|
|
■■■
■■
■ 無窮。
決して自分を見失わない自信があるから、 こうして酒を呷る事が出来るのだろうと、思う。 始めはただ不味かっただけの煙草も、 いつしか精神安定剤の役目を果たすようになって、 こうして傷つけていくのだろうな、と自嘲した。
目に見えぬ傷ならば、いくらつけても誰にも何も言われない。 あの人に気付かれぬよう、どれぐらいで治るか、を計算して、 カッターを滑らせる行為に、後ろめたさを感じる必要もない。
この肉の塊を切った所で、僅かな痛みと、血が流れるだけで、 他に何の意味もありはしないのに、何故作られた意味で、責められる必要があるのだろう。
痛みを自分で処理する事を覚えてから、何も出せなくなった。 なか、にはいろんなものがつまっているのだろうけれど、 それを表現する術はないから、ただ沈めていくだけでいい。 そしてそれに限界はない。小さな不快感だけを押さえつければ、何も苦しくない。
限界はこない。私は生きられる。 そう、何度も言い聞かせていく。
…そのうち、この幻覚も見えなくなるのだろう。 これが最後の警鐘だとしても、私にはそれを止める術がないのだから。
2005年11月22日(火)
|
|
|