昨夜は甘い物が食べたくてたまらなかった。仕事帰りに何か買って帰ろうと思うも、時間が遅すぎて目ぼしいケーキ屋は閉まっていたし、何より遠回りしてケーキ屋へ行くほどの元気など無かった。
そうだ。コンビニへ行こう!
近頃のコンビニはデザートの種類も豊富で「劇的に美味しい」ってものがある訳ではないけれど突然襲ってくる「甘い物が食べたい」という発作を抑える程度なら充分に事足りる。自宅最寄駅を降りてウキウキとコンビニへ向かった。夜のコンビニは会社帰りの勤め人がウジャウジャしていた。みな小腹が空いていたのだろうか? あるいは晩酌のツマミを買いにきたのだろうか? 私は迷うことなく、デザートコーナーへ直行した。
タイミングが悪かったのか、売り切れてしまったのかデザートコーナーは品薄だった。が、我が家は3人家族なので、何某かのデザートを3つ買えば良いのである。シュークリームでも買って帰ろう……とて手を伸ばした瞬間、40代前半と思しきサラリーマンが、猛ダッシュでやってきたかと思うと、私を押しのけるようにして、僅かに残っていたシュークリームだの、エクレアだの、ロールケーキだのを強奪していった。
彼もまた残業帰りだったのだろう。アルコールの匂いはしなかったから。家族に「今日は帰りに甘い物でも買って帰るね」と約束でもしていたのだろうか? その瞳は戦う男のものだった。「絶対に何か買って帰る」という気迫に満ちて、私など到底太刀打ちできるような相手ではなかった。
目ぼしいものが無くなってしまったデザートコーナーで呆然としていても仕方がないので、何も買わずに撤収することにした。が、不思議と腹は立たなかった。なんちゅーか。そういうお父さんって、いいなぁ……と思ったりして。お父さんに限ったことではないのだけれど、自分以外の人を想って行動する人ってのは、とても素敵に見えるのだ。
今日は買い物帰りに何か甘い物でも買うとしよう。毎週、恒例の食料買出しに行かなくちゃなぁ……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。