく眠りたい。
ずっと蒲団にくるまって、冬眠している熊のように。
くう、と寝る。



2002年02月03日(日)



 美空

今日の夕暮れ時の空は贋物のように美しかった。
すごい夕焼けではないのだけれど
すみれ色があるかと思えば、薄みかん色もあって
赤葡萄色があると思えば、金色もあって
とても心に残った。

冷静と情熱のあいだ、読み終わりました。
映画がどんな風になっているのか、それが観てみたいです。
小説じゃないと表せない事が沢山あるように
映画じゃないと表せない事だってあると思うから。

もう夜の10時。土曜日。
これから天文学のビルに行ってコンピューターを使わなきゃ。
天文学のビルの鍵をこの前もらったので、
ビルの中には入れるんだけど、週末に入っていって
セキュリティが来たりしたら困るなぁ。
でも何も言われなかったから大丈夫だとおもうけど。
暗いビルの中をひたひたと歩かなくてはいけないのも
気を重くする原因のひとつ。
とにかく早めに行ってきます。

2002年02月02日(土)



 社会科見学//My TI-85 is dead!

今日は天文学の授業でCCDの研究所のツアーがあった。
少人数の社会科見学。
小学生の時の社会科見学を思い出した。

一昨日は砂漠の街に雪が降った。
何年かに一度の雪。
あられも降ってきた。
大学の近くのカフェでこんこんと降るあられを見ていると
冬の日の珈琲がもっと温かく、美味しく感じられた。

今日の空気はまるで冬。
日本でいうと正月の澄んだ空気だった。
学校に行く前に部屋のドアを閉めて息を大きく吸い込んでみた。

学校へはインラインスケートで行ってみた。
家から天文学のビルへ向けてガーガーと滑べっていく。
久し振りのインラインスケートなのでとても疲れた。
急いで滑べってきたので息も切れて、
持久走1500mを本気で走ったのに近い状態に陥った。
なんでそこまで必死に滑べったのだろう。

.............................................

TI-85というのは僕の関数電卓の名前だ。
彼はとても計算が早いのが自慢で
方程式でさえも1秒もかからず解いてしまったものだった。
今日だって天文学の宿題を協力して解いたんだ。

悲劇は夕方、ちょうど太陽が西に沈むか沈まないかの時に起きた。
彼は鍵と一緒に車の屋根に腰掛けていたのだけれど
僕は鍵を失くすのが恐くて、鍵はポケットに入れた。
車のボンネットを開けて車をチェックして
それから天文学のビルに向かった。
ラジオからは御機嫌なソウルミュージックが流れる。
西からは橙色の空が迫っていた。
そんな時、車に何かが当たった音がしたので
誰かが何かを投げつけたのかな、なんて思って
たいして気にもせず僕は天文学のビルまで5分のドライブ。
車を停めて外に出た時気がついたのだ。
あれは、あの音は僕のTI-85だったのだ!

急いで戻ったけれども、僕のTI-85はどこにもなかった。
誰かが持っていってしまったのだろうか。
それとも何台もの車にひかれてしまったのか。
どっちにしても僕とこれまで一緒に計算してきた
あのTI-85はもう戻らない....。
哀しい。哀しい。




2002年02月01日(金)
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