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re-invention



 総合力

朝から名古屋,東海地区数学教育学研究会へ。
静大,愛教大,三重大の院生の修士論文の中間発表のような会。
何度かお話しを伺ってきた静大の方々の発表を聞けるのは楽しみ。
会場入り口で,飯島先生のいつもの笑顔に迎えられる。

論文として何をどうまとめるのか。
迷い迷って,当初の思いとは随分違っているのかもしれない。
熊本の武田先生のご苦労と重なるものがある。
感じたことをいくつか。
文化を背景に論文(仕事)は成り立っている。
ご自身の得意分野に持ち込んで論文を書かれているのだろうが,
実はそれだけではない。
並べて拝見すると,各大学ごと(つまり指導者)の色が見えてくる。
「何に貢献しようとしているか」のスタンスの差と言ってもいい。
そういう文化の中で刺激され,一つの論として育まれていく。
今までの自分の仕事でさえも,
本当に様々な方からの刺激を受けて生み出されてきたも。
自分だけでポツンと一本立っている木ではなく,
それぞれが複雑に絡み合って増殖(?)していく
アメーバーのような感じでそれぞれが伸びていき,,
その中からある日突然,光を浴びる論文や実践が生まれるのだろう。
ミャンマーからの留学生もいて,そのことを一層強く感じる。
日本のこの時代に生まれているから,できることがある。
わかることがある。

そうそう,留学生に対して,
「ミャンマーの数学は・・」という聞き方を皆さんしておられたが,
自分が「日本の数学は?」と問われたらどこまで答えられるのか。
11月の小牧での研究会で「静岡では・・」と聞かれて,
かなりあたふたしたことを思い出した。
自分のことは自分で案外わかっていないものだ。

また,これらの研究は,物事を細分化していくことになる。
事実を科学的に明らかにするためには,
いろいろな要素や条件を排除して見ていく必要があるから。
しかし,
学校現場では総合的な力,コンビネーションがものを言う。
突き詰めると思想(哲学?)に基づいたコンビネーション。
だから現場の教員としては,総合的な部分に目を向けつつ,
これらの研究とつきあわないといけないだろう。
あたりまえだが,GCを使えば,いい授業が生まれるのではない。
プロジェクターがあればいいというものでもない。
(今の自分にはなくてはならないものだが。)
結局はそれらを使う思想というのか,
授業に対する思いがなくてはダメだ。
例えば,荒川静香さんはトリプルアクセルも4回転もない。
イナバウアーはあるけれど,得点には関係ない(らしい)。
でも,金メダルだった。それに似ている。
一つ一つの技がしっかりしていなければ総合も何もないけれど,
でも,コンビネーションがあってこそ技も生きる。
それは自分に欠けている力でもある。

自分がやりたい数学の授業,
数学を通して育てたいことも,再度確認できた。
「わかること」は基本的に必要。
でも,それだけではつまらない。
他が驚くような派手な実践でなくてもいいけれど。
すべての生徒が学びの充実感を持てる授業でありたい。

いくつかのことを学んで,
「だったらこうしたらどうなるの?」という
条件を変えたり,他に応用する問いを生徒が持ち,
生徒自身が追求する。
結果が見えると,
「何でそうなるの?」という問いが生まれ,
論証に学びが移ってくる。
そうして見えてきたいくつかのことがらから,
統合的・一般化された英知のようなものが見えたら最高だろう。
岡本先生の主張のすごさを改めて感じる。

現実は,いくつかのことを学んで・・で終わってしまう,
細切れの授業があまりに多い。
変えていくためには,メリハリをつけることだろう。
年間を通してのスケールで物事を考えたい。

帰りの新幹線で,
板書の写真を貼って,授業ノートを振り返る。
WBCでは,日本が韓国に勝利したニュースが流れる。
日本の野球が強いのも,総合力に他ならない。




2005年03月19日(土) 祝 日本代表!
2004年03月19日(金) 感動の卒業式


2006年03月19日(日)
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