職場で「子供がちっとも懐いてくれない」と嘆いているのを聞いて「そりゃぁ、無理もないねぇ」と、返事を返してしまった。
だって彼は、まともに家へ帰っていないのだもの。連日深夜まで残業。土日も休日出勤。まだ1歳にも満たない子供にとって彼は「知らないおじちゃん」以外の何者でもないのだろうと思う。「そこまで働かなきゃいけないなんて間違ってる」と思うのだが、しかし現実を思えば声を大にする事もままらない。
同僚と「ここの男性陣の家族は家族として生活を維持するの大変だよね…」なんて話をした。ボロ雑巾のようになるまで働いた彼らは、家に帰ったら「ぐうたら父さん」なのだと思う。子供に「寝てばかりのお父さん」という姿しか見せられないのだと思うと不憫でならない。あなたのお父さんは、すごくカッコイイ人なんだよ。会社ではバリバリお仕事してるんだよ」と、本人に変わって説明してあげたいくらいだ。
もっとも、妻や子供達の立場からすると「会社で格好よくなくていいから、もうちょっと家にいて欲しい」と思ってしまうのだろうなぁ。かつての私もそうだった。幼い頃は「お金をいっぱい稼いでくれるお父さん」よりも、むしろ「家にいてくれるお父さん」を望んでいた。社会に出て働くようになった現在では、お父さん達の気持ちが痛いほど分かるのだけど。
忌野清志郎の『パパの歌』(作詞は糸井重里)では無いけれど、昼間のパパ(お父さん)は、ズタボロだけどカッコイイ。
頑張っていても、なかなか伝わらなかったりすることって多過ぎるように思う。なんだか切ないなぁ。時間が掛かっても伝わると良いのになぁ……なんてことを思いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。