白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2003年12月20日(土) モモンガの女

私が通っているCAD教室は、そこそこ高いビルの9階にある。

比較的新しい建物なので、超高層ビルという訳でもないのにエレベーターが充実していて、私が利用しているエレベーターは常時8機が行き来している。低層階はショッピングフロア。中層階はオフィスと専門学校。最上階はレストランフロアになっている。

ショッピングフロアや、レストランフロアを利用する人は、別のエレベーターを使っているらしくて、私が利用するところは、ほとんど働く人か、何がしかの専門学校に通っている人達だ。専門学校といっても、資格取得系がほとんどなので利用する人達の顔は「勉強するぞー」という意気込みが感じられる。なのでエレベーターホールでエレベーターを待っていると、なんとなく気持ちがピリッとしてくる。ごく稀に、違う学校の人とすれ違い様に「何を習っておられるのですか?」なんて話をするのも楽しい。

しかしながら、たま〜に最上階のレストランフロアを利用する人もいて、昨日はレストランフロアを利用するだろう40代のカップルを見かけた。ご夫婦だとは思うのだが、いかにも「成金でござい」という感じのカップルで、ご主人は腕を通さずにキャメルのコートを引っ掛けて、金の時計をしていた。そして奥様は、毛皮のコートを着ておられた。まあ、これと言って珍しい光景ではなかったのだが、問題は奥様の毛皮である。コートというよりも「マント」のようなデザインで、もこもこもと温かそうな茶色い毛皮だった。いかにも高そうだったんだが……

モモンガみたい!!

思わず叫んでしまいそうになった。それくらい彼女の姿はモモンガそっくりだった。小柄な女性なので、余計にそう思ったのかも知れないし、大きすぎるマントゆえにそう思ったのかも知れない。「どうしたの? ここは貴女のいる場所ぢゃないわ。森へお帰り」とか「もしかして屋上から滑空するつもりなの?」とか思いながら、ニヤケてしまう口元をキリッと引き締めるのに必死だった。

あの毛皮を売った店員さんは「モモンガみたいですよ」とは言わなかっただろうが、彼女の毛皮姿は、どこをどう見てもモモンガで、同じエレベーターに乗り合わせた人々が、彼女をどう見ていたのか、やけに気になってしまった。これを読んでいる方に、彼女のモモンガっぷりをお見せできないのが本当に残念です。まさか携帯で写真を撮るわけにもいかないし。

さてさて。暢気にこんなことを書いている場合ぢゃあない。今日は午前中仕事なのだ。午後から図書館へ仕入れに行かなくちゃ。そして明日はお楽しみが待っている。頑張って行くぞー……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2001年12月20日(木) 蜜柑味の吐息

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