白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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2006年12月20日(水) 出来心…?

ほんの出来心で悪いと知りつつ道を誤ってしまった…なんて事、誰しも覚えがあると思う。

たとえばレジでお釣が多いと気付いていたのに黙っていた…とか。子供の頃に万引きして親に厳しく怒られた記憶がある…とか。悪い事なんて、しないに越した事は無いが、清廉潔白でいるのは難しい。何もかも法律で縛り上げる事は不可能だし、そうなっても困るし。が、どこまでが出来心として容認されてしかるべきなのだろう…なんて事を、ふと思った。

ふとした事から「平気で他人の傘を持って行っちゃう人」と話をする機会があった。その人は「安いビニール傘だし」とて、まったく悪いと思っていないようで「だけど、それは犯罪だよ」と言ったら「だって濡れるの嫌じゃないですか?」ときたもんだ。疑問形を繰り出されても「あなたの都合なんて知りませんよ」としか言いようがない。その人は私にとって友人でもなんでも無いけれど、身近にそんな感覚の人がいた…って事に驚いた。

しかしながら話に弾みが付くと言うのは恐ろしいもので、話の流れが「悪い事をした自慢大会」になってしまい、いくつかの「出来心」を聞いたのだけど出来心…とは言い難いような悪質な物もあり、話を聞いていて思いっきり引いてしまった。

「したことの重大さ」もさる事ながら「悪い思っていない」って事実が衝撃的だった。しかも彼らは言うのだ「その時な友人(恋人)が腐っていたから、そうなってしまった」と。正直、いい年をした大人の口から小学生の姑息な言い逃れのような言葉を聞くとは思いもよらなかった。「腐っていたのは友人ではなくて、あなたでしょう? あなたが腐っていたから、そんな友人が集まってくるんだと思うよ」ってな言葉が出そうになったが、辛うじて耐えた。職場で波風を立てたく無かったのだ。毎日、仕事で顔を会わせている可愛らしいお嬢さん達は中身まで可愛らしい訳では無かったのか…とガッカリしてしまった。

いままで公共の場所で座り込んだり、物を食べたり、あるいは号と問う目的でもないのにホームレスを襲撃したり……という事件を知るたびに「そういうことが出来る感覚が理解できない」と毎度憤っていたけれど、今回のことで「そういうことが起こるのも無理ないのかも」と思ってしまった。きっと「悪いこと」って意識が無いんだろうなぁ。私には理解出来ないけれど、そういう人もいるらしい。

話の終わりに、その中の1人が「意外とみんな真面目なんだねぇ。そう言うことしないんだ」と感想を漏らした。以前は、こういう場面と遭遇するたびに「真面目に生きるって、ちょっと馬鹿みたい…」と思っていたものだが、今回はそうは思わなかった。私は自分ななりの感覚で生きていくのだろう。変えようとも思わないし、馬鹿らしいとも思わない。


しかしながら、感覚が違うって恐い事だなぁ……と思う。自分の見ている物、信じていることが通用するとは限らない。惑わされないように、頑固になり過ぎないように、シャンとして生きなきゃいけないなぁ……と思ったところで今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
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