白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2007年12月12日(水) トトロの死

ミミズクのトトロが死んでしまった。

トトロは実家のご近所のお宅で飼われていたミミズクだ。野良ミミズクの出身なので正式な年齢は分からないが、ミミズクの寿命は20年とすると、まだ死ぬには早過ぎるような気がする。トトロは、あのお宅で暮らすようになってから、まだ10年も経っていないのだ。

成り行き上うっかり拾ってしまった野良ミミズクを、ご家族はよく育てたと思う。トトロはペットと言うにはあまりにもお金の掛かるヤツだった。大きなミミズク小屋に、毎日の餌。しょっちゅう体調を崩しては動物病院に通ったり、入院したりしていた。ご家族にとっては家族同様に可愛がっておられたのだと思う。

大切に飼われて死んでいったトトロは野良ミミズク出身にしては幸せな末路だったのかも知れない。だけど、やっぱり心に引っ掛かるものがあるのも事実だ。本当なら自然の中で野垂れ死にしていたであろうトトロが人間の庇護の下で死ぬだなんて。

野生の動物を捕まえて売る。あるいは、捕まえてきた野生の動物を繁殖させて売る。人間のエゴでしかないその行為を私は憎まずにはいられない。

トトロは優しい飼い主の下で幸せだった……と思いたいけれど、本当に幸せだったんだろうか? 野良ミミズクになって道の真ん中で立ち往生していた時点で、トトロはすでに自然の中では生きられないミミズクだったけれど、毎日金網越しに空を見て「外に出たいなぁ」と思わなかったのだろうか?

ミミズク小屋で死んでいったトトロのことを私は一生忘れないと思う。

トトロの冥福を祈ると同時に、全ての動物達が尊厳を奪われること無く生きられる世界になるようにと願いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
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