どうやら私は「人に物を教える」という作業が好きみたいだ。
今日は関連会社で働く女性上司のためのエクセルのマニュアルを作っていた。人員削減で仕事が過剰になったのを機にPCを導入しようと張り切ってる上司は50代後半。機械が苦手な世代の人が熱心に覚えようとしているのを見ると、教える側も熱くなる。昨日はメモを取ってもらいながら講習をしたのだけれど「1日たったら忘れちゃうだろうなぁ」とか「たぶん、ここで躓くに違いない」ってところを中心に簡易マニュアルなどを。上司にマニュアルを渡したらば感激されてしまった。こういうのって、すんごく嬉しい。
思い起こせば全職場の引継ぎの時も過保護なくらい丁寧なマニュアルを作って情熱指導(←塾のキャッチコピーみたい)をしたものだが、あの時も文句を言いつつ仕事としては楽しかった覚えがある。マニュアル作りも好きみたいで、今回自分が引き継いだ仕事についても「自分と、遠くない未来に自分が引き継ぎする人のため」に「これさえ読めば、誰だって仕事ができるぞ」ってな1冊を作ってしまったし。
「パソコンなんて自分で悩んで、頭打ちながら上手くなっていくもの」という考え方もあるが、私は反対だ。しなくて良い苦労はしない方がいいし、だいたい苦手意識の強い人がガツンと頭を打っちゃうと、さらに嫌気が差してしまうものだ。ただでさえパソコンは「おっかな吃驚」で使っている人が多いのだもの。焦らずに使えるようになってから、慣れていけばいいのだ。
趣味のお稽古事などは「習うより慣れろ」とか「見て盗め」とか「数こなせ」でも構わないだろうが、仕事の場合は、どんなことでも1秒でも早く習得できるに越したことはない。そして大きな違いは趣味は「やりたいこと」だが、仕事は「しなきゃいけないこと」って点だろう。好きなことは他人が手助けしなくたって自力でなんとかなるものだ。
そして何より私が「人に教えるのが好き」な理由は、自分自身が落ちこぼれだったからだと思う。真面目だったが優等生ではなかった。特にCADを習っていた時は、毎日泣きたいような気分でパソコンと向かい合っていたものなぁ。ピアノを習っていた時も、運転免許の教習の時も「分からないから習いにきてるのに、この人は、なんでこんなに偉そうなんだろう」と、いつも不思議に思っていた。
教える立場の人の最低の仕事は「教え子が『それ』を嫌いにならないようにする」ことだと思う。
上司がパソコン好きになってくれたら……せめてパソコン嫌いにならないでくれたらいいのになぁ。アレルギーさえ出なければ、あれもこれもパソコンで作業してもらえば楽ちんなのになぁ……などと、ついつい欲張ったことを思いつつ今日の日記はこれにてオシマイ。