白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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2004年01月03日(土) 『ラストサムライ』の話など。

今日は『ラストサムライ』を観に行ってきた。密かに応援している時代劇役者、斬られ役の名優、福本清三のハリウッドデビュー作ということで、気になってはいたものの、正月休み中に乙女な母を何某か映画に連れて行かねばならぬという義務感で行ったも同然だったので、ぢつは期待していなかったのだが、これがそこそこ面白かった。今日の日記は多少ネタバレがあるので、ネタバレの嫌な方は遠慮してくださいませ。

ものすごく良い作品だとは思えなかったが3時間という長さを感じさせない面白さだった。私自身が時代劇フリークだからかも知れないけれど「楽しいチャンバラが観れたなぁ」という印象。「殺陣の役者さんが揃っているからトム・クルーズも大変だよなぁ」なんて思っていたが以外と上手にこなしていたし。私の大好きな福本清三も美味しい役で出ていたし。

滅びゆくものの美学が上手く描かれていたように思う。『ラスト・オブ・モヒカン』とか『ダンス・ウィズ・ウルブス』とか『ジェロニモ』とか、古いところだと『折れた矢』のようなタイプのネイティブ・アメリカンが登場する映画と撮り方とかシュチュエーションが似ているように思った。主人公が異文化コミュニケーションに触れて成長するというか、変わっていくというか。ま。そ・ゆ・類の物語だった。

面白かったのだけれどラストは「やっぱりアメリカ人の作る映画だなぁ」という印象。ラストでトム・クルーズが天皇に進言するシーンは良いとしても、その後の扱いがなぁ。日本人が作ったら、もっと不幸というか厳しいオチを付けるんじゃないかと思う。私だったら優しく描いたとしてもトム・クルーズに出家させるな。きっと。

まあ。それにしてもチャンバラは楽しかったし、美術も素敵だったし、役者さんも格好良かったので満足。満足。安心して楽しめる作品だと思った。

さてと。閑話休題。昨日「正月ってイマイチなぁ」ってな話を日記に書いたら、お返事をくださった方がおられた。もちろんメールで返事をしたのだが、ちょっと心に染みる話だったので日記にも書いておこうかな……と。

お正月は、毎年無事に生きてこられたことを思い返す時期で、周りを見渡すいい機会……というような内容のメールだった。なるほどなぁ……そんな風に謙虚に誠実に「新しい年」を受け止めるのって素敵だな……と思った。そして私も、これからは、そういう風に考えようかなと。誰かの誕生日に「ああ。今日は○○さんの生まれた日なんだ」と1人勝手にシミジミと盛り上がるように、お正月も、自分が生きてこられたことをについて思い、自分の大切な人を見渡してみようと思う。

映画で愉快な時間を過ごした後で、思いがけない素敵なメールを戴いて、今日は本当に良い1日だった。お正月休みも明日で最後。心残りの無いようにしたいなぁ……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2002年01月03日(木) 『アメリ』〜噛みあった歯車が奏でた音楽

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