2007年03月14日(水) 入院生活開始

えあですこんにちは。
今回も、前回に引き続きましての回想日記です。



***



前日、先生に指示されたとおり、この日も朝一で病院へ向かいました。
今日も父も私も仕事を休んでの付き添い二人体勢です。

私が車の免許を持っていれば父は休まなくていいんですが残念ながら持っていませんし、父が満足に母の世話をできるのなら私が休まなくてもいいわけですが、父はあまり気が効くほうではないというのは知っていましたし、……まあなんというか昨日の様子でなんとなく、母が私を呼んだ理由を理解しましたので、このようになりました。

この日向かったのは、婦人科でした。
産科が併設されているのでしょう、待合室で待っていた半数くらいは妊婦さんか、恐らく妊婦さんという感じの若い女性でした。
やはり前日のように車椅子に乗って待合室で待っている間に、また問診票を書かされました。
産婦人科の問診票は多少記入内容に違いが見受けられましたが、やはりある程度は同じなのですから、共通化できるところはして頂きたいし、一回書いた問診表くらい他の科に回して頂きたいと素人考えには思うのですが、無理なんでしょうか病院の方々。

ともあれ、問診票を書きまして、待合室で静かに待ちました。
朝一で来たつもりでしたが早い患者さんはもっと早く来ており、また、予約時間が決まっているといっても待たずにその時間に診療を受けられるということでもないようで、やはり今日もかなりの時間を待機に使うようです。
婦人科は女性ばかりで父は居辛かったのでしょうか、気がつけばとっくにいなくなっていましたが、もはやどうでもいいです。

待つこと数時間……
ようやく母は診察室に呼ばれました。
まずは、診察室の中にある内診室でエコーを撮ってから、また少しだけ待ち、先生のお話を聞きました。



「婦人科系で、おなかに水が溜まる病気と言うと、卵巣腫瘍が疑われます」

婦人科の女医の先生は、そのように言いました。
「おなかに水が溜まりすぎて、エコーがよく見えません。……まずはおなかの水を抜いていきつつ、検査していきましょう。入院は、今日からでも大丈夫ですか?」

入院……

こうなるというのは分かりきっていたことですが、その言葉に母は少し困った様子を見せました。
「すぐに入院しないといけませんか」
そのように問う母に、先生は、
「出来る限り早くが望ましいです。今日が無理なら、明日くらいなら構いませんが」と答えました。

母が困っているのは、流石にこの期に及んで病院嫌いを発動しているわけではなく、うちは自営業で、母はその事務の一切を取り仕切っている為、母が仕事が出来なくなるととても大変なことになるからでした。
まだ月の半ばですから忙しい時期ではありませんが、そろそろ月末の締めの仕事をしなければなりません。
私は全く分かりませんので、父が全般を取り仕切ることになります。

……。

大丈夫でしょうか。いや、大丈夫でないと困りますが。



「いつ入院するか決めて、教えてください」
と言われ、私たちは診察室を追い出されました。
待合室というか、病院の廊下を探しますと父を発見することが出来ましたので、父に入院を勧められた旨を報告しますと、父は、今すぐに入院するように言いました。
仕事は何とかするそうです。

「何とかするって言ってるんだから何とかするでしょ」
と母も同意しましたので、本日入院することが決まりました。
看護婦さんにそのように伝えますと、午後2時までに準備を整えてきてください、との返事を頂きましたので、私たちは一旦家に戻りました。



うちでは、ねこは恒例行事のように入院を繰り返してきましたが、人間の入院はお産以外では初めてでしたので、病院から頂いた入院のしおりと首っ引きで必要なものを揃えました。
下着類が替えを考えると少し足りなそうだったので、私は自転車で近所の衣料品店に走りました。
丁度必要としていた、スポーツブラタイプのものが運よく半額セールをやっていたので、安く買い求めることが出来ました。

家に帰って、かつて修学旅行で使った大きなバッグに、買ってきた下着やら、タオルやら、身の回りのものやらを詰めました。
修学旅行のときはわくわくする楽しい作業でしたが、今回は、あまりわくわくする作業にはなってくれませんでした。
母は、仕事に使う帳簿とはんこと筆記具も、バッグの中に詰めました。
……父が何とかするのは外回りの仕事だけで、やっぱ事務は母がやるようです。

病院との約束の時間のすこし前に、準備が一通り終わりましたが、バイトに行っている妹が帰って来ていなかったので、母はもう少し待ちたいと言いました。
近所のスーパーでバイトをしている妹は、普段から、昼の時間は一旦仕事を上がって家に戻ってきているのです。
妹が帰ってきて、顔を合わせてから、母と父と私は再度病院に戻りました。



今度は診察室ではなく、病棟の方へ直接向かうように指示されていました。
4階の婦人科病棟です。
4階……。なんかイヤな数字なような……。
とはいえ、病室には4のつくところはありませんが、階はしょうがないでしょう。そもそも海外では4は幸福の数字です。気にしないことにして、ナースステーションに声をかけました。
「入院することになりました左沢(仮名)ですけれど……」
流石にここでは待たされることなく、すぐに担当の看護婦さんが現れ、病棟の各施設を軽く案内されて、病室へ通されました。

病室は5人部屋でしたが、先客は2名しかおられませんでした。
えーと、なんかガラガラなんですけれど……
外来の混雑具合からは一転、この婦人科病棟、他の部屋もベッドの埋まり具合は半分ほどという空きっぷりです。
……世間では、病院のベッド不足とかが問題になってたんじゃなかったんでしたっけ……?
じ、実はこの病院、流行ってないんでしょうか。

とりあえずそのへんは見なかったことにして、母は車椅子からベッドに移って病院の寝巻きに着替えました。
身体中に水が溜まっている母は、洋服のサイズもかなりの大きさになっていましたが、病院の前開きをして紐で留める形の寝巻きはゆったりと着ることが出来ました。
また、病院のリクライニングが出来るベッドは、上半身も浮腫み、家では背中に畳んだ毛布を敷いて頭を高くして寝ていた母にとっては具合のよいものだったようで、軽くリクライニングをさせて休んでいました。
これならゆっくりと休めますね。

と言いたいところでしたが、母はそうそう休んでばかりというわけには行きませんでした。

ここまで申し上げていませんでしたが、実は昨日の時点で母はとある薬を処方されていたのでした。
その薬とは……

利尿剤。

言うまでもなく、体内の余分な水分を尿として外に排出する為の薬です。
この利尿剤、昨日薬剤師さんから服用時の説明を頂いた時に、
「夜は飲まない方がいい。寝られないから」
とまで言われていたものでして、その効果は薬剤師さんの言に違わず、

10分に1回は尿意を催す。

というスバラシイ効き目でした。
今朝から飲み始めたその薬のおかげで、午前中の診察を待っていた間にも、実は幾度となく車椅子でトイレと待合室を往復していたのでした。

その薬は今もバリバリ効いている為、そして今後もバリバリ処方されます為、入院してもゆっくりと身体を休めることなど叶いません。
ナースコールで看護婦さんを呼んで車椅子でトイレ往復してもいいらしかったのですが、全く歩けないわけではないので母は自力でトイレまでの旅を、今日から暫くの間、延々と繰り返すことになったのでした。



***



コメント有難う御座います。今回の日記だけでなく、以前からのコメントの返信もちょっと滞っていますが少々お待ちください。

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